第一次世界大戦の主原因は石油 死の商人ザハロフ
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からの続き
ザハロフが、デターディングのために小アジアに於いて火中の栗を拾っている間に、デターディング自身はロシアで苦杯をン召させられていました。
ロシアの石油戦線にはスターリンがいました。 ボリシェヴィキスト(過激派共産主義者)はすべての重要産業を国家の手に収めてしまいました。 コーカサス出身のスターリンが、一早くその地方の石油地帯を抑えたのも当然でしょう。その結果、世界大戦勃発二年前、デターディングがフランスのロスチャイルド家から買収しておいた採掘権も、ロシア新政府のために没収されてしまったのです。
しかし、他の資本家が絶望している時、デターディングは一つの希望を抱いていました。 それはウランゲル将軍とかデ二キンとかユーデニッチとかコルチャック将軍というような反赤旗派の闘志達が、今にボルシェヴィキ政府政府を倒し、バクーにデリック(クレーンの一種)を林を立てることのできる日が来るだろうという希望でした。
ス言った予想から、彼は亡命ロシア人の財閥と盛んに取引を続けました。 パリのカフェに、失意の毎日を送ってイタアチャツーロフ兄弟は、その没収された土地を捨て値でデターディングに売却しました。その他の白系rシアは次々にこの例に倣います。 英国人の中にも厄介払いの気持ちで、シバエフ会社とかバクー・ルシャン会社とかを手離す者もでてきました。
デターディングは失意のどん底二あえぐ、すべてのバクーおよびコーカサスの石油資本家から利権を買収していき、グロズヌイやマイコープ地方の石油権益も、彼の手に落ちました。 更にまた、レーニン没落の日を夢見つつ。送油管工場も買収し、グロズヌイからノヴォローシスクに至る送油管(パイプライン)建設の紙上計算を立てました。
1920年になって、英国やデターディングの経済的援助を受けたデニキン及びウランゲル将軍閣下の白露軍が、ボリシェヴィキ(過激派共産主義者)に対して反旗を翻します。亡命ロシア人が捨て値で石油利権を手放したことを後悔しているとき、デターディングはロシア石油の支配者となる日が近づきつつあることに、満面の笑みを浮かべていました。
彼は、その獲得した全利権を統合して、アングロ・コカシアン(英・コーカサス)会社を設立しました。この会社は将来コーカサスにおけるアングロ・ペルシャン(英・イラン)ともなるべき使命を持っていました。 デターディングの計算によると、年々150万トンの石油をノボローシスク港から積み出せることになっていました。
skし、彼の予想は砂上の楼閣に終わってしまいました。とロッキーの軍隊は南部ロシアに殺到し、帝政派の将軍を撃破し、デターディングの握ていた石油利権は、紙屑ンも等しい不渡り手形となってしまったのです。 レーニンの偉業を継いだスターリンは、石油をソビエトの手で確保し、新プロレタリア帝国の財源とすべう決意していました。
sかし、飢饉や生産減少、財源不足に悩むソビエトにとって、外国の承認を得て外貨を獲得するためには、石油こそ重大な餌となってきました。ここに1920年4月、英仏間にサン・レモ協定が締結しされました。 この協定は世界の石油をめぐる英仏間の勢力分布を決定したものですが、ロシアの石油については両国ともロシア石油開発権獲得に努力し、各自その国民に援助を与えることを約束しています。
そして、ロシアに関する協定は、結局、ロシアを三角形の頂点としたデターディング(ロイヤルダッチシェル=ロスチャイルド)とスタンダード石油(ロックフェラー)の構想に過ぎないのです。
石油業界のナポレオンと称されるデターディングは元々は、オランダのロイヤル・ダッチ石油会社の社長。 ロックフェラーにスタンダード石油に対抗するため、イギリスのマーカス・サミュエル社長率いるシェル輸送会社(石油事業もしている)と、ロスチャイルドの仲介で、合弁会社、ロイヤル・ダッチ・シェルを設立。 この時にロスチャイルドも株主となっています。 ロスチャイルドの参入により、スタンダード石油に、日本お含む東アジア市場で、勝利した歴史があります。
ロシアは、外国のクレジットと資本を望んでいました。デターディングとスタンダード石油は石油採掘権を欲しがっていました。ロシアは製油試掘権を売却して資金を得ようとしていましたが、デターディングの望むところはロシア石油の独占であり、スタンダード石油の締め出しでした。
そして、デターディングの希望が受け入れられそうになった時、須tンダード石油は、慌ててフランスとベルギーを抱きこんで横やりを入れました。
デターディングと英国は、もしロシアが石油採掘権を認めてくれるなら、従来の負債はもちろん没収された財産の損失も棒引きとするいう方針を取ります。 これに対して、フランスとベルギーを抱き込んだスタンダード石油は、この英国の方針に真っ向から反対。
このスタンダード石油とデターディングの抗争は、とシアの承認と借款都の機会を失わさせました。 ロシアは自力で石油開発に乗り出し、バクーのデリック(クレーンの一種)は活動し始め.生産した石油を欧州市場に送り、大胆にもロイヤル・ダッチ・シェルとスタンダード石油に挑戦してきたのです。
このロシアの攻撃に対し、世界石油の支配者スタンダード石油とロイヤル・ダッチ・シェルは共同戦線を張って対抗しました。彼らは決してロシアの「盗品石油」を買わない約束をしました。
ロシアの石油は、ロシア革命で、革命共産政府が没収しただけだからです。
しかし、デターディングは依然としてソビエト没落の日を信じて、破産したロシア亡命事業家からバクーの石油を買い集めていました。これに対しスタンダード石油は密使をモスクワに送り、石油採掘権獲得のために暗躍していました。
両社の足並みは乱れ始め、遂にデターディングはスタンダード石油との制約を破って、ひそかにバクーの「盗品石油」を安く買い、スタンダード石油との販売競争に一石を投じようとしました。
スタンダード石油はこの裏切り行為に対し、憤慨し、遂に両社の協定は敗れました。 またしても、モスクワは、採掘権と販売権を獲得しようとします。
後進国ソビエトは、石油こそ資本主義国家を惹きつける最善の餌であり、力であることに気づきます。 そしてこの石油がデターディングやロスチャイルド、そしてロックフェラーを敵としても戦える武器であることを知るようになり、
世界石油市場に英・米と並んで鼎立ていりつ(三つの勢力が対立)する力となってきたのです。
次の投稿に続く
(参考 本件、今までの投稿)
第一次世界大戦の主原因は石油 死の商人ザハロフ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6b5f8da6b280295600c593cd8ed50141
第一次世界大戦 本当の主原因は石油
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d703a4b6c6cf41438a0dd8907308e261
日本市場でのロイヤル・ダッチ・シェル vs スタンダード石油 販売戦争
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極東における血みどろの石油販売戦争
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f22623351b78925c3350ffb60ea56de9
ロックフェラーを倒したロイヤル・ダッチ・シェル(デターディング・サミュエル連合)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f8dee26c06fec6a31193a3eee46ad2c9
石油業界のナポレオン、デターディングと英国のユダヤ人、マーカス・サミュエル https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7addcc3b4d7d47626e3ddf56898b30ec
独ガソリン・ディーゼルエンジンと仏プジョー、そしてロスチャイルドhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e16baece0ccf5acec5e58e26f8bdcd04
ロックフェラーより早かった日本の石油商用化
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7bf2a45203a4f71982dfdf7e53dd2c02
石油の発見と利用の人類史
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b555050c36935ad6e972408f0bae2c6b