Fox News/Lynette Scribner
ニュースを聞けば、見れば、殺伐としたことばかりが毎回報道され、やるせない思いをするので、なるべく避けたいのだが、社会に少なかれ関わる仕事をしていると、三猿のごとくでいられない事情もある。「また失望・絶望・憤怒のお時間」と少々沈んだ気持ちで見るのが、ニュースである。ところが、最近四大ネットワークなどのイヴニング・ニュースでは、最後のセグメントに明るい、そして視聴者を意気高揚とさせるかもしれないトピックを報じるようになった。ごく市井の人々の善き行い、努力、健闘などが取り上げられる。夫も私も実はそれを見るために、ニュースを見るようなものである。それ以外は、ミュートにすることも多い。この月曜日(6/25/2018)の夕方のニュースの最後に見たことは、夫と私を深く感動させた。これはリネット・スクリブナーさんのフェイス・ブックに最初出され、それがほぼ700,000回閲覧された。
リネット・スクリブナーはボストンのロ-ガン空港で、この64歳の紳士、ティムが彼の姉妹と共にいたのを見かけた。彼の姉妹が、彼の手に手話をしているのを見て、彼が視覚・聴覚障害者であるとわかった。
その彼は飛行機に搭乗した時、リネットの座った列の中央の座席に割り当てられたが、通路側座席にいたエリックという紳士は、親切にティムに自分の座席を譲った。ティムは一人きりで旅をしていて、乗務員達は心から彼を助けたかったようだが、どのようにコミュニケーションを図るのかのすべはなかったようだった。少しだけ口をきけるティムの手を取ってなんとかコミュニケーションをとろうと努力していたが、なかなかうまくいかなかった。
それでも前述のエリックは、コーヒークリーマーの小さな容器を開いてティムのコーヒーに入れるのを手助けしたり、ティムが起立してトイレに行こうとした際も、ただちに立ち上がって助けようと最善の努力をしていた。
乗務員達は話し合いをして、機内放送で、乗客のうちに、手話ができる人がいるかどうか尋ねてみることにした。するとひとりの素敵な若い女性が名乗り出た。
15歳のクララ(Clara Daly)は読字障害を持ち、学校で習得するべき外国語のうちで、ASLアメリカン・サイン・ラングエッジ(アメリカ手話=外国語として扱われるが、もちろん英語である)が最も簡単で適切だと選んで学んできていた。オレゴン州ポートランドへの残りの飛行時間、この少女はティムの足元に座り、彼の必要なことや要求が満たされることを確認したのだった。
リネット・スクリブナーは、この美しい少女が、ティムの手中に一文字一文字手話をしていくのを見て、なんと魅力的なことだろうと思った。ティムは少女の手話を「読む」ことができ、活発な会話を二人は続けていたのだった。
ティムがこの少女に、可愛いかどうか彼女に尋ねたところ、手話を少々知っていたエリックが、はりきって「イエス」とティムに手話で伝えると、少女は顔を赤くして、笑った。リネット・スクリブナーは、これほど善意の人が集まり、別の人間を世話するのを見たことはない、と綴る。彼女の座った座席の列周辺では、ティムが話しをすることに明らかに歓喜しているのがわかり、皆は微笑んだ。
ティムの要求を満たすために極上の顧客サーヴィスを行ったアラスカ航空の乗務員には、大きな称賛と賛辞を贈りたいとリネットは言う。そしてクララという名前のこの美しい若い女性が、ティムを助けることを少しも躊躇せず、喜んで即刻手助けをしたことにリネットは深く感銘を受けた。
そしてリネットは、多くの悪人や悲惨な悪事の溢れている世の中で、こんなに善良な人々がまだまだいるのだという美しい思い起こしを喜んだのだった。リネットはその後、彼女のフェイス・ブック上に、下の追記を付け加えた。
「追記:これがアラスカ航空会社の注目を集め、会社はクララの家族、ティムが住む施設、又エリックに連絡しています。 私はこの話への人々の反応にとても感動しました。 私たちはすべてこうした話に飢えているのです。これは私たちがとても必要としていたものでした。 皆さんありがとう!」
いつもいいお話を紹介してくださって、ありがとうございます。
こちらこそ恐縮いたしております。びこ様には歌を詠む才能がお有りになり、かなり行動力もお有りで、よろしいことです。難聴者であろうがなかろうが、びこ様は、なんでもおできになるのだとお信じになり、いろいろ物事に取り組んでいかれることを遠くにありて切に願い祈ります。けれどもお体に鞭打つことなく、お元気で日本の酷暑(酷湿度でしょうか)をお過ごしくださいませ。