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ジャパン・ハンドラーズ UCバークレー校-3 通産省は日本のシンクタンク

2023-09-07 12:45:25 | ジャパン・ハンドラーズ

チャルマーズ・ジョンソンの『通産省と日本の奇跡』は、戦後日本の奇跡的な経済復興の背景には通産省の産業政策(インダストリアル・ポリシー)があったという、当時としては非常に大胆な分析を行ったレポートでした。

そもそもは、升味準之助教授の、「日本では総理大臣よりも、選挙の結果にびくともしないキャリア官僚の通産事務次官ほうが、実際には首相よりもはるかに重要な役割を果たしている」との言葉から、日本の官僚制度に興味深く思ったのだと言います。

 

ジョンソンは「日本の成功は、アメリカのような『規制志向型国家』とは異なった『発展志向型(デベロップメンタル・ステイト)』という国家体制の性格に起因する」と主張しました。

アメリカでは、企業を規制する法として、シャーマン法などの反トラスト(独占禁止)法があり、企業と国家は、規制を「か(民間)と「かける側」(行政)という形で対立しています。

しかし日本では、国家自体が産業化を指向し、官民の対立がみられないといいます。

ここに、我々自身気が付かない、一神教の善悪二元論での対立思想と、あいまいを許容する多神教の思想があるように思われます。

 

日本は、戦前・戦中は商工省という形で、戦争遂行のための国家主導型の動員型産業政策を行っていました。戦後になると通産省という形に姿を変えはしましたが、実際には戦前・戦中と同じ産業政策をおこなってきたのではないか、というのが彼の考えです。

したがって日本は、アメリカ型の資本主義とは大きく異なった独特の「東アジア型資本主義」の道を歩んでいるのではないか、とジョンソンh結論づけました。

 

ジョンソンが、「リヴィジョニスト」(あるいは日本異質論者)と呼ばれるのは、この「日本は欧米型の近代社会ではない。異質なのだ」という強い主張に由来します。

 

 

(参考資料)

ジャパン・ハンドラーズ カリフォルニア大学バークレー校 ー1
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/8ba198b8747581d85ab8a411d4675545

ジャパン・ハンドラーズ カリフォルニア大学バークレー校ー2 通産省研究https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f87dc7ec794ff3ab63663fbc6c4797ea

 

 

 



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