羽田圭介 著
その男には2つの顔があった。
昼は高齢者に金融商品を売りつける高給取りの証券マン。一転して夜はSMクラブの女王様に跪き、快楽を貪る奴隷。
よりハードなプレイを求め、死ぬほどの苦しみを味わった彼が見出したものとは―
芥川賞選考委員の賛否が飛び交った表題作のほか、講師と生徒、奴隷と女王様、公私で立場が逆転する男と女の奇妙な交錯を描いた「トーキョーの調教」収録。
直木賞と違ってお堅いイメージの芥川賞ですが、こういった作品もノミネートされたりするんですね
いわゆる女王様によるSMプレイを題材にした一冊でしたが、私にはそのような性癖は・・・・多分、無いと思うので
これをどう受け止めればいいのか難しいところではありますが、文学として受け止めた場合、言葉の表現力は流石の一言に尽きるのではないでしょうか。
個人的には、その後にノミネートし芥川賞を獲得した「スクラップビルド」より、文学として優れているいるように思うのですが、どうでしょうか?
ただ、題材が題材だけに、躊躇する気持ちも分かるとだけ言っておきます
羽田さんの描写力、SMの世界を全く知らない私ですら心疼く何かが迫り上がってくる感覚に襲われました。
でも、痛いのは嫌だなぁ。。。。。