三億円事件の場所の特定cy6

では、なぜ、曖昧にしか判らない都心部の地名の中で、新宿を選んだのだろう。まず大きいのは、甲州街道に設置されている経路案内標識と思われる。そこには、新宿まで○○キロと表示されている。もう一つは、京王線の存在である。京王線は新宿が終着だが、都営新宿線に乗り入れており、必ずしも、終着というわけではない。だが、都営新宿線に乗り入れたのは、1980年3月16日、三億円事件から12年後のことだ。もし、三億円事件犯人の生活圏が府中にあるとすれば、新宿を終着とするのは自然な発想なのである。
（2013年12月記）

三億円事件の場所の特定cy5

三億円事件犯人にとって、終着点は、どこでもいいとなれば、何を基準にして、新宿となったのだろう。たとえば、調布だとしよう。調布であれば、本当に、警察側（多磨農協側）が、行ってしまうかもしれない。また、三億円事件犯人の生活圏を特定されてしまう可能性があるかもしれない。四ツ谷、日本橋はどうだろう。もし、三億円事件犯人が、都心部にも、相応に土地勘があれば、あるいは、そうしたかもしれない。おそらく、三億円事件犯人は、都心部について、曖昧にしか判らず、新宿ぐらいしか思い浮かばなかった可能性が高い。
（2013年12月記）

三億円事件の場所の特定cy4

たとえば、三億円事件犯人にとって、確認できそうな終着点は、高井戸だろうか、調布だろうか。あるいは、もっと、近くだろうか。かなり、終着点を近くに、設定したところで、結局のところ、三億円事件犯人は、終着点を確認できないはずなのだ。
（2013年12月記）

三億円事件の場所の特定cy3

とすると、そもそも、三億円事件犯人、第一回多磨農協脅迫事件の合図と同様、終着点を設定する必要性を、ほとんど、持っていなかったということかもしれない。漠然と甲州街道の終着点は新宿、という認識だったということだ。厳密に言えば、甲州街道の終着点は日本橋であり、実質的に言えば、新宿を素通りして、四ツ谷、皇居、内堀通りあたりが終着点ということになる。ところが、終着点を設定したところで、三億円事件犯人は、確認できないのである。
（2013年12月記）

三億円事件の場所の特定cy2

つまり、三億円事件犯人にとって、調布でも高井戸でも、あるいは、新宿でも四ツ谷でも日本橋でも、確認のしようがなければ、変わらないのである。だが、たとえば、調布だとしてみよう。調布にすら、警察側（多磨農協側）が行っていないとすれば、三億円事件犯人が、確認できないということが判明してしまうことになる。新宿であれば、それなりに遠いので、確認できないということは、問うまでもなく自明となるのかもしれない。
（2013年12月記）