空の色

Ricaの気まま日記と詩の世界

『過去からの…』(感想)注:ネタバレあり

2004-09-28 02:36:49 | ドラマ・映画(ネタバレ有もあり)
この物語ってBGMといい、風景といい、
時間の流れが不思議になるくらい空気流れてました。
最後、ゆりえちゃんは生きていた(と思う)のですが、
その奇跡の起こし方も自然な感じでした。
違うサイトで山岡の9月20日の言葉で彼女の運命が変わった、
と書かれていたのを目にして、とてもしっくりきました。
「なるほど、そうかぁ!!」って。

手相占いゲームにも運勢は日々変わっている、なんて
書いてありますもんね(^-^; #遠すぎ?

思うこと書いてみました。
ただ、私のは妄想だけでただただ書き連ねた、
ドラマを見た人にもわかんないような駄文ですが(T-T)
あのドラマの風景を私はとてもいいなぁ、と思ったので…。

◆ネタばらし(妄想編)◆
いい作品が書けずスランプ中の小説家、山岡貴志(西島秀俊)は生活のために毎日アルバイトをして暮らしていた。
ある夜、通りかかった古本屋でかつての自分の作品が束で売られているのを目にする。
デビュー作にして文学賞を受賞したその本が数冊ビニール紐で束ねられ、まとめて300円という値札をつけられていた。
自宅で思わず買ってしまったその束を紐解いてみると、一番下に日記らしきものがあるのに気づく。
日記をめくってみると8月31日、今日の日付の場所に、若い女の子の字だろうか、ピンクの水性ペンらしき文字で『今日も何もいいことがなかった…』とだけ書かれていた。
他のページをめくってみると今日だけでなく、ここ数日間、『今日も何もいいことがなかった』とたった1行だけが綴られているのだった。
山岡は今日の日付のその下に『俺も、同じ』と一言付け加えた。日記の持ち主と同じ気持ちだった。
するとその日記が目の前で更新されていく。その文字がひとりでにスラスラと書かれていく。

最初は気味悪がっていた山岡もこの不思議な日記が気になり、自分の思いを綴ってみる。
自分が小説家であること。しかし、行き詰っていて書くことを諦めかけていること。
すると信じられないことに次の日にはまたピンクのあの文字で返事が返ってくるのだった。
それから二人の不思議な日記のやり取りが始まった。

日記の持ち主、北嶋ゆりえ(蒼井優)は17歳。
とある病院で入院生活を送りながらこの日記を綴っていた。
ゆりえが生きている世界は2001年。なんと山岡の生きている3年も前の世界だった。
日記の中で二人はそれぞれの切なる思いを語る。
二人はいつしか日記を通して互いを励まし合うようになっていった。
そして山岡はゆりえと日記のやり取りをするうちに前向きに生きていくことの大切さを見出すのだった。
しかし、そんな中ゆりえの命があと1年であることを告げられた山岡は愕然とする。
日に日に力をなくしていくゆりえの日記に、いたたまれなくなった山岡は明日、彼女に会いに行く約束をする。
ゆりえにとっては3年後の2004年の約束だった…。

『2004年9月20日 病院のベンチに3時』。それが彼らの約束だった。
約束の時間に山岡はベンチでひとり、ゆりえを待っていた。
しかし約束の時間になっても彼女は来ない…。それでも彼女を待ち続けた。
日も傾きかけ、やがて時計の針は4時過ぎを指していた。
最後まで希望を捨てきれない山岡は病院のナースステーションへ走った。彼女は生きていると信じたかった…。
そこで山岡が知った現実…。
彼女は2004年の世界には、もういなかった。

山岡は呆然としてベンチに座り、それでも日記に今日、ゆりえと会ったことを綴った。
20歳のゆりえが元気で、ふたりで楽しく話をした、と…。
悔しさで涙があふれ、途中まで書きかけた手が止まる。
思わず山岡の瞳から一滴の涙が日記に落ちる。書きかけた日記の文字が涙でじわりと滲んだ…。

ゆりえは2001年の同じ頃、同じベンチで滲んだ文字を見つめていた。
「嘘つき…」
文字が滲んだのは山岡の涙のせいであることはすぐに想像できた。
その涙の意味を知りながらもゆりえは山岡に自分が生きていてよかった、と綴った。
ゆりえの頬にも堪えきれず涙がつたう…。ゆりえはたった1行しか返事が書けなかった。
山岡はゆりえの返事に答えなければと、ペンをとり書き続けた。
これからもずっとゆりえは生き続けること、
そして、信じていれば必ずここで2004年に会えることを。

もう、山岡に伝えられることは何一つ無かった。そして、ゆりえももう何も返す言葉は無かった。
ふたりはそっと日記を閉じ、ゆっくりと優しく手を載せる。
3年の時間を超えて二人の手が重なり、その瞬間、二人は互いの存在を認識した。
山岡が思わず自分の手に目をやった時、既に日記は彼の手元から消えていた。
柔らかな風が彼の前髪をなでていく。
山岡はいつまでもベンチから離れることができなかった。

しばらくして山岡は自分の書くべき事に気づき、ゆりえへの思いを1冊の本にした。
彼女がいたからこそ、今の自分がここにいること。人には人を変える力があること。
それはたった数週間だったけれど、間違いなくゆりえと交わした言葉から見つけたものだった。

本の評判はよく、売り上げも上々で第2弾出版の話まで出るが、彼の中ではゆりえと待ち合わせたあの日にこの物語は完結していたのだった。
それでも山岡は今でも時々あの約束の場所にやってくる…。彼女と会う約束をした大きな樫の木のある白いベンチ。心のどこかでまだ奇跡を信じていて。
静かなベンチにひとり座り、ゆっくりと瞳を閉じる。
誰かの気配でそっと開けた山岡の目に真っ白な靴が映る。それは山岡の前で止まった。
見上げた先には一人の女性が、穏やかな表情でこちらを見ている。
そして、奇跡は起こるのだった…。
真っ白な服に身を包み、柔らかなウェーブの長い髪に白い肌。そして手にはあの日記が。
彼女はゆっくりと微笑みながら言うのだった。
「信じてたよ。ずっと」
山岡の顔にも柔らかな笑みがこぼれる。二人は同じ空間で微笑み合った。
◆END◆
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4 コメント

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やっぱり、いい話ですよね (mino)
2005-11-06 20:23:56
私、これみて大泣きしました。

普段全然泣かないのに。
返信する
始めまして☆ (Rica)
2005-11-06 22:53:12
★mino さん

短時間のドラマでしたけど、十分見ごたえありましたよね(^-^)

私も、おいおい、泣いてしまいました(T-T)

キャスティングも良かったです(^-^)



コメント、ありがとうございます☆
返信する
おじゃましました (sakai)
2005-12-25 23:10:08
お言葉に甘えてお邪魔しました。

このお話しは、忘れられません、スゴク感動したのを覚えています。この物語で西島さんのファンになりました。西島さんにぴったりの役でした、映像も綺麗で音楽も素敵でした。映画レベルでした。

物語も病気の少女(蒼井 優ちゃんもファンになりました)との過去の日記のやり取りでした。あのベンチでの嘘をつくシーンは、語り草です。まさか世にもで涙を流すとは思いませんでした。素敵なお話しでした。

話しは変わりますが、05春の特別編が再放送されるそうです、なぜ!04秋の特別編が放送されないー!!!

怒りを覚える今日この頃です。失礼しました。
返信する
いらっしゃいませ☆彡 (Rica)
2005-12-26 23:33:17
★sakai さん

早速のご訪問、ありがとうございます(^-^)

私もこの話は未だに観ると涙が零れます♪

名作ですよね!

まさに、西島さんには絶好の役柄で、あのベンチのシーンは号泣ものです!



あ、春の特別編は再放送があるんですか~!

残念!あと少し季節がずれていれば秋だったのに、惜しい(>_<)

でもでも!『過去からの日記』はフジのHPでも大反響だったので、そのうち再放送があるかもしれませんね(^-^)

再放送も期待したい所ですね☆彡



コメントありがとうございます(*^-^*)
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