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何年も前、ノーマン・カズンズは、「不治の病」と診断された。彼はあと六か月生存期間が与えられた。回復のチャンスは500に1だった。
彼は自分の人生における心配、落ち込み、怒りなどが、おそらく自分の病気の原因に寄与しているのだろう、と思った。彼は「病気が人生の負圧によって引き起こされるならば、陽圧（正圧）によって健康は、作られるのだろうか？」
彼は自分自身で実験をすることにした。笑いは、彼が知る最も積極的な、陽圧な、活動の一つだった。キートン、チャップリン、フィールズ、マルクス・ブラザーズのすべての面白い映画を借りた。 （これはVCRの前時代であったので、実際の映画フィルムを借りなければならなかった。）彼は面白い話を読んだ。 友人たちに、彼らが何か面白いことを言ったり、聞いたりしたら、彼に電話するように頼んだ。
彼の痛みはとても辛く、眠れなかった。だが、10分間ずっと笑い続けると、数分間痛みを和らげ、眠ることができるのを発見した。
やがて彼は病気から完全に回復し、幸せで健康的で生産的なその後の20年を暮らした。 （彼の回復への道のりは彼の著書 『病気の解剖学』”Anatomy of an Illness"に詳述されている。）彼は家族や友人の愛、回復のための笑いを思い描くことに効果がある、と信じている。
笑いは時間の無駄だと思う人もいる。それは贅沢で、彼らは言う、軽薄で、たまにすればいいのだ、と。
真実とこれほど違うことは、ない。笑いは、私たちの心の平静に、私たちの健康に、私たちが生き生きと生きるのには不可欠だ。もし私たちが具合が悪い時、それをより良い状態にするのを笑いは、助ける。私たちが具合が良ければ、笑いは私たちがその状態に留まるのを助ける。
カズンズの画期的な研究以来、科学的研究は、笑いが身体、心、感情に治癒効果をもたらすことを示している。
だから、笑いが好きなら、できるだけ頻繁に笑いを楽しむようという健康や医学的アドバイスを検討することである。 あなたが笑いが好きでないなら、あなたは薬を摂り、。。。 とにかく笑うことである。
映画、シチュエーション・コメディ、モンティ・パイソン、記録、本、ニューヨーカーの漫画、ジョーク、友人たち、とにかく何かが面白いとあなたが思う時、いつでも、長く声を出し、大声で笑いをなさることである。 周りの人々はあなたが奇妙だと思うかもしれないが、遅かれ早かれ、あなたが何について笑っているのかわからなくても参加するようになる。
いくつかの病気には伝染性があるかもしれないが、笑いの治療法ほど伝染するものはない。
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上記は、20年ほど前にアメリカで流行り、シリーズになって出版されたチキン・スープシリーズの一つ、“Chicken Soup for the Surviving Soul”にあるピーター・マクウィリアムの記事である。これを読んで、私は、あのメリー・ポピンズの一場面を思い出した。そう、エド・ウィン（Ed Wynn)扮するアルバートおじさん（Uncle Albert)が、大の笑い上戸で、笑い出すと止まらず、歓喜のあまり天井にまで体が浮いてしまう。下に降りるためには、悲しいことを考えなければいけない。その時歌うのが、”I love to laugh"（笑うのが大好き）である。
”I love to laugh, long and loud and clear — 笑うのが大好き、長く、大きく、明るくー
I love to laugh, it’s getting worse every year! 笑うのが大好き、毎年ひどくなっていく！
訪問していたメリー・ポピンズとジェーンとマイケル・バンクスもそしてバートもつられて笑ってしまう。そして観ているあなたや私もつい、笑ってしまう。
確かに、制御の効かない笑い（や泣くこと）には、情動調節障害という名があるが、周囲の人が全く理解できない笑い（や泣くこと）は、そう診断された方々の、生活の質を低下させると聞く。そうした症状のひとつは、訃報に大声で笑うということもある。最近は、そうした情動調節障害は、小脳の一部が機能不全なのでは、ということまで研究されており、薬物治療によって良い結果が得られるとされている。
けれど私がここで書く「笑いは最善の薬」はそうした病理的なことについてではない。あくまでもノーマン・カズンズの主観的研究と、その結果について、である。そして彼の病が癒え、その後20年も生き永らえたことは、やはり笑いを求めた結果かもしれないと思うからである。
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