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ロシア・プーチン政権の現状

2023-03-13 22:12:39 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢

ロックフェラーを倒したロイヤル・ダッチ・シェル(デターディング・サミュエル連合)

2023-03-13 10:04:56 | 麻薬・阿片・石油

石油業界のナポレオン:英国のユダヤ人、マーカス・サミュエルhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7addcc3b4d7d47626e3ddf56898b30ec
からの続き

 

ロイヤル・ダッチ石油会社vsシェル輸送会社
マーカス・サミュエル率いるシェル輸送会社の石油業界への転向は、当然ヘンリー・デターディング率いるロイヤル・ダッチ石油会社との競合関係になりました。

当時、ロイヤル・ダッチ社は、オランダ領東インド(インドネシア)の石油を輸送するために、わずか一艘の油槽船(タンカー)しかなかったのに対して、ロスチャイルド家から資金援助を受けたシェル社は、次々に油槽船(タンカー)を建造しして、極めて安価な運賃で自己経営の石油を輸送することができました。

デターディングにとっては、このロンドン生まれのユダヤ人、マーカス・サミュエルこそが当面の敵でした。 少なくとも、ロックフェラーはそう考えて、南洋における英・蘭の石油抗争を、冷たい目で眺めていました。

どちらが倒れるか、、形勢を見た上で、石油王として、余裕をもって、勝負すればよいと考えていたのです。 大スタンダード石油から見れば、この両者の石油の量は、物の数ではなく、北米の油井は、刻々に動く秒針の間に巨万の富を生み出していました。

 

 

パイプラインを独占し、全米の石油を支配していたロックフェラー
ロックフェラーは、1881年に39の石油会社を合併し、資本金7,500万ドルとなり、米国石油の95%までを支配するようになりました。 そして、その翌年、世界経済史上の怪物、大スタンダード・トラストの成立を見るに至りました。

この石油トラストには、ジョン・ディ・ロックフェラーを中心として9人の委員からなる委員会があって、連盟39会社の代表機関となり、ここで最高政策を決定して、指令一つで連盟会社を動かし、米国石油業界を自由自在に操るようになっていました。

ロックフェラーがそういった石油王国を築きあげるまでには、経済戦上の巧みな戦略と金権を縦横に駆使した謀略があったことはうまでもありません。

1870年代、彼はまずペンシルベニア鉄道のジョウェットと提携し、密に運賃割引の協定を結びました。これらの鉄道は、米国東部の商工地帯を走っていたので、石油輸送に極めて有利な地の利を占めていました。 そして、これらの鉄道の巨頭たちはロックフェラーの会社の株を掴まされていたので、配当金の増加を謀るためにも、ロックフェラーに味方せざるを得ませんでした。

その結果、スタンダード石油競争者に対する石油輸送の運賃は、2倍にも3倍にもなり、商売はうまくいかなくなり、競争者が弱り果てたところを見込んで、ロックフェラーはこれを買収し、自分の傘下に抱き込みました。 最初、ロックフェラーが石油業に手を染めた頃には、ペンシルベニア州各地に散在する製油所から石油を購入し、これを木製の油槽馬車に積んで市場に運んだものでした。 

ついで、この木製油槽馬車が、鉄製の油槽と変わり、さらに油層貨車を製造して、鉄道との割引契約によってレールの上を走らせることに成功しました。 しかし、ロックフェラーはさらに進んで、鉄道の割引運賃以下で輸送することを考案しました。 送油官線(パイプライン)が初めて作られたのです。

このパイプラインによって油井から湧き出た原油は、製油所に送られ、精油は再び管を流れて各港に運ばれます。 このパイプラインによて、最低運賃よりも約6分の1で、石油を輸送することができるようになりました。このパイプラインこそが、米国に於けるスタンダード石油社の石油専売を確立した最大の理由です。

パイプラインの設置は大変高価なもので、到底小さな会社の力では及びもつきません。直径16インチの鉄管を何百マイルと繋ぎあわせるだけでも大変な費用なのに、ポンプ装置もいれば、冬季凍結しないための保温装置も必要です。 その上、地代も払わなければならず、米国では1マイルのパイプラインが益2万ドルはかかると言います。

ちなみに現在、米国内のパイプランの延べマイル数は約20万マイル、実に地球を5重に取り巻く長さと言われています。(1マイル=1.6009km) 

パイプラインを独占されては、いくら優秀な油井をもっていたところで、小さな石油業者は太刀打ちできません。従来通りの運賃を支払って、スタンダード石油に対抗しようとすれば、元値を切って販売しなければなりません。 たとえ、スタンダード石油に対抗してパイプラインを設置しようとしても、ロックフェラーはすでに金にものを言わせ政治力も支配しているので、椅子にふん反りかえっているだけで、競争相手を屈服させることができました。

贈賄、金力、政略、こうしてロックフェラーは全米の石油を一手におさめることがでいたんです。 アメリカ政府より力を持ち出したロックフェラーは欧州のロスチャイルドのような存在となりました。 そしてますます傲慢で悪どくなるロックフェラーは、1892年、セオドア・ルーズベルト大統領のトラストっ征伐となり、シャーマン法(アメリカの独占禁止法)の発動を見るに至りました。

しかし、このトラスト法は表面的なもので、政府と癒着したスタンダード・トラストは、依然として実質的に存在していました。

 

 

ロイヤル・ダッチ・シェル(実質ロスチャイルド)の設立と、争うスタンダード石油(ロックフェラー)
全米での地上に於いてはパイプラインの独占によって米国石油業を制覇したロックフェラーは同じ方法でロイヤル・ダッチ社、シェル社に立ち向かいました。西太平洋の一角から敢然として挑戦してきたロイヤル・ダッチ社は、不幸にして一艘のタンカーをもっているに過ぎませんでした。

オランダ領東インド(インドネシア)から算出する石油を世界の市場に配給するには船で輸送するしかなかったのです。 これに目をつけたロックフェラーは金の力で、片っ端からタンカーとの契約を結び、一艘たりともロイヤル・ダッチ社に利用されないようにしました。 この悪辣な閃絡は、たしかに一時的にデターディングを悩ましましたせっかくの商品もむなしく倉庫内にうず高く積みあげられるばかりで、これを輸送することができなくなりました。

 

 

ロイヤル・ダッチ・シェルの設立とスタンダード石油への反撃
ロックフェラーの横暴に対し蟷螂の斧(かまきり=弱者が自分の実力を顧みず、今日じゃの立ち向かうことのたとえ)を振りあげていたデターディングは、小我を捨ててミュエルと提携することになりました。サミュエルが十数隻のタンカーを持っていたからです。

かくして、ロスチャイルドの仲介により、1897年、ロイヤル。ダッチ石油会社社は、シェル輸送会社と合同して、ロスチャイルドも資本参加し、改めてロイヤル・ダッチ・シェル合同会社となり、スタンダード石油に対して反撃を開始しました。

ロスチャイルドが出てくれば、当時はまだロックフェラーとは実力と格が違います。 ロスチャイルドの親戚であるクーン・ローブのジェイコブ・シフが、ロックフェラーに資金援助し、経営のアドバイザーとなっていて、ロックフェラーは今日のように巨大財閥になれたのであり、またアメリカ議会の調査によれば、1900年頃、ロスタイルド家はアメリアの富の約2倍、全世界の約50%の富を支配していたとされています。

 

ロスチャイルド財閥-111 国際金融財閥の序列
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/af41696ec05203f68b46d63b897e9b3d

・ロスチャイルド財閥-196  ロスチャイルド7代目当主 Alexandre de Rothschild 
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/eb9df5eb208317312b0a1bf276cdbde2
・ロスチャイルド財閥-195  2012年ロスチャイルド の投資会社RIT・キャピタル・パートナーズがロックフェラー
 資産運用事業の株式37%取得 
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6aeceba979c21512d0b651606778f7fc

 

この合弁から、ロイヤル・ダッチ・シェルは英国資本の会社と考えられるようになり、オランダ人デターディングも大英帝国の大石油業者であるかのように考えられるようになっています。 デターディングングが振り上げた蟷螂の斧葉、既にカマキリの斧ではなくなり、ロックフェラーの牙城を脅かす切れ味をもっていたのです。

世界の石油輸送組織をも独占しようとのロックフェラーの夢は惨めにも破られたばかりか、逆にデターディングに覇権を奪いされれることになりました。 1900年までは、タンカーのほとんど全部は米国に属していましたが、今日では(欧州大戦前まで)世界汽船総トン数の10%を占め、約800万トンに達するタンカーのうち72%までは、デターディング及びその勢力下にあったのです。

ロイヤル・ダッチ・シェルをしてスタンダード石油に匹敵する石油王国を建設せしめたのは、実におの輸送力でした。そしてその輸送力を完備したのは、ずんぐりした風采のあがらないユダヤ人マーカス・サミュエルでした。

 

こうして陣容が整うと、デターディングは積極的に対ロックフェラー石油販売戦を開始。 海上輸送の覇権を握り損ねたロックフェラーは、各所に敗戦の憂き目を見なければなりませんでした。 サミュエルのタンカーと老チャイルドの黄金・資金力を後盾に、デターディングは戦略を縦横に駆使してロックフェラーを悩ませました。

やがて戦場は志那大陸に移され、ここにロスチャイルド一大血戦が展開します。 そして結果は、ロイヤル・ダッチ・シェルの勝利となり、ロックフェラーは極東における覇権もロイヤル・ダッチ・シェルに一時、譲らなければばならなくなりました。 これについて詳細は、次の投稿で紹介したいと思います。

 

 

(参考)

石油業界のナポレオン:英国のユダヤ人、マーカス・サミュエル   https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7addcc3b4d7d47626e3ddf56898b30ec
独ガソリン・ディーゼルエンジンと仏プジョー、そしてロスチャイルドhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e16baece0ccf5acec5e58e26f8bdcd04
ロックフェラーより早かった日本の石油商用化
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7bf2a45203a4f71982dfdf7e53dd2c02
石油の発見と利用の人類史
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b555050c36935ad6e972408f0bae2c6b
 

・ロスチャイルド財閥-16 自動車産業
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f92d2d9e8b9e21aa5c5bb98624738254
・ロスチャイルド財閥-15 植民地アルジェリア
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2f12b3927faea268ab5c943d43187f17

・ロスチャイルド財閥-14 鉄道事業への参入
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d5a4e286ac7c0ae56bd9c0fc003f6e4f

ロスチャイルド財閥ー85 ヴェネチアの黒い貴族: 人類史絶対勝者のルーツ
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/ee17d9c2af99e8fb646a1c44d6e8e129

 

 

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防衛費増の中・・・安全保障最前線【報道特集】

2023-03-13 03:56:11 | 安全保障、戦争・軍事・テロ・ハニトラ、暴力団、マフィア、スパイ・犯罪・詐欺

 

TBS ニュース

防衛費増の中・・・安全保障最前線【報道特集】
https://www.youtube.com/watch?v=876FOQ7Sh1w

 

(参考)

岸田政権「防衛費GDP比2%、27年度に」https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/dbd7db26071cbf26a113652ad79956dd

 

 

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岸田政権「防衛費GDP比2%、27年度に」

2023-03-13 03:16:39 | 安全保障、戦争・軍事・テロ・ハニトラ、暴力団、マフィア、スパイ・犯罪・詐欺

 

岸田文雄首相は28日、防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%に増額するよう関係閣僚に指示した。科学技術費などの国防に有益な費用を合算し、省庁横断の防衛費と位置づける。装備品を含む向こう5年間の予算規模と財源確保を年内に同時決着させ、戦後の安全保障政策の転換に道筋をつける。 首相が防衛費の具体的な水準を明言するのは初めて。東アジアの険しい安保環境を踏まえ先送りすべきでないと判断した。

       

首相が28日、首相官邸に浜田靖一防衛相と鈴木俊一財務相を呼び防衛費増額に関する方針を指示した。

GDP比で2%との基準を示したうえで、

年末に①23~27年度の中期防衛力整備計画(中期防)の規模、②27年度に向けての歳出・歳入両面での財源確保――を一体的に決定すると伝えた。浜田氏が面会後に記者団に明らかにした。

日本の防衛費は1976年の三木武夫内閣以来、おおむね1%以内を目安としてきた。ウクライナ侵攻を踏まえ北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明し、自民党が2%への増額論を唱えていた。

防衛省の予算は2022年度当初で5兆4000億円ほどだ。GDPで2%とするのは防衛省の予算を増額した上で、防衛に有益な他の経費を含める。

公共インフラや科学技術研究、サイバー、海上保安庁といった他省庁予算も加える。防衛省だけの縦割り体質から脱却し、安全保障を政府全体で担う体制に移行する。現在のGDPを前提とすると新たな防衛費はおよそ11兆円に達する。

柱となるのは相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の保有だ。ミサイルの長射程化や米国製巡航ミサイル「トマホーク」を導入する。不足している弾薬の購入量を増やすなどして継戦能力も強化する。

財源に関する年内決着も指示した。「まずは歳出改革」と指摘したうえで、歳入面で「安定的に支えるためのしっかりした財源措置は不可欠だ」と伝達した。

政府の防衛費増額に関する有識者会議は財源を「幅広い税目による国民負担が必要」とする提言をまとめていた。政府内では法人税に加えて所得税、たばこ税などの増税で賄うべきだとの意見がある。

一方で政府関係者によると26年度までは財源確保のための一時的な赤字国債発行を容認するという。自民党側の意見に配慮した措置とみられる。

首相は両閣僚に歳出改革なども含め財源捻出を工夫するよう求めた。28日の衆院予算委員会では防衛費の財源に関して余った新型コロナウイルス対策予算の活用を検討すると明らかにした。

                     出所  日本経済新聞 2022年11月28日

 

 

ロシアのウクライナ侵攻、中国の尖閣侵攻、北朝鮮の核ミサイル開発など、あってはならないことですが、この世界情勢の動きが、日本にとっては、軍事費増強と、良い方向に働いたようです。

 


石油業界のナポレオン、デターディングと英国のユダヤ人、マーカス・サミュエル

2023-03-12 22:48:27 | 麻薬・阿片・石油

ロックフェラーが石油王として辣腕をふるっていた頃、後の石油業界のナポレオンと呼ばれた一オランダ青年は、悪捨てるダムのトウェンチェ・バンクの出納係として、月給60ドルを貰っていました。 6年の間、熱心に働き、1886年頃には、月給180ドルに昇給していました。

このオランダ青年こそ、後にその個人名義の財産だけで3億4っ千万ドルと言われるヘンリー・ウィルヘルム・オーガストデターディング(Henri・zzzwilhelm・August Deterding, 1866-1939) です。 船長の小として生まれたデターディングは、12歳にして父を失い、トウェンチェ・バンクの本店で数年働いた後、オランダ領東インド(インドネシア)の支店に派遣されました。

ここにいる時、トウェンチェ・バンクの所有するゾンデ島内の油井を見たのが、彼の石油に対する興味の始まりとなります。 その後、ビナン支店の支配人に昇進し、ロイヤル・ダッチ石油会社の社長ケスラーと会う機会に恵まれました。 

ケスラーはデターディングの才能を見込み、彼を自社に迎え入れて、重要な地位に据えました。 デターディング30歳の時です。 

彼の入社後、ロイヤル・ダッチは新たに50万フロリン(オランダの旧通貨)の株式組織となり、その翌年には数ケ所に墳油抗を獲得するに成功したために、従来の赤字続きがたちまち8%の配当をするまでに至ります。

この報を聞くや、当時世界のランプを支配していた金(money)の亡者ロックフェラーは、ロイヤル・ダッチの成長をみて、緒戦を開始し始まました。 ロイヤル・ダッチの株主達は、石油王の攻撃を恐れて、今のうちにスタンダード石油と提携することを主張しました。

しかし、デターディングは断固として株主たちの勧告を退けました。 その頃、社長のケスラーは死去し、遺言によってデターディングが社長の椅子に収まっていました。 

ロックフェラーの悪質な攻撃に、株主たちは戦々恐々としていました。そしてデターディングが敗退する日を待ってるのようなk状態でした。 しかし、「若造」と言われていたデターディングはよく闘いました。 わずか50万フロリンの資本で、ロックフェラーの数千万ドルに宣戦布告したのです。 

 

シェル輸送会社のマーカス・サミュエルとの出会い
このとき、デタ-ディングは有力な協力者を得ました。 シェル輸送会社の持ち主マーカス・サミュエルです。今日、英国の一大石油トラストが完成したのも、実にこの英国人サミュエルトデターディングの握手に他ないからです。 13万に上る大小の事務所が並ぶロンドン経済街の片ほとりに、小さな事務所を構えていたマーカス・サミュエルが、後に石油業界のライオンといわれる程の大物になると誰が思っていたでしょうか。

この人物こそが、デターディングと協力して、石油の英国覇権を樹立した男です。 彼が1927年になくなったときでも、経済人で彼の経歴を知っている者はほとんどいませんでした。 

 

 

石油業界のナポレオン:マーカス・サミュエル(Marcus Samuel,1853―1927)
サミュエルはロンドンユダヤ人町に生まれ,船会社の平事務員となったのが、経済人としての最初の一歩でした。 

彼は会社の船に便乗して、幾度が東洋に旅行し、国際貿易についての知識を獲得しました。 そして、彼はこつこつと貯めた金を資金として、独立してして輸出入業を始めたのです。 サミュエルは、まずボロ船を一艘を手に入れて、アジアの貝殻類や真珠を英国に輸入する仕事を始めました。

そして、その商品に因んで、会社名を『シェル輸送会社』としました。 会社は着々と利益を上げ、船の数も増加して。新式貨物船12艘の社船を持つにいたりました。彼の船は、アジアから英国に商品を運んでは、空っぽの船で、日本や中国に帰ってくるという有様で、極めて不経済でした。 ある時、サミュエルの船はアジアへの帰途、石油の輸送を依頼され、数個のタンクを積み込んで思わぬ儲けをしたことがありました。

機を見るに早い彼は、石油輸送が有望であることに着目し、パリのロスチャイルド家から資金の融通を受けて、石油輸送用の汽船の試作を開始しました。 これが、背愛の大洋に石油タンカーが出現した最初で、彼はこの建造を続けました。

こうなってくると、自然の成り行きとして、彼は石油生産について触手を動かし始めました。 ボルネオに採掘権を買収し、まもなく自分のタンカーを自分の石油で充たすようんりました。 各地の支店は、利益の薄い真珠貝の売買を行う必要はなく、より儲けの大きいランプと灯油を扱うようになりました。

 

 

(参考)

・独ガソリン・ディーゼルエンジンと仏プジョー、そしてロスチャイルドhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e16baece0ccf5acec5e58e26f8bdcd04
・ロックフェラーより早かった日本の石油の商用化https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7bf2a45203a4f71982dfdf7e53dd2c02 

・石油の発見と利用の人類史
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b555050c36935ad6e972408f0bae2c6b

・ロスチャイルド財閥-16 自動車産業
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f92d2d9e8b9e21aa5c5bb98624738254
・ロスチャイルド財閥-15 植民地アルジェリア
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2f12b3927faea268ab5c943d43187f17
・ロスチャイルド財閥-14 鉄道事業への参入
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d5a4e286ac7c0ae56bd9c0fc003f6e4f

 

 

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ロスチャイルド財閥-163  ロスチャイルド財閥について今まで投稿してきた記事一覧
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