空の色

Ricaの気まま日記と詩の世界

『1リットルの涙』第3話:レビュー

2005-10-27 01:08:41 | ドラマ・映画(ネタバレ有もあり)
『1リットルの涙』第3話

出演:
  • 池内 亜也:沢尻 エリカ
  • 池内 潮香:薬師丸 ひろ子
  • 池内 瑞生:陣内 孝則
  • 池内 亜湖:成海 瑠子
  • 池内 弘樹:真田 佑馬
  • 池内 理香:三好 杏依
  • 麻生 遥斗:錦戸 亮
                他…
    [あらすじ]
    亜也は潮香に自分の病気は何かと聞く。
    「思春期特有のものだって。自律神経のバランスが壊れてるだけだって」
    潮香はあくまで治るものだと亜也に返事をする。
    彼女が断固として告知しないのは、
    高校生である亜也には今の時期を大切にしてほしいという想いからだった。
    しかし、水野は告知した方がいいと潮香に言う。

    そんな亜也を気遣ってか、潮香と瑞夫は必要以上に亜也に過保護になる。
    がんもの散歩に行こうとしても、潮香は自分か瑞夫のどちらかを
    誘うようにし、日曜日の予定は亜也に合わせて決められていく。
    そんな両親を不思議に思い始める亜也。
    そしてそんな両親に不満を抱き始める亜湖。

    ある日、亜也は先輩の河本とバッシュを買いに出かける。
    「二人の初デート」、そんな冗談を言う河本。
    亜也にとってはつかの間の楽しい時間。
    しかしその帰り道、走ってきた小学生を避けようとするが、
    うまく避けられず、小学生とぶつかってしまう。
    少しずつ自分の体が自分のものじゃなくなっていくような感覚…。
    亜也は少しずつ、少しずつ、自分の体に異変を感じていく。
    「私、いったいどうなっちゃうんだろう…」

    ある日曜日、亜也は病院の以前知り合った少女、ユウカの元を訪れる。
    お見舞いの花を持って歩く亜也。
    ふと、亜也は病院のロビーである医師にぶつかった。
    それは遥斗の父、麻生 芳文だった。
    優しく声をかける芳文。
    芳文と亜也は歩きながら遥斗の話しをする。
    愛想がなく、クラスで浮いてるんじゃないか、と談笑する芳文に、
    亜也はそんなことはない、と笑顔で返す。
    そして、芳文は亜也がなぜ、病院に来たかと問う。
    亜也は神経内科に世話になっているが、今日はお見舞いだと答えるのだった。

    そして、ユウカの父の病室を訪れる。
    寝たきりの父、田代について、亜也はどんな病気かをユウカの母に聞く。
    彼女が夫が脊髄と脳の病気で、どんな症状があるかを話し始めると、
    まるでパズルのようにその症状と亜也の最近の体の異変が当てはまる。
    不安になる亜也。
    病室をあとにした亜也は水野を訪ねにいく。
    しかし、水野は休みだった。
    そこで、休暇中の水野を探しに行く亜也。

    ある定食屋の前で水野は急に訪ねてきた亜也に動揺する。
    そこから程近い河川敷を歩きながら、少年野球を目にする二人。
    元野球部だったという水野は飛んできたボールを少年達に投げ返す。
    そして、初めて担当した野球好きの少年の話しをする。
    しかしそんな水野の話に生返事を返す亜也に水野は今日はどうしたのかと聞く。
    亜也は一生懸命言葉を探す。
    「あの…。先生、あの…。私…。」
    その先の言葉をかき消すように、河川敷に少年達の声が響いた。
    結局、亜也は言葉が出ないまま、その場をあとにするのだった。
    そして、亜也の背中を見送る、水野は複雑な思いでいっぱいだった。

    いよいよ、明日は合唱コンクールの日。
    亜也は気持ちも虚ろにぼんやりし、指揮が合わないと、クラスメートに叱責される。
    そして、練習に遥斗がいないことに気がつく。
    遥斗を探しに行くと生物部の部室で水槽を眺める遥斗の姿が。
    練習に来ない遥斗を責めるも、亜也は病院で遥斗の父にあった事を話す。
    「麻生君も将来、医師になるの?」、と亜也が聞くと、
    遥斗は生物部のPCをいじりながら、ぶっきらぼうにそのつもりはないと言った。
    そして、無理して人間だって生き延びなくてもいいのにと言い捨てる。
    遥斗の親族には医師や医師を目指す者が多かった。
    成績がいいだけで医師になろうとする親族の考え方に
    遥斗はあまり良いイメージを持っていなかったのだ。
    そして彼自身、一度として医者になろうとは思ったことは無かった。

    そんな遥斗の言葉に亜也は過敏に反応する。
    「そんな風に割り切れるものなの?」
    亜也は涙目になりながら、遥斗に訴える。
    自分の大切な人が死んでも簡単に割り切れるの?
    遥斗にはなぜ亜也が急にそんな態度をとるのかが理解できなかった…。

    一方、潮香は最近、亜也の様子がおかしいことに薄々気がついていた。
    潮香はイライラが隠せず、亜湖にも冷たく当たってしまう。
    その晩、亜也が20時近く担っても帰ってこないことに潮香と瑞夫は心配になる。
    亜湖は過保護すぎると反発するも、潮香は亜湖を責めるだけ。
    その時、亜也は真っ暗な学校の部室にいた。
    昼間見た、生物部の部室のPCを使って、田代の病気について調べる。
    そこで『脊髄小脳変性症』という病気を知る。
    その症状は最近の亜也の異変と重なる。
    そしてその病気には治療法が無いことも知ることとなる。
    もし、自分がこの病気だったら…。
    呆然とする亜也。
    そこに、遥斗がやってくる。
    慌ててPCを落とす亜也。
    遥斗は病気の魚がいた水槽の処置をしに来たと言う。
    「変なの…。人が死ぬのはどうでもいいのに、魚は気になるんだね…」
    亜也の目から大粒の涙が零れ出した。

    その日帰宅した遥斗は父に亜也とあっていたのかと問われる。
    芳文は遥斗に亜也と付き合ってるのか?と聞く。
    遥斗には質問の真意が全く読み取れない。
    どういう意味かと遥斗は聞くが、芳文は何でもないと濁すだけ。
    芳文は何かに気がついたのか?
    その頃、帰宅した亜也も自室のベッドの中で
    自分自身の中の何かに気がつきながらも眠りに着くのだった。

    明ける合唱コンクール当日、会場での前練習で、
    亜也はクラスメートの歌詞のズレなどを厳しく指摘する。
    そんな亜也を見て遥斗は昨日は急に泣いたり、
    今日はしっかりしたりして、亜也の方こそ様子が変だと言う。
    亜也は自分の中の決断を遥斗に話す。
    今日、聞かなければならないことの答えが出ること。
    その答えから逃げてばかりはいられないこと、
    けれど、それを聞いたら"今の自分"でいられなくなるかもしれないこと。
    "今の私"は今日で最後なのだと。
    亜也はある決断をしていた。

    自宅では合唱コンクールに行くため、潮香と瑞夫が理香を連れて出かけるところだった。
    そこへ、水野が訪ねてくる。
    その場を離れる瑞夫と理香。
    水野は亜也が自分を訪ねてきたことを潮香に話した。
    そして、もう告知するべきなのではと、言うのだった。
    潮香は断固として聞かない。
    すると水野は以前、初めて担当したショウタという少年のことを話す。
    野球が好きだったと言うショウタは小学生、亜也と同じ進行性の病気だった。
    その少年への告知を1年延ばしたとき、病気を知った少年は水野に
    僕の1年を返してくれ、知ってたら、もっと野球も練習できたのに、と言ったのだ。
    告知をした時、既にショウタは歩けなくなっていた…。
    そして告知をしないでほしいと言われた時、正直ほっとしたこと、
    それによって自分が傷付ききたくなかっただけだったことを話す。
    水野は亜也に悔いなく生きてもらうためにも、告知は必要だと訴えた。
    とうとう、潮香は水野の意見に同意する。

    その頃、亜也は合唱コンクール会場で指揮の真っ最中だった。
    静かに見守る瑞夫の下に潮香が遅れてやってくる。
    瑞夫は亜也に隠し事していることに後ろめたさを感じていたと潮香に話す。
    そして、合唱コンクールの後、亜也と潮香、瑞夫の3人は診察のため水野を訪れる。
    告知を覚悟した潮香と瑞夫。
    診察室で水野が亜也に話したいことがある、と話を始めようとすると、
    亜也の口から思いがけない言葉が零れる。
    「脊髄小脳変性症ですか?
    先生、私の病気って脊髄小脳変性症なんですか?」
    驚く水野と潮香、瑞夫。
    亜也は両親が思った以上に、自分の体に異変を感じていたのだ。
    「そうだよ…」
    言葉に詰まることなく、返答する水野。
    そして、亜也は将来、ユウカの父、田代のようになるのか?と問う。
    「ずっと先のことだけど、なると思う」
    水野の答えにもう迷いは見られなかった。
    亜也の目から大粒の涙が零れる。
    恐れていたこと、一番避けたかった事実、嫌な予感、そうでないと思いたい淡い期待…。
    しかし、それは起こってしまった。

    「一つ聞いてもいいですか?
    病気はどうして私を選んだの?」
    答えに詰まる水野、潮香と瑞夫。
    そして、生物部のPCの前では亜也の閲覧履歴をトレースする遥斗の姿が…。
    -------------------------------------------------

    [作品レビュー]
    とうとう、亜也が自分の病気について知ってしまうと言う内容でした。
    亜也自体の体もいろんな症状が出始め、
    僅かながら日常生活に支障も出始めました。
    田代という患者の様子と自分の異変を比べて、
    自分が同じ病気なんじゃないかと思い始めるところは
    短絡過ぎて、若干、無理があるんじゃないかなぁ、と思いましたが…。

    そして、来週あたりは亜湖にも知れるのかもしれません。
    どうも、遥斗の父、芳文も多少気がついているようですし。
    一気に亜也を取り囲む世界が変わっていくような気がします。

    それと、ここから亜也と遥斗がとても対照的に描かれています。
    生に興味の無い遥斗と、失われそうな生にこだわる亜也。
    この二人を対比していくことで、亜也の思いが鮮明になりました。
    そして、遥斗の考え方と亜也の思いがぶつかって、
    今後二人の考え方が変わっていくのに注目したいです。

    最後にいつも表示される亜也の言葉が切ないです。
    「病気はどうして私を選んだの?」
    確かに、コレに答えを出せる人はまずいませんよね。
    だからこそ、人に聞きたくなるのでしょうか?
    これが自分の運命だなんて、割り切れるものではないですよね。
    それでも、亜也と母、潮香は前向きで強く生きていきます。
    その姿はとても印象的です。
    本作品で、私が最も注目したい所なので、今後の展開に期待です。
    ------------------------------------------------
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