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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

三浦瑠麗氏が有事には自衛隊は市民を守る余裕はないので「日本人は今年避難訓練を始めるべき」(呆)。世界一の災害国日本の自衛隊はまず災害救助を主たる活動にすべきだし、危険な原発はゼロにすべきだ

2023年02月11日 | 人権保障と平和

2023年2月、トルコ・シリア大地震。犠牲者の方々、被災者の方々に心からお悔やみ申し上げますm(__)m。

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 どこかで書こう書こうと思っていたのですが、年始の夕刊フジに今話題の自称国際政治学者の三浦瑠麗氏がとんでもない長文の論説?を書いていたんです。

 題して、『国際政治学者・三浦瑠麗氏「ロシアを懲らしめるのは大切…でも、真の脅威は中国」 軍事力、経済力ともにポテンシャルが高い』といういつもながらの駄文で、冒頭からトランプ前大統領を評価したり、ロシアがウクライナに侵略しても経済制裁に対してさえ

「今回の制裁がはたして賢いやり方なのか。私は疑問を持っています。」

というトンデモ国際政治解説なんですが、この論説?の最後の章が、じゃあ日本はどうするかという内容なのに章の題が

「2023年の防災意識」

なんですよ。あれ?!右翼評論家なんだから「防衛意識」じゃないの?と思ったのですが。

ワイドナショーでもTVタックルでも、大阪には北朝鮮の「スリーパーセルがいっぱいいる」と発言し、その根拠を説明できず、そのネタ元が東スポみたいなイギリスの三流紙だとバレて大恥をかいた自称国際政治学者の三浦瑠麗氏。

森友学園事件。近畿財務局職員の自死について「人が死ぬほどの問題じゃないんですよ」と言い放った三浦瑠麗女史が、遺書が公表されても沈黙したままの件。

 

 

ロシアがウクライナの首都キーウ(キエフ)に攻め込むわけがないと攻め込む前日まで言い切っていた三浦氏(笑)。

自称国際政治学者の三浦瑠麗氏が本業ではロシア軍のウクライナ侵攻前夜に「ロシアは首都キエフまで及ぶ全面戦争はしない」と予想大外れ。副業のコロナ予想屋としてはコロナ死者激増にダンマリ(呆)。

 

 

 なんと、三浦瑠麗氏、

「北朝鮮のミサイルが飛んできたり、中国の台湾侵攻もささやかれる中、日本人は23年、一にも二にも災害訓練、避難訓練を始めるべきです。

 日本人は防衛意識がまだまだ低いうえ、一番恐れるべきは有事の際に秩序が崩壊することだからです。」

と言い出し、今年は日本人は災害訓練・避難訓練をしろというのです。

 なぜかというと

「自衛官は大震災のときにわれわれを避難させたり、誘導させるためにいるのではなく、侵略者と戦うために存在します。」

だから、市民は自助努力で避難して自らの身を守れという話で呆れました。

 自衛隊にその存在理由があるとしたら、市民の命を守ることで、有事に市民を避難させることこそが重大な任務に決まっているではないですか。

 でもまあ、中国大陸に侵略していた日本軍が市民を見捨てて我先に逃げたこと、沖縄戦でも沖縄の人々を盾にして犠牲にしたことを考えると、三浦氏が自分で分かっているのとは別の意味で、自衛隊が市民を守らないというのは真実かもしれません。

天皇が亡くなった時の大喪の礼を「たいものれい」だと思っていた三浦瑠麗氏。

「こんなんなんぼでもありますからね」(ミルクボーイ)。

元アベトモ三浦瑠麗氏が「#ワイドナショー」で、「国葬っていうのは政治なんです。私は政治マターだと思うんです。当然、内閣総理大臣が決めるんですよ。閣議で決めるんですよ」と法治主義を完全に無視。

 

 

 軍隊を持っていても戦争を抑止する力にはなりません。

 ウクライナは2014年のロシアによるクリミア半島併合以来、軍隊の整備を進めていましたが、ロシア軍の侵略を思いとどまらせることはできませんでした。

 逆にロシアがウクライナに侵略した真の理由はウクライナがNATOに加盟することを阻止することでしたから、ウクライナが戦争を防ごうと思えば、NATO加盟を強行せず、ロシアと平和外交をする道はあったのです。

 これを日本についてみれば、反撃能力=敵基地攻撃能力を具備すれば抑止力になると岸田政権は言っているわけですが、実際に北海道にずらっと長距離ミサイル基地を建設しようとしたら、それこそロシアが侵略してくる危険性は爆増しますよね。

 逆に、北海道から自衛隊基地を失くす場合の戦争誘発の危険性より、北海道にミサイル基地を作る危険性の方がずっと高いのです。

 日本が進むべき道は時間をかけて憲法9条を生かした平和外交を深化させ、中国・ロシア・北朝鮮などとの緊張緩和を進めて、いずれは自衛隊を国境警備隊と災害救助隊に発展的に解消していくことです。

東日本大震災の災害救助でも大活躍した自衛隊員たち。彼らも100%人から感謝され、人を生かしこそすれ人を殺すことなどないこんな活動が一番やりがいがあるはずだ。

熊本地震救援活動で活躍する自衛隊員たち。やはり戦争=軍隊より災害救助隊の方が似合っている。

 

 

 さて、今現在進行中でトルコ・シリアで大地震が起き、もう少なくとも2万3千人以上の人が亡くなられ、東日本大震災の死者数を超えました。

 トルコは日本ほどではありませんが地震国なのに、故安倍晋三元首相は2012年末の就任以来、積極的な原発輸出外交を展開し、2013年5月に、トルコとの二国間原子力協定にそれぞれ署名しました。

 そして2014年10月30日には三菱重工業・伊藤忠商事などが参加する企業連合とトルコ政府が、トルコ北部の黒海沿岸に建設が予定されているシノップ原子力発電所プロジェクトの商業契約で大枠合意し、事業の実施可能性調査(フィージビリティ調査)が開始されてました。

 幸いにも、日本からトルコへの原発輸出はうまく行かず2019年にとん挫し、また今回のトルコ・シリア自身で原発事故は今のところ起きていないので、日本がトルコに原発を輸出したせいでご迷惑をおかけした、という事態には至っていないのですが、日本は世界各国へ原発を輸出しようとしています。

 自分の国の福島原発事故も収束させられないのに、安倍政権はよくもまあ他国へ原発を輸出しようとしているもんだと思います。

こういう時こそ自衛隊が国際災害救助隊ならもっと大量に迅速に助けに行ける。それこそ誰からも喜ばれる国際貢献だ。

憲法記念日2 日本に軍隊はいらない!国際災害救助隊の創設を!!

 

 

 とにかく、日本はトルコ以上の災害国です。

 地震の恐ろしさは阪神大震災で、地震と津波のダブルの恐怖は東日本大震災と福島原発事故で嫌というほど思い知らされました。

 さらに日本には火山の噴火や大雨洪水の危険もあり、これらの災害で毎年多くの死者が出ています。

 自衛隊が現実に市民の福利に役立っているのはこの災害救助の側面です。

記録的豪雨災害 今、自衛隊に必要なのはアメリカの戦争に参戦することなのか。

ネパール大地震の報に接して 日本の国際貢献は「国際平和支援」=軍事より国際災害救助隊創設で。

 

 

 そして、原発が戦争の時には攻撃目標となって致命的な弱点になることはロシアのウクライナ原発攻撃・占拠で目の当たりにしているわけですし、戦争でなくても原発が危険なことは地震で外部電源が全喪失して冷却装置が停止し、その後津波が襲った福島原発事故でも明らかです。

 九州の川内原発や玄海原発や四国の伊方原発は阿蘇山などの活火山の噴火でそれ以上の被害が発生しうると懸念されています。

 トルコ・シリア地震の報道を見ながら日本に暮らす市民が思いを致すべきは、軍拡では戦争を防げないこと、自衛隊には災害救助でこそ活躍してもらいたいこと、そして原発はゼロにするしか日本の生き残る道はないという事なのです。

【トンガ噴火と津波来襲】玄海原発、伊方原発、川内原発は阿蘇山から半径160キロ以内。火山国・地震国の日本で原発を建設して稼働するのは絶対に許されない。

祝 伊方原発運転差し止め仮処分決定!伊方も玄海も川内も廃炉しかない!!またも高等裁判所が原発の危険性を認めた意義は限りなく大きい。

鹿児島川内原発の避難計画に入れられている新幹線も高速道路も、すべて熊本地震で止まった。

 

 

もう年5兆数千億円に達する防衛予算を倍増して、ミサイルを買い、戦闘機を買うことは百害あって一利なしでないですか。

それよりも平和外交を進めて安全保障とし、国内的には必ず来る東海地震や南海地震に備えるべきなんです。

市民の安全を守る気があるなら、お金を使うところが全く間違っています。

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国際政治学者・三浦瑠麗氏「ロシアを懲らしめるのは大切…でも、真の脅威は中国」 軍事力、経済力ともにポテンシャルが高い

三浦瑠麗氏

❶米国大統領選前哨戦

2022年11月の米国中間選挙で下院の過半数をギリギリ獲得した共和党は、23年1月早々の議会で、ジョー・バイデン大統領の次男のハンター氏を召喚して、中国企業の鉱物資源調達支援疑惑、ウクライナの企業からの多額な報酬疑惑を蒸し返すでしょう。ただ、この一件はドラ息子がいるというだけの話で、バイデンさん本人に疑惑は向かいません。

三浦瑠麗氏

一方、ドナルド・トランプ前大統領は、ご本人が機密文書持ち出し疑惑や議事堂襲撃事件の扇動疑惑の当事者。「米国を再び偉大で栄光に満ちた国にするために、次期大統領選に出馬する」と表明したものの、共和党内には批判の声も高く、最初に当選したときのようなブームは起こりません。

ただ、共和党の大統領選候補に挙がっているフロリダ州ロン・デサンティス知事やマイク・ペンス前副大統領は、まだまだトランプさんに比べたら弱い。23年は、トランプさんに代わる新しい強力な候補を立てられるかどうかが、共和党の焦点。私は難しいなと思っています。

やっぱり共和党支持者の中でトランプさんの支持基盤は強固です。次世代の候補たちもトランプ退場後の28年の大統領選挙を狙っていると思います。トランプさんを降ろせないところが、共和党の問題点と言えるでしょう。

これに対して民主党の問題点は、ドラ息子のことではなく、現在80歳という高年齢なのに、再出馬に前向きなバイデンさんの健康不安です。それでも、トランプさんに勝ったという実績があるから、「向こうがトランプでくるなら、コッチも高齢でいいじゃないか」というのが正直なところだと思います。民主党はトランプさんが出てきた方がうれしいんです。

民主党もポスト・バイデンが出てきません。カマラ・ハリス副大統領に存在感がないんです。共和党は、「マイノリティだけど保守」という女性候補を活躍させ、多様性というだけで副大統領になったと見なされるハリスさんとの違いを際立たせるのではないかと思います。

23年は翌年の大統領選を見据えて、中傷合戦がさらにヒートアップするでしょう。

❷中絶問題

中間選挙の投票の決め手になったテーマのトップはインフレでしたが、中絶問題もそれに近い関心を集めました。連邦最高裁がこの6月(22年)、長く認められてきた中絶の権利を保障する判決を覆す判断を示した後、特に民主党支持の女性の動きが活発化し、議員選や知事選と同時に行われた中絶関係の住民投票でも、人工妊娠中絶の権利を守るよう働きかけました。これが民主党の大敗を防ぐひとつのパワーになりました。

これ、日本人には想像できないかもしれませんが、重要な論点なんです。多くの女性にとって、極端な中絶禁止の州法が通るのはあまりに不利益です。マイノリティも白人も、さまざまな層の女性が民主党を支持するようになりました。

一方、白人の中高年男性は、保守的傾向が強いため共和党を支持していて、ここは昔から変わりません。マイノリティの男性の中でも、ヒスパニック系は宗教信仰心が厚く、黒人男性も民主党支持の白人男性に比べれば、中絶に反対する割合が高いんですね。こういう男性たちが経済の動機で共和党支持に回ります。中絶問題が大きくなるほど、女性が民主党に向かう23年と言えます。

❸ロシアのウクライナ侵攻

いつ終結?

ロシアvsウクライナの戦闘は23年の間に完全に終結するとは思えません。ただ、NATO(北大西洋条約機構)の中で、立ち位置の違いが表面化して、財政事情が厳しい国から「ウクライナもそろそろ手打ちをしたらどうか」みたいな話が出てくると思います。

いわゆる和平交渉があったとしても、ロシアが侵攻し実効支配している領土を返すはずはないし、ウクライナは14年からロシアに掌握されているクリミア半島を返せと主張してくるでしょう。話し合いが進む間も破壊工作などはずっと続きます。

西側がロシア産原油の輸入を制限したことによって、この冬、ロシアから〝逆制裁〟を受けています。エネルギーが買えなくて、発展途上国で数十万人の人が亡くなる事態も起こり得ます。新興国の人たちは、自分たちは何も悪くないのに、西側先進国の行った制裁によって苦しんでいると感じるわけです。そうなると、西側のパワーも弱まってきます。

基本、日本は米国主導の西側秩序が維持されるために頑張らなければいけない立場です。西側の秩序が揺らぐと、日本の繁栄の基盤も危うくなります。そのためには、単に米国の後に付いて制裁を強化すればいいわけではなくて、長期的な視野から米国に助言をする必要があると思いますね。

例えば、インドはエネルギー制裁に加わらず、相場より安価なロシア産原油の輸入を急増させています。インドがロシアからの原油輸入をルピー建てで決済する一方、中国がサウジアラビアと人民元建ての取引を合意するなど、米ドル支配を掘り崩す動きも広がっています。ウクライナ侵攻を受け、ロシアへの金融制裁が決定され、一部銀行がSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除されましたが、かえって人民元の国際化を促す結果になるでしょう。

そうなると、西側諸国の相対的影響力は弱まります。今後、中国はどんどん人民元の存在感を高めてくるでしょう。ロシアを懲らしめることは大切ですが、真の脅威は経済力、軍事力ともにポテンシャルがある中国です。

中国の牽制を念頭に立ち上げたQUAD(クアッド=日本、米国、豪州、インドの4カ国でさまざまな課題を協議する枠組み)の中で、日本はインドの声をしっかり米国に伝えるぐらいのことをしてほしいところです。

ロシアへの制裁が始まってから、エネルギー価格は高騰し、結果的にロシアは潤っています。中国はこの機会に米国依存を脱却しようとしている。米国の覇権は今は強力ですが、まさに足元から崩されようとしているわけですよね。その流れの中で、今回の制裁がはたして賢いやり方なのか。私は疑問を持っています。

❹2023年の防災意識

北朝鮮のミサイルが飛んできたり、中国の台湾侵攻もささやかれる中、日本人は23年、一にも二にも災害訓練、避難訓練を始めるべきです。日本人は防衛意識がまだまだ低いうえ、一番恐れるべきは有事の際に秩序が崩壊することだからです。

自衛官は大震災のときにわれわれを避難させたり、誘導させるためにいるのではなく、侵略者と戦うために存在します。

しかし、日本人は東日本大震災のときに自衛官が炊き出しや温かいお風呂に入れてくれたイメージが強いんですね。これ、有事の際には違いますから。戦う人たちなんです。このままでは本来の任務ができなくなります。

ここは地域の人々が協力し合い、一定の期間、避難生活することに慣れておかないといけません。水をどう分けるのか、弱者をどうやって守るのかなど、細かな想定に基づき訓練をしておくこと。国民防護のあり方こそ、日本人が考えなければいけない23年の安全保障の重要部分だと思います。

■三浦瑠麗(みうら・るり) 国際政治学者。1980年10月3日、神奈川県出身。42歳。東京大学農学部卒業。東大公共政策大学院専門修士課程、法学政治学研究科総合法政専攻博士課程を修了。東大政策ビジョン研究センター講師を経て、山猫総合研究所代表。博士論文を元にした『シビリアンの戦争』(岩波書店)でデビュー。著書に『21世紀の戦争と平和』『孤独の意味も、女であることの味わいも』(いずれも新潮社)、『日本の分断―私たちの民主主義の未来について』(文芸春秋)など。『めざまし8』(フジ系)などに出演。「2023年に子育てエッセーを出す予定です。年末年始は、まさに絶賛修正中です」

 

 

トルコ南部のシリア国境近くで起きた大地震は発生から5日がたち、これまで両国であわせて2万3000人以上が犠牲となっています。現地では、懸命の救助活動の結果、がれきの下から生存者が助け出される一方、厳しい冷え込みが続き、被災者は苦しい避難生活を余儀なくされています。

現地の状況や、各国の救援の動きなど最新情報をまとめています。
(※日本とトルコとの時差は6時間 原則日本時間で表記します)東日本大震災による死者と行方不明者を上回る

トルコ南部で6日未明に発生したマグニチュード7.8の地震やその後も続く大きな揺れにより、トルコとシリアではこれまでに
▽トルコ国内で2万318人、
▽シリア側では少なくとも3553人が死亡し、
亡くなった人の数は両国であわせて2万3000人を超えています。

2011年に起きた東日本大震災による死者と行方不明者は、「震災関連死」も含めて10日までに合わせて2万2212人にのぼっていますが、今回の大地震の犠牲者は、これを上回る規模となっています。

震源近くの県 長い亀裂や道をふさぐ岩も

 
ロイター通信が10日、ドローンで撮影した映像では、震源に近いトルコ南部のカフラマンマラシュ県の畑や丘に、長い亀裂が入っている様子が確認できます。そして道路では、激しい揺れによって路面の舗装が壊れたほか、岩が斜面を転がり落ち、車の通行を妨げていました。

また別の映像では、南部ハタイ県の村でオリーブ畑の地盤が崩れてがけが出現し、地形が大きく変わった様子がとらえられていました。

がれきの下に110時間以上 女の子を救出

 
現地では救助活動が続き、南部カフラマンマラシュでは、10日、がれきの下に110時間以上閉じ込められていたという女の子が救出されました。

23:00 地震から100時間以上経過 夫婦救出

 
地震で甚大な被害を受けた、トルコ南部ハタイ県の中心都市アンタキヤでは、地震から100時間以上が経過した10日、がれきの下に取り残された夫婦が倒壊した建物から助け出されました。

近所の住民などによりますと、助け出されたのは50代の夫婦で、6日未明の地震で倒壊した8階建てマンションの下敷きになっていました。救助隊員が電動ドリルでがれきを取り除くなか、10日午後5時ごろ、毛布などにくるまれ、担架に乗せられた夫が救急車へと運び込まれていきました。

その後まもなく運び出された妻ははだしで、疲れ切った様子でしたが、妻を乗せた救急車が出発すると現場からは大きな拍手が送られました。

トルコメディアは、夫は助け出される際に「妻を先に運び出してほしい」と話していたと伝えています。

トルコでは、生存率が著しく下がるとされる災害発生から72時間をすぎてからの救出劇が相次いで報告されていて、家族の生還を待ち望む人たちに希望を与えています。

22:30 アンタキヤ中心部 被害甚大

 
地震で甚大な被害を受けたトルコ南部ハタイ県のアンタキヤの中心部では、建物ごと潰れたショッピングセンターやアパート、それに、大きく傾いたマンションなどがあちらこちらで見られまちの機能が大きく損なわれている様子がうかがえました。

アンタキヤに住む32歳の男性は「まちの半分ほどが破壊されたように思います。ここで暮らすことはもう無理なので、家族と他のまちに移り住む準備をしています」と話していました。

また、39歳の男性は「悪夢を見ているように感じ、夢なら早く覚めてほしいと思ってしまいます。早くすべてがよくなることを願っています」と話していました。

19:00 イスラヒエ 停電と断水 テント足りず

 
トルコ南部では広い範囲に被害が広がり、ガジアンテプ県の町、イスラヒエでも、建物があちらこちらで倒壊し、10日も各地で捜索活動が続いていました。

被災した住民によりますと、広い範囲で停電と断水が起き、ガスの供給も止まっているということで、中心部の広場では、防災当局などが被災者支援の拠点を設けています。

ここでは水やパン、それに温かいスープのほか、毛布や衣服などが配られ、空いたスペースには当局が用意したテントが設置されていました。

3か月の赤ちゃんを含む家族と親戚10人でテントでの避難生活を続ける28歳の男性は「テントは用意してもらったが、ほとんど何も持たずに逃げてきた。寒さで子どもたちが我慢できずにいます」と訴えていました。

当局が用意したテントは数が足りず、被災者の中には屋根と風よけのあるレストランの屋外スペースを借りて暖を取る人たちの姿も見られました。ただ、幅7メートル、奥行き20メートルほどの場所に多い時には100人以上が詰めかけ、多くの人は横になることもできずいすに座って夜を明かしているということです。

一方、町の中では、簡素なテントを張り、たき火をたいて寒さをしのぐ被災者の姿もみられました。2つの家族17人でテントでの避難生活を送る被災者の女性は、「政府のテントは足りず、私たちには回ってきません。寒くて耐えられません」などと訴えていました。

18:30 アンタキヤのモスク 被災者に祈り

地震で甚大な被害を受けたトルコ南部ハタイ県の中心都市アンタキヤにあるモスクでは10日、イスラム教で金曜日に行われる集団礼拝に多くの住民が参加して、被災した人たちのために祈りをささげました。

昼すぎにモスクに集まった人たちは、建物の安全が確認されていないため、モスクの前の広場に持参した敷物や段ボールを広げ、その上に座って礼拝を行っていました。

このうち、地震でいとこを亡くしたというオメル・セルテルさん(36)は「多くの人が同じような経験をしました。きょうはこのような災害がもう起きないように祈りました」と話していました。

また、イスマイル・オズトルクさん(60)は「この地域では家がたくさん壊れて多くの命が失われました。皆が生き延びれるように祈りをささげました」と話していました。

18:00 イスラヒエ 医療の提供困難

 
震源に近い被災地では、病院も被害を受け医療サービスの提供が難しくなっていて、人々は厳しい避難生活を余儀なくされています。

このうち、トルコ南部のガジアンテプ県の町、イスラヒエでは、地域の拠点となる病院が被災し患者の受け入れをとりやめています。

町の中心部ではあちらこちらで建物が倒壊して薬局も営業できなくなっていて、中心部の広場では地震が発生した6日から仮設テントの診療所が設けられ、病人やけが人の対応にあたっています。

ただ、医師はおらず、看護師と薬剤師が、患者の症状を聞き取って薬を渡したり、傷口を消毒したりしていました。

看護師の男性は「ここでできることには限界があるうえ、薬の量も限られている」と話していました。

診療所を訪れたシリア人の45歳の女性は「常備薬があと少ししか残っておらず、診療所にやってきましたが、薬はないと言われました。どうにかして薬をみつけたいです」と話していました。

また、現地では、最低気温が氷点下の冷え込みが続いていて、仮設テントや車の中での避難生活を続ける人たちが体調を崩して相次いで訪れていました。

このうち、英語教師のピナル・イルティジさん(26)は、自宅が被災し、家族とともにトラックの荷台で毛布にくるまって夜を過ごしています。

47歳の母親は寒さで体調を崩し診療所でかぜ薬をもらってしのいでいます。イルティジさんは「安心して寝られる場所もなく、家族も体調を崩し、こんなにつらい経験は初めてです」と話していました。

 

 

日本、トルコ原発撤退へ 輸出戦略白紙に

 

 政府は、三菱重工業とトルコで進める新型原発建設計画について、トルコ政府に大幅な負担増を求める最終条件を提示する方針を固めた。安全対策費の高騰などから採算性が悪化したためだが、トルコが受け入れる可能性は低く、事実上の撤退となる見通しだ。日立製作所が進める英国への原発輸出も実現困難な情勢で、両国の事業が頓挫すれば国内外とも受注案件はゼロとなり、安倍政権がインフラ輸出戦略の柱に掲げる原発輸出そのものが白紙に戻ることになる。<picture></picture>拡大

 

 政府と三菱重工が進めているのは、トルコ北部の黒海沿岸シノップの原発建設計画。安倍晋三首相とエルドアン首相(現大統領)が2013年、原発建設での協力を盛り込んだ共同宣言に署名。三菱重工と仏フラマトム(旧社名アレバ)の共同出資会社「アトメア」が、独自開発した新型中型炉「アトメア1」4基を建設する計画で、23年の稼働を目指していた。

 だが、11年の東京電力福島第1原発事故後、世界の原発の安全対策費は増加していた。さらに予定地周辺に活断層の存在が指摘されるなどし、三菱重工が昨年7月末にまとめた事業化に向けた調査では、事業費が当初の2.1兆円程度から2倍超の5兆円規模に膨らんだ。また昨夏以降、トルコの通貨リラの下落で採算性がさらに悪化した。このため、政府は近く、トルコに事業費を回収するための売電価格の大幅な引き上げなどを求めることにした。

 価格引き上げはトルコ国民の負担増に直結するため、トルコが受け入れるのは難しいとみられ、実質的に撤退に向けた協議となる。トルコは人口増などで電力需要が増えており、日本政府と三菱重工は、高効率の石炭火力発電技術の供与などを提案し、関係が悪化しないよう配慮する方針だ。

 一方、日立は英国で2基の建設計画を進めてきたが、中西宏明会長が昨年12月、事業費増加を受けて「もう限界だと英政府に伝えた」と述べ、現計画は実現困難との認識を示した。

 政府は安倍首相のトップセールスで原発輸出を推進してきたが、有力視された両国の建設計画が相次いで頓挫しかかっている。【柳沢亮、袴田貴行】

 

 

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4 コメント

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いつもの重箱の隅コメントですみません。 (時々拝見)
2023-02-12 11:20:30
本文最初の「弔文の論説」は云国際学者三浦氏に対する皮肉でしょうか?(云はいわゆると読んでください)
トルコ・シリアの地形って、断層そのもので形作られていたんですね。イスラエル・パレスチナの西岸も含めて。
少し前にコメントしましたが、原発が復活できない理由について、シートン俗物記さんが、理路整然と書かれています。
返信する
Unknown (raymiyatake)
2023-02-12 11:28:16
うわ、ありがとうございました!
長文に直しました!
これからもよろしくお願いいたします🤲
返信する
話題そらして、すみません。 (時々拝見)
2023-02-12 23:00:06
いやあ、「間違いではありません。キリッ。」くらい強弁してもよろしいかと、あっちこっちの政治家みたいに。安倍氏には及ばないものの、自衛隊が行く所が非紛争地帯、なんて言った方もいましたし。
夕刊フジの元記事にある、三浦氏が年末年始は絶賛修正中の意味が私には分らんのですが。何かやらかしたにしても「絶賛」修正中にはならないでしょうし。夕刊フジが絶賛訂正済とか?
返信する
[闇を感じる] (バードストライク)
2023-02-19 14:02:27
本項のテーマについてですけど、る〜りは以前、リベラルは老若男女すべからく自衛隊に体験入隊せよ、とか書いていたのですけど、まず隗よりで る〜り一家で予備自衛官をやればいいのに😃
やれるもんなら。今後もメディアに出たいなら頑張れよ🏁

以前、ネット上で見かけたのでなんとなく読んでみたる〜りのエッセイ(?)。
印象に残ったのは、両親が学生結婚で子沢山なため、一家は生活が苦しかったこと、そのためる〜りはいろんなことを我慢してきたというところだ。

例えば学校はずっと公立だし、バレエをやりたかったのに習い事は水泳しか選べなかった、上の2人(5人きょうだいで、る〜りは3番目)が受験に失敗して私学に行ったので、自分は国立しか選択肢がなかったこと、茅ヶ崎の不便なところに家を構え、母親は生活のために鶏を飼い野菜を作っていたこと。
「子どもの食育にはとても良いこと」と言いながら、その内容を展開することなく(たとえばxxで〇〇を作ったとか、△△を植えたらこんなふうになってびっくりしたなどの体験や発見)、そこで話は終わり。

六本木ヒルズに住み服は全部高級ブランド品、軽井沢に1500壺の別荘を構え高級ログハウスを建ててハイクラスレストランを使いこなすゴージャスなる〜り様に見合わない過去なのである。

文章は乾燥気味に淡々と綴っていたが、彼女はずっと『美人で便器ができて親も高学歴の自分はこんなところにいるのに相応しい人間ではない』と運命を呪っていたのだろう。
そのルサンチマンが、自民党広報係としてヒール役を熱演するエネルギーになったのではないか。
橋下徹とおんなじだ。

ちなる〜りのおとーたんは防衛大学教授(心理学)の浜村義久氏で、やはり東大卒だ。
でも不思議だなあ。通常、言うてすまんが生活に困窮するほどたくさん子どもを産むのは、社会の低層にいる人が多いんだけど……もしくは宗教的理由により、産児制限をしない家庭。まさか後者?
なお若い頃の浜村氏は田村正和クリソツの白皙の美男である。

る〜りにもマサカズ様の面影が宿っていることに気がついたww
返信する

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