空の色

Ricaの気まま日記と詩の世界

『大奥第一章 最終話』:レビュー(バレ有)

2004-12-17 02:16:25 | ドラマ・映画(ネタバレ有もあり)
今回も早速レビュー更新です!!最長です!!
#長くてすみません(>_<)

本日はとうとう最終回!!
上様もコレで見納め(T-T)
ちょっと寂しいですけど、こうして無事最終回を
リアルタイムで迎えられて嬉しい限りです。

さて、今回は、最終回。文字通り家光と春日局の別れと
春日局の築いた大奥のその後を描いたものでした。

[あらすじ]
とうとうお万も懐妊に春日局が出したものは子供をおろす毒。
春日局はお万の子が本当に家光の子かどうかを疑うも、
その薬の真意別の所にあった…。
春日局が薬を持ってきたのは、お万の子が男子であれば、
長子世襲の原則に反し、世継ぎにとなり、
朝廷との力のバランスが壊れることを恐れた上での理由だった。
春日局に生んで欲しくはない、産んではならない子だと
はっきりと言われ、腹がたったお玉は薬を庭に投げ捨て、
帰れと春日局を突っぱねた。
動揺する春日局はそのまま長屋へと向かい、
月流しのお膳を怠ったと、葛岡を激しく責め立てる。
あまりの春日局の剣幕にたじろぐ葛岡。
しかしその時、春日局の体に異変が。
軽い眩暈が襲った。
『良いわ。今からでもまだ遅うはない』
春日局の目が狂気に曇る。
しかし、意気込む春日局の体には確実に悪魔が産声を上げていた…。

そして、春日局からお万の懐妊を聞いた家光は驚きをあらわにする。
しかし、六条家の娘であるお万が男子を産み、
その子が世継ぎとなれば朝廷の力が強くなる。
そのため、春日局はお万が子を産むことは許してはならないと告げる。
それは家光にもわかっていたが、大して気に病む様子はない。
そこで春日局は月流しの薬を膳にもって万全を期していたのに、
子供ができたのはおかしいと言うのだ。
そして家光にお万の宿した子が不義の子であると家光に話してしまう。

その夜家光がお万の部屋をそっと見に行くと、
仏前で祈りを捧げるお万の姿があった。側にはあの十字の数珠が…。
この日は隼人の月命日だった。
お万は隼人が生きる道しるべになった事、
それを家光の前で恥じるつもりは無いと言った。
そして、家光にはいたらない、そんな自分だからこそ
家光の子を大切にしたいと。
そんなお万の真っ直ぐな瞳を見た家光は自分が一瞬でもお万を
疑ったことを恥じた。

家光はお万の子が自分の子であったことを春日局が知っていたのにも
かかわらず、なぜあんな嘘をついたのかと問う。
春日局はぐっと唇を噛み、涙目になって話す。
それは家光、徳川のためだったと。
お万の世継ぎは今まで築いてきた徳川の礎を壊すことになると。
それで朝廷に付け入る隙を与えることは
徳川家康に顔向けができないと泣くのだった。
家光は春日局のしてきたことに罪は無いのかと責める。
春日局の瞳からは涙が止め処無くつたい落ちた。

そして季節は秋。
家光とお万は次第に互いの心の隙間を埋めゆき、
微笑みをかわし合い、寄り添う間柄となった。
それを遠い目で追う春日局。その目を悲しみの色に染めて。
同時期に大奥ではお夏が無事に出産を終え、男の子、長松を生んだ。
それをもって、ますます世継ぎ争いの混乱を恐れた
春日局はお万の子が生まれぬようにと必死になる。
その目に生気は無く、何かに取り付かれたかのように
長屋を訪れるなりお万のお膳に薬を入れ、葛岡らに口止めをする。

その間も春日局の中で悪魔は唸り声をあげて大きくなっていく。
時折襲う、胸の苦しみに絶えながらも、春日局はお江与の幻影を見る。
お江与の幻影に向かって呟く。
『私は鬼です。あなた様から家光様を奪い、
今また母から子を奪ったのです。
笑うならお笑いなされ。
たとえ上様にお恨みを買い、
犯した罪の重さに残る余命を苛まれて過ごすとしても
私は悔いは致しません。
この思いこそ、私が上様のために背負う心に決めたものにございます』

家光はふとお夏の部屋を通りかかり、子をあやしている姿を見た。
気がついたお夏に呼ばれてもそそくさと逃げようとする家光。
それでもお夏が何度も呼ぶと家光はにっこりと笑って
お夏の元へ行き、自分の子供を愛しそうに抱きかかえた。
そこへ春日局の姿も。目を伏せどこか落ち着きも無い。
春日局を見つけたお夏は春日局にも子を抱かせる。
そして春日局は竹千代を初めて抱いたあの日を思い出す。
まだ目も開いたばかりだった竹千代を。
やがて我に返った春日局はお夏に子を返すと、
家光に声をかけることも無く、ゆっくり背を向け去ってしまった。
そんな春日局を家光はじっと見つめていた。

ある夜、お万の部屋に膳が運ばれて来るのが遅いことに
お玉は不意に何かが心にひっかっかる思いだった。
女中が見守る中、お万が膳に口をつける瞬間、
春日局がやってきて突然、膳をひっくり返した。
そして、すぐ様、畳に手を付いてお万に頭を下げる。
春日局は膳に子をおろす毒を入れたことを告白した。
それは自分の独断で行ったことで、家光の意思に反しており、
死罪に値する、世継ぎ殺しの罪を犯したと…。
しかし、罪の処分を求める春日局に向かって
お万は顔を上げるよう、あくまでも穏やかに声をかけた。
春日局のしたことに邪な私心あってではなく、
強い信念があってのことは自分にもわかっていると言った。
しかし、それを遮る様に春日局は心のうちを吐露し始める。
その目にいっぱいの涙を浮かべながら。
自分に邪な心が微塵も無かったわけではなく、
唯一つのこの世の宝である、家光の愛を
一身に受けられるお万を影で羨み、そして妬んでいたと…。
直後、春日局の意識が薄れ、春日局はその場に倒れてしまった。
それは春日局の中に住まう悪魔のうなり声のせいだった。

その夜、春日局はとうとう床に伏してしまう。
日に日にやつれて行く春日局。
やがて、春日局が意識を取り戻し目を開けると、
側ではお万が見つめていた。
苦しみ春日局にお万が薬を準備しようとすると、
春日局は弱りきった声でその必要は無いと言う。
お万はふと、布団の下から小さな白い紙包みが見えているのに気付いた。
そっと布団をめくると、そこからはたくさんの紙包みが…。
春日局は一切薬を飲んではいなかったのだ。
なぜ、飲まないのかと、お万が聞く。
春日局は薬を飲むのが苦手だと言うのだった。

しかし朝比奈は薬を飲まないのは何かわけがあるのでは、と話す。
春日局は自分でこうと決めたことは決して翻さない。
だから、何か強い信念があるのだろうと。

やがて春日局が薬を飲んでいない事を知った家光が何とか薬を
飲ませようと、春日局の元へやってくる。
家光は自ら薬を飲ませてやると、春日局の上半身を起こし、
医師から薬の入った器を春日局に渡した。
しかし、家光が見守るも、春日局は渡された薬を溢し、
全く口にしようとはしない。
家光が強く頼むも春日局は首を横に振り、かたくなに拒否する。
その訳は…。

家光が痘瘡で倒れた時にお江与の幻影を見た話を始める。
お江与が家光を迎えに来て、自分の命と引き換えに家光の命を助けると
約束したのだと言うのだった。
『その時、誓ったのです。私は病に伏しても薬は服さぬ。
余命は天に任せると』
家光の目から一筋の涙がこぼれる。
その言葉にたまらず、春日局の体を抱き寄せる。
涙はあとからあとからこぼれていく。
『たわけたことを申すな!!
母の幻など、そなたのこしらえたものじゃ!!
わしにとってまことの母はそなたじゃ。
生みの母ではのうて、わしを育ってくれたそなただったのじゃ!!』
家光の言葉を聞いた春日局はゆっくりと微笑んだ。
『上様…。そのお言葉が聴けただけで、ふくの一生は報われました…』
しかしその声に力は無い。
最期の挨拶かのような言葉に家光は声を上げ、涙を流す。
『ゆくな!ふく!
そなたに先立たれたら、わしはどうしたら良い!?』
やがて春日局は家光が幼かった頃、泣きながら同じような事を
言ったのをを思い出し、懐かしそう話した。
『お小さい時にも同じこと、申されましたなぁ…。』
『そなたに逝かれたら、今度こそわしはたった一人じゃ…』
春日局は力を絞るように話す。
『いいえ、上様。上様にはお万の方様がいらっしゃいます…』
ゆっくりとお万の方を向きなおし、お万に家光を託すと頭を下げる。
春日局に向かって黙って、一礼するお万。
その瞳から一筋の涙が流れた。

その夜、春日局はお江与の声を聞く。
『おふく殿…。おふく殿…』
そっと春日局が目を開けると床の側にお江与が座っている。
お江与はにっこりと笑い、うなずく。
春日局はその手を伸ばし、お江与に触れようとしたが
それはすぅっと消えた。
床に伏せったまま春日局はゆっくりと笑みを浮かべ涙をこぼす。
とうとう迎えが来たのだと…。

そして、春日局は正室孝子、側室らを部屋に呼んで、
気力を振るって自分も床から起き上がり、正座して対面した。
春日局は顔色も悪く、白髪交じりの髪は結いなおし、
白い着物姿で座っていた。
順に一人一人に対し、言葉を掛ける。
まず、孝子に詫びを入れ、孝子が正室でいることで
諸大名が平伏していると。
お楽、お夏には子を大切にし、世継ぎ争いを決して起こさないように、
おりさには家光を時には慰めてあげるようにと。
そして、お万には大奥総取締りの役目を譲ると伝え、
自分が歩んできた茨の道をお万ならきっとうまくやっていけると。
お万はくっと口を結び、快く引き受けた。
『最後にお玉に…そなたは…』
その時、家光がやってきた。
そして正利の謹慎を解き、早馬でこちらに向かっていると告げた。
しかし、春日局は正利は当の昔に勘当し、
そのような気遣いは無用だと、強く言う。
家光は意地を張るなと言うが、意地をとったら何が残る?と逆に問う。
まだ勤めが残っているから家光にそこに控えよと、言うと
すごすごと下がり、正座する家光…。
そして、改めて、お玉にはお万、家光に仕えるよう、話した。
最期に大奥、家光のことを頼むと深々と頭を下げる。
一同もゆっくりと頭を下げた。
春日局がゆっくりと瞳を閉じる…。
みなが面を上げると、春日局は未だ頭を下げている。
一同が見守る中、そのまま春日局が頭を上げることは無かった。
ぐらりと倒れる春日局の体…。
家光が急いで駆け寄り、名を呼んでも春日局の反応は無い…。
それが春日局の最後だった。
『ふく!ゆくな、ふく!』
家光は春日局の体を抱き、声を荒げて泣き続ける。
そんな家光の側によるお万。
その場の者すべての目から止め処無く涙があふれた。

家光は生前、春日局が作った句を読んだ。
『西に入る 月を誘い 法をえて
今日ぞ火宅を 逃れけるかな』
お万は春日局について語る。
春日局にも死ぬまで捨てきれぬ、煩悩があったのだろう。
そしてそれは政への執着ではなく、
人に愛し、愛されたいという切ない女性の願いだったのだろうと。
人は生まれながらに業を持っている。
何もかも手にして生きるわけにはいかない。
そして、お万は母の道は捨てる決意をしたと、家光に言う。
子は生むが死産だと京には伝え、世継ぎ争いを避けるためにも、
他のものに子を委ねると。
『お万。それでそなた、寂しゅうはないか?』
真っ直ぐ見つめ合う二人。
『私は一人ではございませぬ。
私にはともにくれ行く日を見るお方が、
上様がおられます』
ゆっくりと家光の手をとるお万。
そして二人は寄り添って夕暮れを見つめた。

やがて、春日局の遺言で新たなる大奥総取締りとなったお万。
奥女中への挨拶をするその姿は
紫の着物に身を包み、その風格は十分なものだった。
朝比奈がそれに応え、深々とを頭を下げる。
そうして徳川の歴史を支える大奥は続いていくのだった。

やがてある夜、ある子が産声を上げた。それは男の子。
みなが見守る中、男の子が生まれたことを伝える朝比奈。
そして家光にはお玉の方が男の子が生んだと伝える家来衆。
しかし、それはお万の子…。
お万は生まれたばかりの子をお玉に託すと、
『頼みましたぞ』とだけ伝えた。
そしてお万の子、徳松はお玉の子として世に出ることとなる。
これは子供を守るため、正室、側室の間だけの秘密とされた。
愛しげに徳松を抱き、お玉は呟く。
あの日、春日局が竹千代にかけた言葉を…。
『良い子じゃ。本に良い子じゃ。
これからは私がそなたの母じゃ。
いつまでも、いつまでもお側に付いていますほどに…』
徳松は、後の5代将軍、綱吉となり、
その母お玉が大奥に絶大な権力を振るうことになる…。

そして、今日もお鈴廊下の鈴の音が響くのだった…。(第一章 完)
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ついに第一章、完結しました~。
最後に『第一章 完』と書いてあったのが気になります。
第二章がありか!?
まさか最後の語り部が朝比奈になるとは思いませんでした(^^;
最後のシーンはちょっとドラマチックでしたね。
お玉が春日局が竹千代に言った言葉を徳松に言う。
こういうの好きです。

でも、春日局の死をもって最終回が成り立つと思っていたので、
その後の大奥の話が続いていて、春日局、家光の別れのシーンの感動が
若干、かすんでしまったような気がします。
#いきなり柿齧るなよ…みたいな(^^;
もちろん、その後も気になりましたが(^^;
うまい具合にまるっとまとまりすぎかな、とも思いました。
でも、そこに色が付いていることでドラマチックな
展開も生まれましたね(^-^)

しかし、家光、最後まで春日局に頭が上がりませんでしたね…。
下がれと言われ、すごすごと下がるし…(^^)
『強いばかりが母でした』(笑)

そして、今日も西島スマイル大炸裂でした!!
子供を抱く、西島さん。すっごいステキでした~。
ニィっと笑うあの口元がカワイイです(>ω<)
お夏に呼ばれてそそくさと逃げようとする時の微妙な表情も、
春日局に下がれと言われてすごすごと下がる姿も、
何だか微笑ましい限りです。

そして、春日局の死に際で泣く姿や亡くなって声を上げてなくシーン、
本当に最初から最後まで西島さんの涙には私も涙を誘われました。
色んな表情が今回もたくさん詰まっていて、
スゴイな、と思うばかりです。
でもやっぱり、ちょっとはにかんだ様なあの笑顔が一番です~(^ヮ^)

西島家光様はコレで見納めでございますが、
今後、たくさんの映画が控えていますゆえ、
次のステージを楽しみにしたい所存でございます☆
後ほど、大奥総評をまとめたいと思います(^-^)
名場面、名セリフ集とか…。
私の独断と偏見盛りだくさんな駄文となってしまいますが(^^;

大奥 第一章 DVD-BOX

ポニーキャニオン

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