村上龍 著
1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。
母親を探して九州の孤島から消えたハシを追い、東京へとやって来たキクは、鰐のガリバーと暮らすアネモネに出会う。
キクは小笠原の深海に眠るダチュラの力で街を破壊し、絶対の解放を希求する。
毒薬のようで清々(すがすが)しい衝撃の現代文学の傑作。
実は村上龍氏の本は初めて読みましたが、なるほどこういう物語をこの時代に書く人がいたんだなというのが率直な感想です。
読むのが遅かった感は否めませんが、これはその時代の傑作といっても過言ではないのではないでしょうか。
物語の幅の広さといい、微妙な伏線の巧さといい、個々の登場人物の個性の付け方といい、長い道筋を巧く読み手を誘導してくれる面白さは本人が読みかさねた読書量に尽きるのではないでしょうか。(知らんけど)
文学の面白さを、個人的には初めて心から面白いと思わせてくれた一冊に感服致しました。
直木賞派の私は正直、芥川賞をとるような作家って得意じゃなかったりするんだよね
でもこれは面白い!
もうちょっと掘り下げたくなっちゃうね