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ロスチャイルド財閥-240 ワーテルローでの情報戦で財閥の基盤を築いたロスチャイルド

2023-11-05 17:41:18 | 国際政治・財閥

 

 

ロスチャイルド財閥-239 ウェリントン将軍に軍資金を運ぶロスチャイルド
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ロスチャイルド家の情報ネットワークはナポレオンの最後の戦争になったワーテルロー(英語ではウォータールー)の戦いでも見事な仕事を見せました。

ロンドンの金融街シティでネイサンが一世一代の大勝負に出て勝ったのです。乱世の計略に長けるロスチャイルド家は最後の最後までナポレオンを食い物にしました。


これについてはネイサンが合戦を自らっ守ったとか様々な伝説が流れていますが、その一つはこうです。

ワーテルローで、もしナポレオンが勝てばイギリスの命運は風前の灯となり、その国債は暴落して紙切れ同然になる。 反対にイギリスのウェリントン将軍が勝てばイギリス国債は暴落する。

歴史はどう展開するのか。 イギリス中が天下分け目ン闘いの行方を凝視していたとき、ロスチャイルド家の情報網が一早くナポレオンの敗北を知らせました。

 

1815年6月19日夜遅く、オステンド(現ベルギー)からウェリントンの勝利を伝えるため船に飛び乗った使いの者を20日未明、ドーバー海峡に出向和えたネイサン、ウェリントン将軍の飛脚よりかなり早く直ちにロンドンの証券取引所に向かいました。

取引所に姿を現したネイサンは、買には走らずに逆に売って出ました。その前のキャトルブラの戦いで、イギリスが負けたという情報で既に下落していた公債市場は、

ネイサンが売りに出たのを見て、”ウェリントンは負けた”と受け止めてパニックに陥りました。 相場は暴落の暴落を続けます。

そしてウェリントン将軍勝利のニュースがまさに広まろうとするとき、ネイサンは二束三文担った公債の買いに転じました。

 

これについては、ロスチャイルド家の伝書鳩がネイサンに誰よりも早く戦況を伝えたという説もあり、真相は霧の中ですが、いずれにしてもネイサンが誰よりも早くナポレオン敗北を知ってたことは確かのようです。

 

当時のロスチャイルド家は、ドーバー海峡に自家用の快速船を何隻も運航させていたほか、ドーバーとロンドン間に同家専用の早馬を置いていました。 このため、ネイサンは伝書鳩というよりは陸上ルートでいちはやく、ウェリントン将軍勝利のニュースを掴んでいた可能性が強いとみられています。

情報は金(money)、それこそがロスチャイルドの武器であり、繁栄の秘密でした。この賭けでネは、イサンは天文学的な数字の儲けを手にし、それがその後のロスチャイルド家の基盤となったとされています。

これびついて、パリ分家のギー・ド・ロスチャイルドは著作『ロスチャイルド自伝』(酒井傳六訳、原書1983年刊)で、伝説とは反対に、

「ロンドンの証券取引所の行った入念な調査は、ワーテルローの前または後のイギリスの公債の相場はいかなる変化儲けていなかったことが分かったので、ネイサンが打ったという大博打というのは完全な間違いであることが証明された」と書いています。

ナポレオン敗北を食い物にしたことを隠したいというフランス・ロスチャイルド家の当主としての意図的な記述なのかもしれませんが、これがギー男爵の間違いです。

 

ロンドン分家のヴィクター(三代目ロスチャイルド卿1910-1990)は、1982にネイサンに関する『偉大な男の影』という題の本を自家出版してワーテルローの戦いをめぐる伝説についても検討を加えています。

それによればイギリス公債は決戦前の56ポンドから、勝利が明らかになった週明けには60ポンドに急騰しています。 

値動きはそう大きなものではありませんが、ヴィクターはネイサンが代理店5社を総動員して底値で買い、高値で売ることによて伝説の100万ポンには届かないとしても、市場の規模の小さい当時としては空前の、それに近い大きな儲けを手にしたと見ています。

 

ネイサンは5人兄弟の仲では最も早く836年に60歳で亡くなっています。*この死については疑惑があるのですが、別途紹介したいと思います。

その死も伝書鳩でヨーロッパ中のロスチャイルド事務所に伝えられました。 残した遺産は500万ポンド、日本円にして280億円という事になりますが、当時の経済規模では気の遠くなるような金額だったようです。

ちなみにロスチャイルド家は、全体で19世紀中に4億ポンド(2兆2400億円)以上の富を集めたという推計があります。

 

また、ギーはロスチャイルド家が1813年~1830年の間にイギリス政府に27億フラン、フランス政府に11億フランを貸し付けたこと、パリ分家の創始者ジェームズがナポレオン戦争後に総額で120億フラン(今日のおよそ1兆2000億フラン、1フラン=20円換算で24兆円)に達するさまざまな公債を発行したことを明らかにしています。

こうしたロスチャイルド家の財布の大きさからもワーテルローをめぐるネイサンの大博打伝説はきえそうもありません。

ただ、一つ言えることは、真のギャンブラーは負ける勝負はしないということです。

 

 

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