ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

奇跡の値段

2018-10-03 | アメリカ事情

gettyimages.com

 

 

Photo Credit Diane Anikeeva

 

 

 

テッシーは、 ごく普通の6歳の少女である。ある日、彼女は両親が弟、テッド、の話をしているのを聞いた。彼女は、テッドが重篤な病に罹っており、両親にはお金がほとんどないことを知っていた。テッシーは、彼女の父親が、絶望にうちのめされて、泣きながら、彼女の母親に今テッドを救えるのは、奇跡以外になにもない、と言うのを聞いたのだった。


その後、テッシーは自分の部屋に向かって走って行き、彼女の全貯蓄が入っているガラス瓶を取り出した。床にすべての小銭を瓶から空けて、慎重に数え、それから再び瓶に入れ、小走りに薬局へ向かった。


彼女は静かに薬剤師が彼女に気付くまで待ったが、彼は他の人との会話に夢中で、とても6歳の女の子を観察するには至らなかった。テッシーは足をぶらぶらさせたり、少しでも気が付かれようとしたが、反応はなかった。それから彼女は大声で咳を始めた。もう一度なんの反応もなかった。とうとう、コインを取り出し、それをガラスのカウンターの上に置いた。


「何をお望みですか?」と薬剤師は、苛立ちの混じった声で言った。「お分かりかと思いますが、何年も会っていないシカゴの兄弟と話していたんですよ。」


「私は弟についてお話したいと思います 」テッシーは薬剤師と同じような調子で言った。 「お分かりかと思いますが、私の弟はとても病気で...私は奇跡を買いたいのです。」
「不躾をお許しくださいますか?」


「弟の名前はテッドといい、頭の中になにか悪い物がどんどん大きくなっているんです。おとうさんは、奇跡だけが彼を救える、と言っていました。ですから、奇跡はおいくらなんでしょうか?」
「お嬢さん、ここでは奇跡は売られていないんですよ。ごめんなさい、私にはあなたをお助けできることができません。」と薬剤師は言った。
「見てください、私はお金を持っています。それで支払えます。もしこれじゃあ足りないならば、もっとお金を用意します。だからそれがおいくらか教えてください。」


薬剤師の、よい身なりをした兄弟は、その少女のためにしゃがんだ。
「どんな奇跡があなたの弟さんは、必要ですか、お嬢ちゃん?」
「私はわからないのです。」と泣きながらテッシーは言った。
「とても弟が病気だと知っているだけで、おかあさんは、弟は手術が必要だと言っていました。でもおとうさんは、それを支払えないのです。だから私は自分のお金を使おうと決めたんです。」


「いくら持っているんですか?」とシカゴの男が尋ねた。
「1ドルと11セントです。」とテッシーは声をふるわせて言った。「それが私の持っている全部のお金です。でもあなたが望むならば、もっと手に入れられます。」


「なんという偶然でしょう!」男は微笑んだ。1ドルと11セント。彼はそのお金を拳で握り、その少女の手を取り、彼女の家へ連れて行ってと頼んだ。

「あなたの弟さんを診て、あなたのご両親にお会いしたい。どんな奇跡が必要か見ましょう!」


この身なりのよい男は、カールトン・アームストロング博士で、脳神経外科を専門とする外科医であった。彼は無料で手術をし、すぐにテッドは完全に健康を得て退院し帰宅することができた。両親はテッドの快復につながるこの出来事の一部始終を幸福そうに語ったことだった。


 

脳神経外科を専門とする外科医、カールトン・アームストロング博士

 

 

 

参考:12/29/2016付け

PublicFigureの記事, "Love and Faith Can Everything: 6 year old girl saved her brother from death! から

 

 

 

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