ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

小さな人への大きな愛

2017-07-30 | アメリカ事情

医学生の四年目には、ローテイションと言って様々な科の専門医や病院へ赴き一週間、二週間と科ごとに、それぞれ費やす。赴く先は、同じ州に限らず、東部、中西部、南部といろいろである。私の住むエリアには名だたる子供病院があり、たまたま長男は、そこに働く小児外科医につくことになったが、その医師から学んだことは、専門的知識や技術だけではなかった。

その小児外科医は、妻との間に子供がいるが、ダウン症で生まれている。しかし、その後夫婦は、ダウン症児を複数養子にしたのである。何故なら、そうした子供達は、多くの医療が必要であるから、自分が少しでも役立つかもしれない、と、思ったからである。

気さくな彼は私の息子に、その子供たちから受ける喜びは大きく、本当に祝福以外の何物でもないと、笑顔で語った。病気の子供を治したいという情熱や、溢れんばかりの小さき者にたいする愛情が、息子にも感じられ、それが彼の外科的技術に反映されている、と息子は感じ、彼のような医師に是非なろうと、強く思った。

夫の同僚とその妻は、中国から、手足に障害のある兄弟を養子にした。アメリカだから出来る数々の手術で、歩けなかった少年たちは、歩けるようになった。同僚夫妻は、市井の人々である。夫はかねてから、この同僚の謙遜さと寛容さには、目を見張る思いであった。

アメリカは、いろいろなことで、他国から疎んじられ、軽蔑さえされたり、只々軽い、と思われがちだが、世界で一番寛容で、人を助けたいと願う人々がたくさんいるのは、事実である。和風総本家では、最後にいつも、日本って、いいなあ、と終えるけれど、私は、こう言おう。アメリカっていいなぁ。

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