小川洋子 著
遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた―慎み深い拍手で始まる朗読会。
祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして…。
人生のささやかな一場面が鮮やかに甦る。それは絶望ではなく、今日を生きるための物語。しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。
人質の朗読会ってなんやねん?
ってところからの疑問だったんだけど、読んでみたらなるほどそういうカラクリなのかと納得。
しかしその朗読会を開いているのは当然、素人な訳で・・・・。
小川さん、素人にそんな上手い文は書けませんよ
・・・・と突っ込むのはナンセンスなんだよね。。。。
人質達がその後、死にゆく運命だと思うからこそ深みを感じる状況の作り方は面白いと思いました。
小川洋子さんの小説は初めて読みましたが、視点が凄く独特な感情を受けました。
芥川作家らしくない感覚を覚えたのですが、もちろんキャリアを考えれば当然と言えば当然だよね。
日曜日のラジオは時々聴いてるけど、イメージはかみ合っていたかな。
もう少し彼女の作品を読んでみたいと前向きに思える一冊でした。