ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

ファニー・フェイス

2018-03-24 | アメリカ事情

http://funnyfacedrinkmix.com/FunnyFaceStoreDisplay.html

 

ファニー・ファイス、と言っても1957年製作のオードリー・ヘップバーンの映画ではない。米国ピルスベリー社が、1964年売り出したFunny Face Drink Mixファニーファイス飲料ミックスである。炭酸飲料やフルーツジュースに代わる(ことはなかったが)子供向けの新飲料である。すでに1930年代からあるKool Aid(クールエイド)の競争相手となり、市場をリードすると思われた。ファニー・フェイスのユニークな点は、人工甘味料が入り、消費者は水を加えるだけ、ということで、ダイエットに使用できると謳っていた。

 

 

ttps://candyhero.com


ところが残念なことに、その甘味料シクラミン酸カルシウムは動物(ネズミ)実験で癌を発生させることが判明したので、FDA(Food and Drug Administration=アメリカ食品医薬品局)は1969年にその使用を禁止した。クールエイドのように砂糖を加えず、消費者が好みに応じて砂糖やその他の甘味料を加えるパケットだけを発売した。その後ピルズベリー社は、サッカリンを使用し、再び甘味料入りのパケットを加えて、Funny Face(ファニーメイス)ラインを整えた。然しながら1980年にはKool-Aidの売り上げに追いつかないまま10年が過ぎ、やがてこのブランドは、Brady Enterprisesに売却された。現在は販売されていない。

 

ファニーフェイスは、クールエイドとは異なり、非常に広告や宣伝に魅力的かつ効果的なフレイバーごとにキャラクターを付けることにした。それらは、Choo-Choo Cherry(Choo chooは汽車の擬音:このチェリーは機関士のキャップをかぶっている)、Lefty Lemonなど口ずさみやすい名前と共に面白い顔、つまりファニーファイスを伴った。そのキャラクター達は子供達を惹きつけたものだ。然しながら、次のようなエピソードもあった。 

 

1966年2月2日付のニューヨークタイムズによると、アメリカ原住民は、Injun (アメリカ原住民に対する偏見的呼び方) Orangeのキャラクターが不快なステレオタイプであるとの公式抗議をピルスベリー社に提出した。同年にピルスベリーはChinese Cherry がやはりアジア人へのステレオタイプな偏見として、オレンジドリンクミックスと共にその二種の名前を変更した。 Injun Orange はJolly Olly Orange、中国チェリーはChoo-Choo Cherryになった。

  

http://2.bp.blogspot.com/_sjtTyIA4eMI/R3sUcFvQDjI/AAAAAAAAC1s/EM7NIv7C29c/s1600-h/pac04.jpg

http://theyalwayscomeback.blogspot.com/2008/01/funny-face-drink-mix.html



幼い頃、母親と練馬にあったグラントハイツに居住していた叔母家族を訪ね度、キッチンのキャビネットを開けると、いつもクールエイドやファニーファイスのパケットが数個あり、昔のそうしたドリンクミックスは、独特のよい香りがして、実際に飲料するよりも、その香り自体が楽しかった。今は製法が異なり、かつてのような、独特の香りはない。

 

子供達が小さな頃は、こうしたドリンクは一パケットが10セントほどで安いので、学級のパーティや誕生日パーティなどで2,3回用いたが、染料のように色が付くと、洗濯してもなかなか落ちないことから、私は次第に使わなくなった。そういえば、そんな昔ではないが、信じられないことに、若い母親が哺乳瓶にクールエイド(甘味付)を入れて乳幼児が就寝する時に手に持たせたことから、歯科医達がクールエイド口と呼ぶ、つまりクールエイドによって虫歯になる幼い子供がたくさんいた。今はそんなことをする親は見かけないが、30年も前は結構見かけたものである。我家の場合、離乳後の子供には、哺乳瓶に水と氷を入れたものしか与えず、それで子供達は満足してよく寝てくれたものだ。

 

このような飲料ミックスはさほど使用しなかったが、ファニーファイスのプロモーション目的でたとえば点数を集めて貰うプラスティックのカップは、5人の子供達に丁度いいと思い、集めた。その頃家の床はタイルでガラス製のカップを使うことは賢明ではなかったからである。そうしたカップは今でもチャイナハッチの奥深くにしまってあり、最近孫達がやってくると、日の目を見させている。ノスタルジックなプラスティックのファニーファイスカップで、昔子供達はChoo Choo Cherryのカップがみな好きだった。そのカップは今孫達が使っている。

 

https://www.ebay.com/itm/Complete-Set-of-9-Pillsbury-FUNNY-FACE-Cups-w-Chocolate-/282884857071 


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