旅のお誘い ~今日の一枚~ redchilipadi

思い出の写真とともに旅の足跡をプレイバック。
撮影場所のGoogle Mapを見てたら、きっと行きたくなります!

#200 午後2時22分、シナゴーグの時計 プラハ

2016-07-18 |   中欧

2004年7月撮影

#200 Josefov synagogue Prague CZ --  

10世紀、チェコにボヘミア王国が誕生し、ヴァーツラフ1世がキリスト教を受け入れた頃、
ユダヤ人のプラハへの入植が盛んになりました。
古くからヨーロッパとイスラム世界を結ぶ交易は
ユダヤ商人が担っていましたが、
ボヘミア王の庇護のもと、各地のユダヤ商人がプラハに集まり、
11世紀には、ヨーロッパ最大のユダヤ人居住区(ゲットー)となったのだそうです。

その後も、モンゴル軍との戦いの戦費や、ハプスブルグ家の財政難の折に
時の君主は積極的にユダヤ人を保護しました。その代わりに、
高額な徴税、融資の要請に応じさせることを義務付けるという政策。
彼らは、国にとって、大切な資金の調達源だったのです。
ちなみに、当時、キリスト教徒は金融業を営むことができませんでした。

居住区には、ユダヤ人の集会所シナゴーグも建てられました。
13世紀に建てられた「旧新シナゴーグ」は、
ヨーロッパで最古のシナゴーグなのだそうです。世界遺産にも登録されています。

このシナゴーグには二つ時計があるのですが、
低い位置にある、ヘブライ語の時計は、とてもユニーク。
文字盤には、半時計周りに目盛りがふられていて、
長針が時間を示し、短針が分を刻んでいます。

目盛りが半時計周りなのは、日時計の名残り。
南に向いて設置される壁掛け式の日時計(垂直日時計)の場合、
影は半時計周りに動いて時刻を示します。

当初は、時間を知るだけで十分。時計の針も1本で事足りたのですが、
次第に、もっと細かい単位まで知る必要が出てきたため、
補助の針が求められ、あとから短い針が追加された、
このような経緯が、この時計に名残をとどめているからなのでしょうか。

ユダヤ人ゆかりの旧跡めぐりは、
プラハに住んでいたユダヤ人の歴史を知るという目的だけではなく、
時には自分の常識と異なる、ユダヤの知恵に
触れることができ、新たな発見があるかもしれません。



My record ・・・次の旅のために・・・ 

  撮影場所は、旧新シナゴーグ by Google Map
  日本からウィーンへ直行便
  空港でレンタカーを借りて、スロバキアに寄り道しながらプラハへ
  InterContinental Prague
  (advice) ●プラハのシナゴーグは、5か所あり(旧新シナゴーグ、マイゼル、スペイン
   ピンカス、クラウス)、他に墓地や、儀式の家が観光客に公開されています。
   ヨーロッパ系のアシュケナジム、スペイン系のセファルディム、
   宗教施設のインテリアや、博物館の展示物などに、おや?と思うことも多いはず。
   日本にいると、ユダヤの生活、文化、習慣に触れることが少ないので、
   シナゴーグを訪れる際に、実際に見て、触れて、体感することで、
   何かに気づく良い機会になると思います。