伊坂幸太郎 著
常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。
僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
伊坂氏の物語はいつも悪いヤツは痛い目を見る、そう決まっている。
そして主人公はいつも正しくて、ちょっとだけ、悪い。
でも最後は救われるが、必ずしも完璧に救われるわけではない。
例えば、悪いヤツに罰を与えて、スッキリするが・・・・自分は死んだりもする。
さてこの物語であるが、まあまあこれまで通りの展開ではあるのだが、虐待、性被害、なんとも伊坂氏のそれらしくない、暗い塊が胸を占めてくるのである。
もちろん、そんなことをするやつは痛い目にあう・・・・・それはそれは酷いかたちで。。。。
ただし、個人的な思いではあるが、釣り合うほどの痛みなのか、どうなのか・・・・。
救いなのは、主人公のフーガとユーガはどこか飄々とし、達観した様な感情を受ける。
この辺がやはり、伊坂氏のらしさと巧さなんじゃないでしょうか。
始まりにらしさを感じなかったので、若干の不安はありましたが、読んでしまえばやはり伊坂節、流石です!