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太陽フレア連続発生、電磁波でGPSなど誤差拡大恐れ

2024-05-11 11:48:43 | 自然災害・気候変動・異常気象・温暖化

情報通信研究機構(NICT)は10日、太陽の表面で爆発現象が起こる大規模な「太陽フレア」が連続して6回発生したと発表した。

爆発の影響で宇宙にある人工衛星との通信に障害が起きたり、全地球測位システム(GPS)の誤差が大きくなったりする可能性がある。今後数日はさらに太陽フレアの発生が考えられるとして、注意を呼びかけている。

 


5月10日午後5時半ごろの太陽。白い部分で太陽フレアが発生している
(特定の波長のみ表示)=NASA/SDO、AIA、 EVE、HMI science teams提供

 

太陽フレアは太陽の表面で起きる爆発現象で、宇宙空間に様々な波長の電磁波を放出する。

5段階ある階級のうち最も高い「X」クラスが8日から10日夕方までの間に6回続いた。Xクラスのフレアがここまで連続するのは2005年以来約19年ぶりだという。

 

10日夜に記者会見したNICT宇宙環境研究室の津川卓也室長は「最大規模ではないが、立て続けにXクラスが起きたので地球に大きな影響を及ぼす恐れがある」と話した。

17年9月に発生した太陽フレアでは、GPSによる測位に通常の3倍の誤差が生じたと国土地理院が分析している。今回のフレアでは「人体や(スマートフォンなどの)地上間通信には影響はない」(津川室長)という。

 

爆発で生じた電磁波は地球に届くと、大気圏上層にある電離圏に影響を与える。電離圏にある酸素や窒素などの原子から電子を引きはがす「光電離」と呼ぶ現象を引き起こす。

光電離は通常も地球上空で起きているが、大規模になるとGPSなどの人工衛星との通信に障害が発生することもある。電離圏にある電子の密度が異常に高まり、地球と宇宙空間の通信の邪魔をするためだ。

 

22年には米起業家イーロン・マスク氏率いるスペースXの通信衛星「スターリンク」の49基中40基が打ち上げ直後に利用不能になった。

国立極地研究所などの研究によると、太陽フレアによる電磁波で電離圏の密度が高まったことから、空気抵抗が増して目標軌道に届く前に失速した可能性がある。

 

政府は太陽フレアなどの宇宙天気の乱れによる被害を想定している。

最悪の場合、通信や放送に2週間の障害が発生したり、航空機や船舶の運航が大幅に乱れたりする可能性があるとした報告書を22年6月に公表した。

 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

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小玉祥司
日本経済新聞社 編集委員

ひとこと解説

太陽表面の爆発(フレア)の影響が大きい場合、通信やGPSの障害だけでなく、大規模な停電や広範な電子機器の故障など、大きな経済的な被害が出ると懸念されています。

現在、太陽にはフレアのもとになる巨大な黒点が出現していますが、1859年に発生した観測史上最大級の爆発「キャリントン・イベント」時の黒点と同程度の大きさで、形状も似ていると指摘されています。キャリントン・イベントの際にはハワイなどでもオーロラが見られたほど強力な影響がありました。

今回発生した爆発より、さらに大規模な爆発が起きる可能性もあり、しばらく警戒が必要です。

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日経記事2024.05.11より引用
 
 

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