深緑野分 著
1944年6月、ノルマンディー上陸作戦が僕らの初陣だった。
特技兵(コック)でも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ。
新兵ティムは、冷静沈着なリーダーのエド、お調子者のディエゴ、調達の名人ライナスらとともに、度々戦場や基地で奇妙な事件に遭遇する。
不思議な謎を見事に解き明かすのは、普段はおとなしいエドだった。
忽然と消え失せた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件など、戦場の「日常の謎」を連作形式で描く、青春ミステリ長編。
とてもよく勉強して描かれている一冊だと思います。
・・・・なんて言うと偉そうで申し訳ありませんが
第二次世界大戦が題材となっていることから、かなり壮絶な描写が多く、戦争の怖さももちろん感じますが、所々で起きる問題を仲間と解決していくそれは探偵染みてて少しだけ心が安らぐ。
でもやはり戦争の悲惨さは際立っていて、胸が締め付けられる思いを何度もしてしまうことは間違いない。
さっきまで冗談を交わし合っていた仲間が次の瞬間、頭ごと吹き飛ばされていたり、優しく接してくれていた民間人が町もろとも空爆を受け命を落としたと見聞きしたり、戦争の怖さを痛感させられる。
一応、コックの視点から描かれている・・・ってのがフレコミみたいなんですけどね、あんまり関係ないかな?
そんなことは関係なくとてもいい一冊でしたけどね。
とにかくラストが良かったかな
戦争ものにハッピーエンドはあり得ないけど、これはこれで悪く無いと思うんだよね。
活字で見る戦争ものもいいんじゃないかな。