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本日、過去最高となっている子どもの貧困に対する対策が発表され、マスコミが一斉に安倍政権の対策の方を報道しています。
しかし、その原因を究明しないと、対策の有効性も検証できません。
まず、豊かな日本社会なのに子供の貧困問題が深刻化しています。2014年、厚生労働省が発表した「子供の相対的貧困率」は過去最悪の16・3%に上り、6人に1人の約325万人が「貧困」に該当します。
相対貧困率とは、その国の所得の中央値の半分を下回っている人の割合で、絶対的貧困と違い、その国の所得格差を表している数字。
そして、冒頭のグラフの意味がお分かりになるでしょうか?
私には衝撃のグラフでした。
まず、青の棒だけのグラフを見てください。
上の青のグラフは、これは母子世帯、父子世帯のひとり親世帯で、親が働いていない世帯の子どもの貧困率のデータです。日本はOECD諸国(先進国)の平均を少し超え、貧困率が6割です。それでも、アメリカなどと比べると低い状況となっています。
ところが、これに、親が働いている場合の貧困率を赤い棒で加えると以下のようになります。
青と赤を比べてみると、ひとり親でも親に仕事があって働いていれば、OECD諸国の平均を含め、大きく貧困率の数値を減らしています。これは「親が働いていない」ときの貧困率で圧倒的だったアメリカも同様です。
ところが、日本だけがひとり親が働いてもほとんど変わらず、親が働いても貧困から抜け出せないという現状がはっきりわかります。
日本のひとり親家庭では、親が働いても働いても豊かになれないという状況なのです!
これはなぜか?
母子家庭の就労による収入は平均181万円で、これは子どもがいる他の世帯に比べて400万円低くなっています。この母子家庭含めたひとり親家庭の貧困率は5割を越え、54・3%に達しています。
日本の母子世帯の就労率は、世界で断トツの85・4%(2011年)です。ところが、一生懸命働いているにもかかわらず貧困から抜け出せない大きな原因の一つは雇用形態にあります。
母子世帯の働き口は「パート・アルバイト等」が47・4%(全国母子世帯等調査結果報告・2011年度)と最も多く、「派遣社員」と合わせると非正規雇用は5割を超えます。
また、非正規雇用が増加する一方で正規職が減らされており、ひとり親で子どもがいることが就労条件などで不利になり、非正規雇用にしかつけない現実があります。
さらにそもそも、日本の女性労働者の賃金は、正社員で男性の7割となっています。非正規雇用も含めれば、男性の半分の低さです。欧米諸国では、女性の賃金は男性の8割、9割へと格差が縮小していますが、日本の男女の賃金格差の是正は大きく立ち遅れたままです。
山屋 理恵 特定非営利活動法人インクルいわて理事長 内閣府の「今後の経済財政動向等についての点検会合」提出資料(PDF形式:493KB)より
母子家庭の現状は、現代社会の課題が凝縮された姿と言えます。
・平均年収223万円(児童扶養手当等除く181万円)
・就業率80.6% (非正規率47.4%)
・貧困率54.6% (全体16%、大人2人以上の世帯12.4%)
・生活保護受給率14.4% (2011年被災3県含まず)
・雇用保険未加入率40.0%
・児童扶養手当受給者98万人
・健康保険未加入率5.9%
・公的年金未加入率16.1%
・養育費を受け取っている19.7 %
・貯金平均金額50万円以下50.0%
どれも衝撃的な数字ではないですか。
厚生労働省 平成23年度全国母子世帯等調査結果報告より
総務省が2015年8月11日に発表した2015年4~6月期の労働力調査(速報)の結果によると、非正規の職員・従業員は前年同期比31万人増の1,953万人となり、10期連続で増加しています。
安倍内閣の子どもの貧困対策は来年度、ひとり親の就労を支援する専門の相談員を全国に配置したり、塾に通えない子どもたちへの学習支援などの対策を強化するというのですが、これがいかに馬鹿げているか、お分かり頂けるでしょうか。
母子家庭のお母さんが就業率80.6%と世界でもっともよく働いているのに、非正規率47.4%故に年収が181万円で貯蓄が50万円未満の家庭が半分。
この現実を打破するには、正規雇用の拡大と児童扶養手当の拡大が急務なのです。
ひとり親どころかふたり親で、しかも共稼ぎでも貧困率がほとんど変わらない日本の現状!
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子どもの貧困率 過去最高に
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このため、厚生労働省は来年度、ひとり親の就労を支援する専門の相談員を全国に配置したり、塾に通えない子どもたちへの学習支援などの対策を強化する方針です。このほか、専門家や支援団体から現金を給付するなどの直接的な支援を強化すべきだという指摘が出ていることから、厚生労働省は児童扶養手当の拡充を検討しています。
仕事掛け持ちしても貧困状態から抜け出せず
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団体によりますと、シングルマザーの中には、子育てのため自宅から離れた場所への通勤が難しかったり、残業ができなかったりするため、非正規で働き貧困状態から抜け出せない人が少なくないといいます。
団体には、「生活が苦しく正社員を目指したいが、就職活動をする時間ない」とか、「飲食店や新聞配達などのアルバイトを掛け持ちしているが、働きづめで体がもたない」、「子どもを塾に通わせる経済的な余裕がなく、進学させられるか不安だ」などといった深刻な相談が寄せられています。
東京都ひとり親家庭福祉協議会の高田伊久子会長は「多くのシングルマザーは生活費を得るためにダブルワーク、トリプルワークで働き、子どもが置き去りにされてしまう。シングルマザーが安定した仕事に就けるよう、資格取得のための費用やその間の生活費を国が一部負担するなどの支援が必要だ」と話していました。
毎日新聞 2015年08月28日 19時46分
経済的に厳しい、ひとり親世帯や多子世帯への支援を充実させるため、政府は28日、生活や仕事など6分野からなる自立支援策をまとめた。子どもに学習支援や食事提供をする「居場所」を、2019年度までに年間延べ50万人分用意する事業などを盛り込んでおり、年末をめどに財源確保を含めた具体的な政策を決定する。
支援策は同日開かれた、子どもの貧困対策について話し合う関係閣僚会議で、貧困の連鎖を防止する対策の一環として発表された。
「居場所」は仕事で親の帰宅が遅く、1人で過ごすことが多くなりがちな、ひとり親家庭の子どもが、学習の遅れや孤立感をもつことを解消するのが狙い。希望する中核市以上の自治体に設置予定で、4万〜5万人の子どもが週1回程度利用するのを想定している。
この他、ひとり親の携帯メールアドレスを登録し、自治体と情報をやり取りする仕組みや、ホームページなどを活用してワンストップで相談を受ける体制も整える。
ひとり親世帯の経済的支援である児童扶養手当については「財源確保策と併せて、機能の充実について検討」とし、増額は明言しなかった。
厚生労働省によると「子どもの貧困率」は12年で16.3%と過去最高となり、特にひとり親世帯の貧困率は54.6%と高く、対策が急がれている。【西田真季子】
2014年12月18日(木)
ひとり親世帯 貧困率
働いている方が高い
問われる非正規拡大
日本の母子家庭は、働いている世帯の方が働いていない世帯よりも貧困率が高い―諸外国と比べても異常な実態が明らかになり、非正規雇用の拡大をすすめている日本政府の姿勢が問われています。
経済協力開発機構(OECD)の調査(1月)で日本は、働いていないひとり親世帯の相対的貧困率(以下、貧困率)は50・4%(2010年)ですが、働いているひとり親世帯では50・9%となり、逆に貧困率が上昇することが明らかになりました。
働いているのに貧困率が上がっている国は日本だけです(図)。OECD加盟の各国平均の貧困率は、働いていない場合の58%に対し、働いている場合は20・9%と格段に低くなっています。日本より貧困率が高いベルギー、米国、ドイツなどでも、働けば貧困から抜け出せる状況となっています。
日本の母子世帯の就労率は、断トツの85・4%(2011年)です。一生懸命働いているにもかかわらず貧困から抜け出せない大きな原因の一つは雇用形態にあります。
母子世帯の働き口は「パート・アルバイト等」が47・4%(全国母子世帯等調査結果報告・2011年度)と最も多く、「派遣社員」と合わせると非正規雇用は5割を超えます。非正規雇用が増加する一方で正規職が減らされており、ひとり親で子どもがいることが就労条件などで不利になり、非正規雇用にしかつけない現実があります。
日本の女性労働者の賃金は、正社員で男性の7割となっています。非正規雇用も含めれば、男性の半分の低さです。欧米諸国では、女性の賃金は男性の8割、9割へと格差が縮小していますが、日本の男女の賃金格差の是正は大きく立ち遅れたままです。
安倍政権は、「雇用が増えた」としていますが、この2年間で非正規雇用は123万人増える一方、正規雇用は22万人も減っています。生活保護については、戦後最大の生活保護基準引き下げを強行し、生活保護法改悪で利用者の締め付けを図ろうとしています。
さらに2015年度の予算編成では、住宅扶助や冬季加算の削減を狙っています。民主党政権の時に復活した、「母子加算」までも削減対象にあげています。
正規雇用拡大を
立教大学の湯澤直美教授の話
母子世帯が貧困から抜け出せない背景には、非正規雇用が広がっている現状、税や社会保険料負担が低所得者ほど重いのに社会手当などの給付は薄い制度設計、教育や住宅費などの自己負担が生活を圧迫している問題などがあります。これらが総合的に改善されなければなりません。
同じOECDデータからは、二人親世帯が共働きしても貧困率がほとんど改善されず、女性の就労が貧困を緩和しないことが分かります。
普通に働いて子育てができるようにするために、正規雇用の拡大が必要です。同時に労働時間の短縮、保育所整備など子育て支援の拡充も必要です。パートであっても生活できる賃金の引き上げと、同一価値労働同一賃金の実現、男女の賃金格差の是正も急がれます。
男性の長時間労働で家計が成り立つ異常な実態が日本にはありますが、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)がひとり親世帯でも実現し、一定の質がある暮らしができるようにならなければなりません。
そのうえで、ひとり親であることの負荷に対し、児童扶養手当などの給付をきちんと行うことが必要です。
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相対的貧困率とは何か:6人に1人が貧困ラインを下回る日本の現状(小林泰士)
2015/01/25
よく目にする数字として、日本は貧困率がとても高く、「貧困率が15.8%や6人に1人が貧困ラインを下回っている」というものがあります。「言っていることがよくわからないし、日本に貧困層がそんなにたくさんいるなんて信じられない」という人も多くいると思うので、解説記事を書いてみます。
先進国30ヶ国中、貧困率が4番目に高い日本
OECD加盟国の相対的貧困率のグラフを見ると、日本が先進国のなかでも「相対的貧困率」が高い国であることがわかります。
(先進国30ヶ国中、貧困率が4番目に高い日本|イーズ 未来共創フォーラムより)
相対的貧困と絶対的貧困とは?
貧困には「相対的貧困」と「絶対的貧困」の二種類があります。
まずわかりやすい方、「絶対的貧困」についての解説を引用します。
必要最低限の生活水準を維持するための食糧・生活必需品を購入できる所得・消費水準に達していない絶対貧困者が、その国や地域の全人口に占める割合。世界銀行では1日の所得が1.25米ドルを貧困ラインとしている。絶対的貧困の基準は国や機関、時代によって異なる。
つまり地球で生きるにあたって、最低限必要と考えられている食料・生活必需品を購入するためのお金がない状況が「絶対的貧困」です。主に途上国で起きている問題といえます。
先進国での貧困問題は「相対的貧困率」をもとに考えられます。
OECDでは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の半分未満の世帯員を相対的貧困者としている。相対的貧困率は、単純な購買力よりも国内の所得格差に注目する指標であるため、日本など比較的豊かな先進国でも高い割合が示される。
「相対的貧困」とは、所得の中央値の半分を下回っている人の割合で、つまりその国の所得格差を表している数字です。
上記は少し古いデータですが、平成21年度の日本の所得の中央値が250万円なので、125万円以下で生活している人が貧困ラインを下回っているということです。
貧困ラインを下回ったいる人の年収が125万円であり、月収でいうと約10.4万円です。これに当てはまる人が日本だと16%、6人に1人いるということです。
相対的貧困はなぜ問題か?
NPOが運営するオンラインメディア「ひみつ基地」には、相対的貧困について理解を促す情報が多く掲載されています。
・「相対的貧困」は、ときに「絶対的貧困」と同レベルのダメージを人に与えます。
・「日本の貧困状態の子どもたちの方が、精神的な落ち込みが大きかった」
・「周りのみんなにとっては当たり前の生活が自分だけ享受できない」という状態は、子どもたちに破壊的なダメージを与えます。そして、「なんで、僕だけ?」 を繰り返した子どもたちは、もうその言葉を言わなくなります。その代わりに、ある言葉を繰り返すようになります。それは次のような言葉です。「どうせ、僕なんて」
・「子どもの貧困」とは、所得が低い家庭の子どもが低学力・低学歴となり、将来不安定な就業に陥ることで、次の世代にまで貧困状態が連鎖していく(=貧困の世代間連鎖)問題です。このような貧困状態にある子どもは今日本に約6人に1人の割合で存在しており、年々増え続けています。
(「子どもの貧困」問題を解決する3つの政策手段-「子どもの貧困対策法」を絵に描いた餅にしてはいけない! / ひみつ基地より)
・圧倒的な格差の前で、消えていくハングリー精神
・小学校・中学校は、義務教育ですから、どんな経済状況でも就学援助があり学校に行けます。しかし、高校になれば、親がリストラや倒産などで経済状況が困窮すると、高校を辞めざるをえなくなったり、その後の進学を諦めなければならない状況になります。高校の教員との話の中から、「親がリストラされ、学費が払えない」とか、「保険証をもっていない生徒がいる」など、学びの質の前に生活そのものが困窮している話になることも少なくありません。
・「ハングリー精神」なんて言葉がありますが、それには「自分もがんばれば、この状況を脱することができる」という自己効力感があればこその話です。そもそも圧倒的な格差のなかに長期間置かれた子どもは、意欲を喪失し、「金持ちと結婚したい」とか、「生活保護うけて、働かずに生活したい」など他力本願になるか、冒頭の小学生のように「どうせニートに」等、自暴自棄になってしまうのです。
(「経済・希望格差を超えるための教育環境」の作り方-若者一人を無業者にすれば、最低4,600万円以上の損失! / ひみつ基地より)
貧困問題を解決するためにあなたができること
生まれた環境によりその人の人生が大きく変わってしまうことに対して問題意識を持ち、様々なアプローチで解決に取組んでいる団体も存在します。相対的貧困の問題を解決するために、これらの活動に関わることから始めてみてはいかがでしょうか?
この記事では、4つの団体を紹介します。(他にもたくさんあるので、是非自分が支援したい、関わりたいと思った団体を関わってみて下さい。)
認定NPO法人カタリバ
カタリバは、キャリア教育と被災地での放課後学習を行っている団体です。
カタリバの詳しい理念・問題意識はこちら。
カタリバの理念 | 認定NPO法人カタリバ
ボランティアを常時募集しているので、詳しい関わり方はこちらをご覧下さい。
あなたの関わり方 | 認定NPO法人カタリバ
NPO法人3keys
3keysは格差などによって十分な学習支援が得られない子どもたちを対象に、大学生や社会人などの学習ボランティアを研修・派遣することで、学習支援を行っています。
3keysの詳しい理念・問題意識はこちら。
3keysについて | 3keys
3keysもボランティアを募集しているので、詳しくはこちらをご覧下さい。
あなたにできること | 3keys
Chance for Children
Chance for Childrenは、教育専用のクーポン(バウチャー)を貧困家庭に配布することで教育格差を解決しようとしている団体です。
Chance for Childrenの詳しい理念・問題意識はこちら。
子どもの教育の問題 | Chance for Children(チャンス・フォー・チルドレン)
Chance for Childrenは活動内容上ボランティアをそれほど募集していませんが、寄付という形で関わることが出来ます。
支援の方法 | Chance for Children(チャンス・フォー・チルドレン)
特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクール
放課後NPOアフタースクールはその名の通り、放課後教育に取組んでいる団体で、「社会で子どもを育てる」をコンセプトに活動を行っています。
放課後NPOアフタースクールの詳しい理念・問題意識はこちら。
私たちについて | 放課後NPOアフタースクール
放課後NPOアフタースクールはボランティアの放課後の先生を募集しています。詳しくはこちらをご覧下さい。
放課後NPOアフタースクール:市民先生&スタッフ募集
放課後NPOアフタースクール:賛助会員・寄付受付
教育・子どもの貧困を軸にして4つ団体を紹介しましたが、こういった問題に多くの人が関心を持ちに様々な人が実際に関わることによって、社会は変わり、課題の解決に近づいていきます。ぜひ、みなさんもボランティアや寄付者として、関わりあいを始めてみてください。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
子育てや家事をするためには、それなりの時間が必要であるとも思えます。
収入と時間の自由が相反する関係にあるとも考えられます。
ま、そもそも正社員のポスト自体が少なくなっていいるし、一部を除いて働き手全体として次第に(実質)収入は減り続けているという現実があります。
と言うのは、「子供の貧困は、子供本人の夢を奪う」と言う割に、「なぜ、お金がかかるか?」が問われていない感じがするからです。
そもそも、「所得が低い家庭の子どもが低学力・低学歴となり、将来不安定な就業に陥ること」と仰いますが、裏を返せば、「子供の塾通い」がそれだけ日常化していることの表れでは?
さらに突き詰めていけば、「新卒採用→終身雇用」の流れの下で新卒での就職をめぐる、採用面での競争ばかりが激化していることとも関係している気がするのです。
……つまり、「普通の家庭」でさえ「食い物にされてる現実」があると感じますが。
しかも、このやり方の問題として、「受験の突破」に重心が置かれていることもあって、その中身が促成栽培的になっており、「質」も下がっている――と感じることです。
そんな「受験突破のための促成栽培に、お金もかかる現状」と化してることこそ問題であり、「非正規雇用」で「定収入」とあれば、そりゃ「打撃」を受けやすい仕組みになってしまいます。
だが、先述したように、「普通の家庭でさえ、食い物にされる現実」がある訳だから、「お金が、何故かかるか」と言う視点にも立って、子育てにまつわる環境全般をも変えていく姿勢も求められると感じます。
……で無ければ、「普通の家庭でさえ、食い物にされる現状」には何時までたってもメスが入らないし、「子供の貧困」とは、実は「日本の常識の悪い部分」があだ花として出てきただけと言う側面も感じるからです。
もっと、「広い目線」で教育全般をも考えていくべきと感じますね。
『高すぎる教育費は全てムダ!厳しい受験戦争が日本人をダメにする理由』
http://www.madameriri.com/2013/07/11/%E9%AB%98%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B%E6%95%99%E8%82%B2%E8%B2%BB%E3%81%AF%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%83%A0%E3%83%80%EF%BC%81%E5%8E%B3%E3%81%97%E3%81%84%E5%8F%97%E9%A8%93%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%8C%E6%97%A5/
――より、秀逸と思えるコメントを見つけたので、転載します。原文ママです。
日本が見習うべきデンマークの民主主義に学ぶ教育と福祉と生活。
試験や競争なんて要らない。個性に合わせた平等こそ公平で必要なことなんだ。
「民主主義の質が高い国」ランキング発表、デンマークが1位
デンマークに学ぶ生活大国とは ~成熟した民主主義社会を築くために~
アメリカのペンシルバニア大学のRichard Estes教授が、「世界で一番住みやすい国~生活大国~はどこか」と教育、文化、社会福祉、等の各方面に渡って調査を約20年間行った結果を1995年に発表した。その結果第1位はデンマークであった。(ちなみに上位はほとんヨーロッパが占めていた。2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位オーストリア、5位オランダ。日本は14位、アメリカは18位)
具体的に生活大国とはどのような国なのか。デンマークの場合、医療費、大学までの教育費は無料ですべて税金で賄われている。67歳以上は全員年金がもらえ、公共施設なども無料で使用できる。実に国家予算の80%までが教育、社会保障など国民の生活に関わるものに使われる。まさに「ゆりかごから墓場まで」が実現された国だ。
今回デンマークを訪れてみて思ったことは、デンマークから学ぶべきものは、福祉そのものというよりは、その福祉を築き上げた分権的政治、そしてそのために必要不可欠な成熟した民主主義というこであると痛感した。
ではなぜここまでデンマークに民主主義が根づいているのか。民主主義の柱となるのが「自由」「平等」「連帯」「共生」という考えである。この民主主義の柱となる考えがきちんと国民の意識の中に根づいている。日本でも戦後、民主主義社会が目指され続けたが、日本人の中に本当に民主主義が根づいているのか疑問を持たざるを得ない。ではこの意識はどこで得られるのか。教育によって得られるのではないだろうか。デンマークでは特に教育のなかで「平等」ということに重点が置かれている。
日本とデンマークの教育方針には明らかな違いがある。デンマークにおいては義務教育段階で人との差、競争というものを学ばない。デンマークでは、各人の能力に応じて異なる教科書を使い、試験、成績表というものがない。そのため子供の段階で人と競うという感覚が起きず、自由で平等な感覚が培われていく。
一方日本の教育は小学校1年生から全員が同じ教科書を使い、一斉にスタートをきる。そして授業について行けなくなる子供が次第に脱落していく。また体育や図画など、もともと個人差や、感受性などが重要であり、評価のつけようもないものにまで、成績をつけ、知らず知らずのうちに「他人よりも」と競争心がわき、平等性を欠いた教育となっている。
そして高校に進学する場合も、本当に高等教育を学びたい人だけ(全体の30%から40%)が進学するが、日本のように、高校だけは行っとかなければという感覚もおきない。
真の平等とはそれぞれの個性にあわせて公平にするということである。例えば知的障害児に教育を受けさせる場合、普通の学校に入れ、その子がたとえ試験で0点を取り続けたとしても「他の子と同じ教育を受けさせているから平等だ」というのは間違った平等である。その子の個性にあわせた教育をすることが必要である。
日本ではこのようにそれぞれの個性を無視し、とりあえず一緒にすれば平等だという感覚が強い。高校もぜんぜんレベルの違う高校をでても、学歴としたら同じ高卒となる。教育内容は競争心をあおっておいて、その後にうわべで平等を叫んでも、本当の意味での平等意識、共に助け合う意識はうまれてこない。
――以前の書き込みにも書きましたが、日本における教育事情は、「塾通いの常識化」など教育費が高額化する傾向があり、しかもそれは親の所得に大きく依存する仕組みであることから、「普通の家庭」でさえ「食い物」にされるし、増してや「非正規雇用」に「低い収入」とも来れば、その影響を被りやすいものになります。
それならば、「お金がかかりすぎる現状」からの脱却も、併せて語られるべきでしょう?
にも拘わらず、宮武さんを始めとする「子供の貧困を語る人たち」に限り、「激しい受験戦争」を守っているのでは?……と、感じられてなりません。
ひょっとしたら――と思うのは、日本の教育全般にて通用している「受験突破最優先」の考え方、「受験の機会を与えること」が「平等」とお考えなのでは無いでしょうね?
でも、「機会を平等」にしながら、その内容は「競争意識をあおる」のでは、「差別意識」を生み出すだけにも感じます。
「それくらいのことが、何で出来ないの?」
――と言う、自覚の無さです。
これでは、「平等」の名が泣くと感じますが。
もっと、「広い側面」から「平等」を考えるべきと感じますね。
離婚する理由、事情は色々あるんだろうが、子供にお金の心配をさせるなんて考えたことあるんだろうか?ま、考えたこと無いからこんなことになるんだろうが。
まあ、そういう男性が多いから離婚も増えるのでしょう。
また、そういう男性が多いのは、安定しない雇用が増えたことに原因があるでしょう。
格差が開いたということは、企業が労働者から搾り取る率が高くなったということ。雇用される側にストレスも増えるし、それが原因で家族仲も悪くなります。
つまり、子供達にお金の心配をさせているのは、非正規雇用を増やして利益を上げ続けている大企業という訳です。多分、国がどうなろうと考えていないのでしょう。でも、企業ってそういうものですから、国がそういう問題を規制緩和で助長しているのと、法人税減税で再分配する気が無いのとで起きている現象かと思います。