トランプ大統領のウクライナ戦争和平構想がロシアの侵略を是認し、ロシアが侵略したクリミア半島併合を承認し、ウクライナのNATO加盟を排除するという親露派丸出し。ゼレンスキー大統領が呑めなくても仕方がない

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2024年11月のアメリカ大統領選挙の中で行われた民主党候補のカマラ・ハリス氏と共和党のドナルド・トランプ氏の米大統領選討論会。
トランプ氏はハリス氏がバイデン大統領政権で担当していた移民政策が失敗に終わったと主張し、なんと
「スプリングフィールドでは、ハイチからの移民が犬や猫を食べているという話です。住民のペットが食べられているのです。これが今、私たちの国で起こっていることであり、恥ずべきことです。」
と凄まじいデマを飛ばして、司会者から何度も
「明確にしたいと思います。あなたはオハイオ州スプリングフィールドについて言及しました。ABCニュースが市長に連絡を取ったところ、その地域で移民コミュニティによってペットが害を受けたり、傷つけられたり、虐待されたりしたという信頼できる報告はないと伝えられました。」
などと注意されたのですが、その後もトランプ氏は同じデマを流し続けてハイチなどからの移民を危険にさらし、それがトランプ政権が中南米からの移民を強制送還する政策へと続いています。
参考記事 村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
『トランプ分断国は、最悪の独裁国、反民主国、全体主義国、ファシスト国に急速に変容し続けており、恐怖です。こうしてアメリカは世界の多くの友を失っていくでしょう。こんな国に行こうという人は減るでしょうし、トランプがいくら「関税戦争」を仕掛けて海外から産業を誘致しようとしても、トランプリスクが怖すぎます。市場は大きいですから産業界は無視できないでしょうけど、ビジネスの効率は落ちることが予想されます。』
トランプ氏はこの司会者に対して自分の話は本当だと反論して
「テレビで『私の犬が移民に食べられた』と言っていた人がいた」
というこれまたとんでもない根拠を持ち出したのですが、後にこの話が検証され、住民によるFacebook投稿が発端であり、
「隣人が、彼女の娘の友達が猫を亡くした話を教えてくれた」
といった又聞きの話が拡散されたものと判明し、実際に猫が食べられているのを目撃した人は確認されていません。
「ロシアによるウクライナ侵略」というこのカテゴリでなぜこの話を蒸し返したかと言いますと、トランプ氏は陰謀論者の典型で熟慮性に欠け、自分に都合のいい情報だとダボハゼのように食いついてしまう、という特性を持っていることを理解していると、さらにこの後の話が得心しやすくなるからなんです。
なお、米紙ニューヨーク・タイムズによると、2011年9月11日の米同時多発攻撃は内部犯行だと主張していることで知られる極右陰謀論系のインフルエンサーであるローラ・ルーマー氏が4月2日に、トランプ氏に国家安全保障担当官6人の忠誠心について懸念を表明し、その後全員が解雇されました。
イーロン・マスク氏といい、一回トランプ氏のお気に入りになるとトランプ氏になんでも吹き込める、というこれもいい例です。
トランプ政権のイーロン・マスク氏が「経営する企業の従業員・元従業員で結成したチームを駆使し、220万人に上る連邦政府職員に対する空前の支配力と、政府機構を劇的に改変する権限を手に入れた」(ロイター)
そんなトランプ氏が旧ソ連のKGBがトランプ氏を1980年代から「アセット」(情報提供者または協力者)として育成されてきたという説を以前にご紹介しました、
例えば、トランプ大統領は2025年4月2日、「相互関税」に関する大統領令を発表し、アメリカへのすべての輸入品に最低10%の基本関税を課すとともに、貿易赤字が大きい国や米国製品に高い関税を課している約60か国にはさらに上乗せ関税を課す政策を打ち出しました
ところが、トランプ大統領は全世界の国々にかけるとしていた相互関税(2025年4月3日記事参照)の導入をロシアとベラルーシに対してはやらないと4月2日に発表したことからも、トランプ氏がウクライナを侵略しているロシアとそれに協力しているベラルーシを特別扱いしたことは明白です。
この措置についてトランプ政権はロシアとベラルーシはすでにウクライナ侵攻に伴う経済制裁を受けているからだと弁解したのですが、これは全く事実に反する嘘です。
ウクライナ侵攻後、確かにアメリカはロシア産天然ガスなどの輸入を停止し米露の貿易額は10分の1程度にはなっていますが、、肥料、木材、ウラン精鉱などの輸入は続けているので、その金額は2024年でも32億ドル(4700億円)にはなっています。
ところが、アメリカはイランを1979年以来「テロ支援国家」に指定しており、2024年の対イラン輸入額は629万ドル(9億円)程度に過ぎなかったのですが、それでも関税は10%引き上げられました。
また、アメリカは内戦の続くリビアに対しても多くの制裁を敷いており、2024年の対リビア輸入額は対ロシア輸入額の半分以下の約15億ドル(2200億円)でしたが、関税は31%も引き上げられたのです。
以上の事実から見て、「乗せられやすい」トランプ氏がロシアに操られているかどうかはともかくとして、トランプ大統領がロシアを特別扱いしていることは明らかです。
トランプ関税でも明らかな露骨なロシアびいき。
そんな親露派ぶりを隠そうともしていないトランプ大統領は4月14日にホワイトハウスでウクライナ戦争について話し始め、ウクライナのゼレンスキー大統領を猛烈に批判し
「有能ならロシアとの戦争は起きなかった」
「彼が有能かどうかも分からない」
「国土が20倍のロシアと戦争をするべきではない」
「武器供与を次々に求めてくる」
と不快感をあらわにしました。
さらに、トランプ氏はウクライナのゼレンスキー大統領、バイデン前米大統領、プーチン大統領を名指しして
とも語ったのですが、この人はロシアのプーチン大統領がウクライナに侵略を開始して戦争が始まったという機序もわかっていないわけです。
プーチン大統領はキリスト教の復活祭=イースターにあわせ、4月19日からの30時間の一時停戦を表明したが、ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSで「ロシア軍は1882回砲撃するなど、2935回、停戦に違反した」と主張。
【#米大統領選挙】人権無視の差別主義者だからこそロシアとイスラエル支援のドナルド・トランプ氏。地球温暖化否定など各種陰謀論の元祖でもあるトランプ氏当選を願う日本のトンデモ識者たちを糾弾しよう。
さて、トランプ大統領は、ウクライナ戦争を停戦させる公約を果たすとして、4月17日にロシアとウクライナの双方に和平に関する提案を示し、4月18日にはロシアとウクライナの停戦交渉について、どちらか一方が停戦を困難にしている場合、
とトランプ氏が恫喝するなど、合意に向けた圧力を主にウクライナにかけています。
そして、ロシアのプーチン大統領が一方的に宣言した感謝祭休戦期間の終了前の4月20日午後(日本時間21日早朝)には自分のSNSであるトゥルースソーシャルに、トランプ大統領は
「うまくいけば、ロシアとウクライナが今週合意に至る」
「両国はそれから米国と大きなビジネスを始め、莫大な富を築くだろう!」
と投稿しました。
ゼレンスキー大統領とトランプ大統領が首脳会談で決裂!「彼はプーチン大統領についてあれこれネガティブなことを言う必要はない」と言い切る親露派のトランプ氏は、和平ではなくウクライナの資源だけを狙っている。
ところが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが4月20日に報道した、ロシアのウクライナ侵略の和平交渉で米国が提案した和平構想の概要によると、
1 現在の戦線に沿って戦闘を凍結
2 ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合を米国が承認
3 ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を排除する
と、まさにプーチン大統領が停戦条件として掲げてきたものをウクライナに丸呑みせよという内容になっています。
トランプ氏が言うとおりに今週中にウクライナがこの極めてロシアに有利な停戦案をそれでも呑むかどうかはわかりませんが、そもそも調停委員の役を演じているアメリカがロシア寄りで戦争当事者である両国に対して公正・中立な第三者でないことは明白です。
日本の親露派陰謀論者はエセ平和主義者ぶりを発揮して、ゼレンスキー大統領はトランプ大統領の仲介に従って「即時停戦」=降伏すべきだと主張しているのですが、もし今回のトランプ氏の停戦案にウクライナ側が合意しなくても、それを持ってウクライナを批判することが間違っていることだけは確かです。
ロシア軍が侵略しているウクライナ戦争でロシアに肩入れするトランプ米大統領候補を応援するため、全米でフェイクニュースを拡散するプーチン政権。嘘を何とも思わないトランプ・プーチンとその信者は世界のガンだ。
参考記事
村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
『善良な一市民が行政側のミスでこのようにメチャクチャな扱いをされ、それを「エラー」だと行政側は認めているのに、一家の平穏な生活を破壊して修復しないって、アメリカはトランプの政権進出とともに冷血な悪魔が国を乗っ取り、アメリカはものすごい地獄と化したとすら言えます。』
トランプやアメリカに受動的に従ったり下手に出たりするだけでは政治・外交・経済・防衛の現状は打開・改善できないと一人でも多くの日本人が気づくべき時。
アメリカ国内の大規模な反トランプデモは、トランプの関税政策やトランプ政治全般に理が欠けていることの証明になっています。日本国と日本人も勇気をもってトランプ政治にノーを言ってよい。
米軍の日本駐留経費問題について「過去の自分に一喝される石破首相」
追記
例によってこの記事をFacebookの社会派ページに投稿するのですが、賛否両論。
「イギリス、フランスなどこそ、ウクライナから手を引け、と言いたいところです。戦争屋・バイデンを引き継いでウクライナの国土の破壊と国民に犠牲を強いる欧米の戦争屋こそ糾弾されるべきだ、と思います。この辺はどこまでも折り合いがつきませんね。」
「何が悪い。トランプは世界の警察官を降りたと言ってるだけ。戦争が無くなることは良いこと。イスラエルみたいに虐殺のための虐殺やってるわけじゃないだろ。」
「クリントン政権からバイデン政権にかけての民主党と国務省の陰謀でロシアの破滅をねらったものの、プーチンが起死回生の立ち直りをみせている…というだけのこと。部分を切り取ればロシアの侵略にも見えるだろうが、ぷ~珍はロシアの持ってたものを取り返しただけ。トランプの判断の方が健全というものである。」
などという、私から見ると反米拗らせ丸出しの意見も多いです。
冒頭の方なんかは他の論点ではほぼ意気投合するので「この辺はどこまでも折り合いがつきませんね。」と書いておられるわけです。
トランプ大統領こそアメリカの一番悪い部分のエキスみたいな存在だと思うのですがね。
編集後記
これまで日本で護憲派だとかリベラル派を自称して、それなりの社会的影響力も持った一部の方々が、侵略しているロシアではなく侵略されているウクライナに「停戦」を求め、国内外で蛮行を続けるプーチン大統領とロシアの批判もできなくなり、さらにはとうとう米国内で憲法にも法律にも反して人権を蹂躙し続けるトランプ大統領のことまで批判しなくなっている姿を見ていると、
「晩節を汚す」
という言葉が何度も頭をよぎります。
功成り名を遂げた人達なのに、ロシアによる侵略戦争の時にロシア側に立ち、侵略されているウクライナを責める側だったという事実は、生前はもちろん死後も一生消えないでしょう。
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トランプ氏、国家安全保障担当官6人解雇 極右陰謀論者と面会後

【4月4日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は、極右陰謀論者と面会した後、国家安全保障担当官6人を解雇した。米メディアが3日、報じた。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、2011年9月11日の米同時多発攻撃は内部犯行だと主張していることで知られるインフルエンサーのローラ・ルーマー氏(31)が2日、トランプ氏に6人の忠誠心について懸念を表明した。
国家安全保障会議(NSC)は、通信アプリ「シグナル」で、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する空爆を議論するグループチャットに誤ってジャーナリストを追加したスキャンダルの調査に直面している。
ニューヨーク・タイムズによると、トランプ氏とルーマー氏の面会後、幹部3人を含むNSC職員6人が解雇された。
ルーマー氏はトランプ氏と面会したことを認めたが、X(旧ツイッター)で「トランプ大統領に敬意を払い、また大統領執務室のプライバシーを尊重し、詳細を明かすことは控える」と述べた。
ルーマー氏はその後、トランプ氏に「反対派に関する調査資料」を提出したと述べた。
記者団に解雇報道について問われると、トランプ氏は「われわれは常に解雇を実施している。好ましくない人間やわれわれを利用している人間、他の誰かに忠誠を誓っている可能性のある人間をだ」と答えた。
トランプ氏は大統領専用機「エアフォース・ワン」で記者団に対し、ルーマー氏を「偉大な愛国者」と称賛する一方、報じられているNSC職員の解雇に同氏は「一切」関与していないと述べた。さらに「彼女は提案をしている。私はそうした提案に耳を貸すこともある」と続けた。
NSCのブライアン・ヒューズ報道官はAFPに対し、「人事問題にはコメントしない」と述べた。
ルーマー氏は2024年大統領選の期間中、トランプ氏の飛行機にたびたび同乗。ソーシャルメディアでは、インド系のカマラ・ハリス前副大統領が勝利したら、ホワイトハウスが「カレー臭くなる」と発言し、人種差別だと批判された。
ルーマー氏は、ホワイトハウスを揺るがす「シグナルゲート」スキャンダルをめぐり、アレックス・ウォン大統領副補佐官(国家安全保障担当)を繰り返し攻撃している。ただし、ウォン氏は今回解雇されたと報じられた6人に含まれていない。
ルーマー氏は、フーシ派に対する空爆を議論するグループチャットに米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長を誤って追加したのはウォン氏であると、根拠を示すことなく主張しているが、マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)はこのミスを自分の責任だと認めている。(c)AFP
【ワシントン=淵上隆悠】米国のトランプ大統領は14日、ロシアのウクライナ侵略を巡りプーチン露大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、バイデン前米大統領を名指しして「3人のせいで何百万人もの人々が犠牲になっている」と批判した。自身が仲介する停戦交渉が思い通りに進まないことへのいらだちがありそうだ。
ホワイトハウスでエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領と会談した際、記者団に語った。トランプ氏は「バイデンとゼレンスキーは戦争を止められなかった。プーチンも始めるべきではなかった」とも語った。
ゼレンスキー氏は最近、米メディアで米国の防空ミサイルを購入したいとの意向を表明したが、トランプ氏は「自分より20倍も大きな相手と戦争を始めてから、誰かがミサイルをくれると期待するのか」と不快感を示した。
停戦交渉を巡っては、米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使が11日、ロシアでプーチン氏と会談したが、米露のいずれも結果を発表していない。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は20日、トランプ政権がロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を米政府がロシア領として承認することなどを含む戦争終結に向けた提案を行ったと報じた。ウクライナ側の回答を待っており、今週ロンドンで開かれる米国やウクライナ、欧州による協議で話し合われる見通しだ。
報道によると、提案にはウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないことも盛り込まれている。一方、米国務省高官はWSJに、提案は受け入れるか否かの「二者択一」ではなく、あくまで検討のための「選択肢」だと説明。米国とウクライナや欧州が一致できれば、今後ロシア側にも提示される可能性があるという。ただウクライナはこれまで領土の分割を否定しており、協議は難航も予想される。
トランプ米大統領は20日、自身のソーシャルメディアで、停戦交渉を念頭に「ロシアとウクライナが今週に合意を結ぶことを願う」と投稿。双方に今週中の合意を求めた上で「そうなれば、米国と大きなビジネスを始め、巨万の富を築ける!」と主張した。トランプ氏は双方が歩み寄らずに停戦が実現しない場合は、仲介から手を引く可能性を示唆している。
報道によると、米側は17日にフランス・パリでウクライナに案を提示し、欧州にも共有された。米側はロシアが占拠するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所の地域を「中立地」とすることも提示しており、米国の管理下に置かれる可能性がある。
トランプ氏はウクライナ情勢について「就任後24時間以内」に決着をつけるなどと豪語してきたが、交渉は難航している。最近はいらだちを強めているとみられ、18日にはどちらか一方が停戦を困難にしている場合「『あなたは愚かだ』と言って、(仲介から)手を引くだけだ」などと語っていた。【ワシントン松井聡】
【ワシントン=池田慶太】米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは20日、ロシアのウクライナ侵略の和平交渉で米国が提案した和平構想の概要を報じた。ウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の周辺地域を中立地帯に指定し、米国の管理下に置くことなどが柱だ。17日にウクライナや欧州主要国に示されたという。
ザポリージャ原発は欧州最大級で、侵略開始後の2022年以来、露軍が占拠している。構想では、停戦実現後に発電した電力をウクライナ領土とロシアの支配地域の双方に供給する可能性があるという。トランプ米大統領は3月、米国が原発の所有や運営を行うことを提案した。
また、構想では現在の戦線に沿って戦闘を凍結し、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合を米国が承認する。ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を排除する内容も盛り込まれている。
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さあて、来週のトランプさんは
ドーデモイーロンマスクメロンパンナコッタです。
来週は
中国、ロシアの迂回輸出でプーチン大喜び
アメリカの自動車工場、輸入部品の値上がりでどうにもならなくなる
ネタニヤフ、悪行が目立たなくなって大喜び
の3本です。