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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

沖縄県知事選、日本会議の会員で、前回の知事選から8回も統一教会のイベントにも出席し、辺野古の新基地建設を容認する自公推薦の佐喜真淳候補だけは絶対に当選させてはならない候補者だ。

2022年08月26日 | 沖縄差別の解消と基地問題

佐喜真氏が参加し来賓としてあいさつした、2019年9月29日に台湾北西部の桃園市で開かれた旧統一協会の「祝福式」。

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 任期満了に伴う沖縄県知事選挙が2022年8月25日に告示され、現職と新人合わせて3人が立候補し、新型コロナ対策や経済の再生策、それにアメリカ軍普天間基地の移設問題などを争点に9月11日の投開票まで17日間の選挙戦がスタートしました。

 立候補者は、2期目を目指す現職で立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党、地域政党の沖縄社会大衆党の「オール沖縄」が推薦する玉城デニー氏に、新人で自民党、公明党が推薦する元宜野湾市長の佐喜真淳氏と、各政党を渡り歩いてきた新人の元衆議院議員下地幹郎なのですが、自公という国政与党がまた佐喜真氏を出してきたのにはあ然としました。

 だって、佐喜真氏と言えば、まず思い浮かぶのが、沖縄差別の右翼団体日本会議と密接な関係のある政治家だということだからです。

 

 

 

 宜野湾市の市長だった佐喜真氏が、日本最大の極右組織日本会議系の団体「沖縄県祖国復帰記念大会実行委員会」が主催する「沖縄県祖国復帰42周年大会」なる集会に参加し、閉会のあいさつをしたことがすでに明らかになっています。

 その大会のオープニングセレモニーとして、「教育勅語奉読」なる儀式が行われたことが話題となりました。

 このことを報じた日刊ゲンダイの表現ではこうなります。

『オープニングでは地元保育園の園児が日の丸のワッペンをつけた体操着姿で登場。

 猿回しの猿というか、北のマスゲームように「逆立ち歩き」「跳び箱」をさせられ、それが終わると、全員で〈立派な日本人となるように、心から念願するものであります!〉と「教育勅語」を一斉唱和させられるのだ。

 それが終わると日本最大の右翼組織「日本会議」の中地昌平・沖縄県本部会長が開会宣言し、宮崎政久衆院議員といった面々が「日本人の誇り」について熱弁を奮う。

 この異様な大会の“トリ”を務めたのが佐喜真市長であり、やはり「日本人としての誇りを多くの人に伝えていきたい」と締めくくった。』

 

 

 その証拠に私が見つけてきたのが、宜野湾市の第370回市議会(2012年6月)での質疑応答について報じた「ぎのわん市議会だより第84号」で、桃原功議員からの

「佐喜真市長が加入されている日本会議、どのような団体なのか」

という質問について、佐喜真市長が日本会議に加入していることを前提に、以下のような質疑が行われました。

ぎのわん市議会だより第84号 平成24年9月10日

桃原功議員

『市 長 が 加 入 さ れ て い る 日 本 会 議 、 ど の よ う な 団 体 な の か 。 こ れ か ら も 日 本 会 議 の 活 動 を 続 け て い く の か 。」

宜野湾市企画部長

『ど う い っ た 団 体 か と い う こ と に つ い て 、 日 本 会 議 は 、 平 成 九 年 五 月 に 日 本 を 守 る 国 民 会 議 と 日 本 会 議 と が 統 合 を し 設 立 さ れ た 団 体 で あ り 」、 美 し い 日 本 を 守 り 伝 え る た め 、 誇 り あ る 国 づ く り を 「 を 合 言 葉 に 政 策 提 言 等 を 行 う 国 民 団 体 で あ り ま す 。 』

佐喜真市長

『こ れ か ら の 行 動 に つ い て は 、 日 本 会 議 が 持 つ さ ま ざ ま な 政 策 あ る い は 施 策 等 に つ い て 吟 味 し な が ら 、 私 が 同 意 で き る も の に 対 し て は やっ て い き た い と 思 う 。』

沖縄県知事選、保守系候補の佐喜真前宜野湾市長は日本会議の会員!!「平成24年9月10日ぎのわん市議会だより」で明言。

 

 

 そんな右翼の佐喜真氏が、2019年7月から21年4月にかけて計8回、統一協会(世界平和統一家庭連合)や関連団体の行事に参加し、統一教会のイベントにも台湾まで出かけて行って参加したことが明らかになりました。

 前回の沖縄県知事選で負けてから8回も統一教会のイベントに出席したというのですから、これは今回の知事選で勝つために統一教会の力を利用しようとしているとしか思えないではないですか。

 佐喜真氏こそ、最悪の統一教会系候補者と断言できます。

 

 

 その8回の中でも特筆すべきは、佐喜真氏が参加した2019年9月29日に台湾北西部の桃園市で開かれた旧統一協会の「祝福式」。

 佐喜真氏は報道各社にコメントを発表し、台湾で、例の安倍晋三氏がビデオメッセージを送ったマザームーンこと韓鶴子総裁の「天宙平和連合」(UPF)の平和大使協議会の視察に参加し、そして祝福式にも参加したことを認めたのです。

 この祝福式というのは既婚の信者カップルを集めた「既成祝福式」で、有名な合同結婚式と同様の形態で

「人は死後も“霊界”で永遠に生き続けるという、家庭連合の死生観に基づいて行われ、死後の世界での夫婦関係を約束する神聖な式典」

なんだそうです。

 はあ、気色悪い!

 

 

 佐喜真氏はこれらの団体やイベントが統一教会と関係あるとは知らなかったとして逃げ切ろうとしていますが、会場内や出入り口には「統一家庭連合」と大きく書かれた「のぼり旗」が林立し、そのロゴマーク入りの白い布を首にかけた100組を超えるカップルが集まっていて、旧統一協会の式典だと一目で分かるんだそうです。

 そして、この統一教会の祝福式に佐喜真氏は来賓として参加し、ステージ上で

「素晴らしいです。私も非常に感動しております」

と発言していました。

 いま、統一教会問題がこれだけ騒がれているときに、これだけ統一教会と密接な関係のある佐喜真氏しか候補に出せないという自公国政与党の人材払底にも呆れますし、自民党が統一教会と手を切る気が全くないことの象徴が佐喜真氏と言えるでしょう。

 日本会議と統一教会という極右団体と関係あるからこそ、辺野古の新基地建設も当然容認の佐喜真氏。

 この人だけは沖縄県知事にしてはなりません。

 

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自公に対しては、ようこんな統一教会べったり候補を出してきたなというのが正直な感想ですし、佐喜真氏に対してはどの面下げて出てきた、としか感じません。

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与党「旧統一教会」で逆風警戒 移設反対派、勢い陰り正念場―沖縄知事選

2022年08月26日07時04分 時事通信

 

 沖縄県知事選が告示された。自民、公明両党は8年ぶりの県政奪還で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設加速を狙う。ただ、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を受け内閣支持率は急落。「逆風」を警戒する声は強い。一方、再選を目指す玉城デニー知事を支える移設反対派は勢いに陰りが生じており、正念場となる。

現職・新人3氏の争い 辺野古移設争点、来月11日投開票―沖縄知事選告示

 「新型コロナウイルスの感染拡大で経済、暮らしが厳しい状況にある」。自民党が擁立した佐喜真淳氏は25日の第一声で、玉城氏のコロナ対応を厳しく批判した。応援に駆け付けた同党の小渕優子組織運動本部長も「ワクチン接種が全国一進んでいないのが沖縄だ」と訴えた。
 自民党は昨年10月の衆院選で4選挙区のうち二つを制し、年明け以降の市長選も4連勝。知事選の前哨戦となった7月の参院選で敗れたものの、差はわずか約2900票だった。流れは途切れていないとみて、茂木敏充幹事長は今月だけで既に2回も現地入りし、支持固めを徹底する。
 ただ、旧統一教会問題が影を落とす。岸田政権の閣僚らが接点を持っていたことが次々に判明。佐喜真氏も2019年に台湾で行われた関連団体の視察に参加しており、第一声では「誤解を招く行動は真摯(しんし)に反省している」と釈明せざるを得なかった。
 保守系の下地幹郎氏の出馬については「佐喜真氏の票が削られる」との見方が大勢だ。党内からは「現職は2期目の選挙が一番強い」(関係者)、「旧統一教会問題は痛い」(党幹部)との弱音も漏れる。結果によっては、安倍晋三元首相の国葬でも批判を浴びる岸田文雄首相にはさらなる打撃となりかねない。
 玉城氏は出身地のうるま市での第一声で、「翁長雄志前知事は命を懸けて辺野古反対を貫いた。私もぶれることなく全身全霊で取り組む」と声を張り上げた。
 玉城氏は翁長氏の死去に伴う18年の前回知事選で初当選。両氏を支えてきたのが移設反対を掲げる保革糾合の「オール沖縄」だ。ただ、その後、共産党の存在感が高まったこともあり、地元の有力企業を含む一部保守勢力が離脱。結束には不安がつきまとう。
 陣営の県議は「勝って当たり前の選挙」としつつ、組織内の不協和音を認め「負ければオール沖縄は分裂する」との見方を示した。

 

 

2022年8月17日(水)

徹底追及 統一協会

関連行事 沖縄知事選候補・佐喜真氏 8回も参加

会長の講演会にも出向く

 沖縄県知事選(25日告示、9月11日投票)に立候補する佐喜真淳(さきま・あつし)前宜野湾市長(58)=自民、公明推薦=が2019年7月から21年4月にかけて計8回、統一協会(世界平和統一家庭連合)や関連団体の行事に参加していたことが分かりました。霊感商法や高額献金で深刻な被害をもたらしてきた協会側と政治家が親密な関係をもつことは“広告塔”の役割を果たすことになります。道義的責任が厳しく問われます。(統一協会取材班)


 本紙は佐喜真氏が19年9月29日、台湾北西部の桃園市で統一協会が開催した「祝福式」に参加していたことを報じました。同氏は「統一協会だという認識はなかった」「全く問題がない」と釈明していますが、ほかにも7回の行事に参加していました。

 本紙が自民党員で統一協会のダミー団体が任命する「平和大使」だというA氏のフェイスブックを確認したところ、協会系の団体が開いた行事の様子が投稿されていました。

ダミー団体

 これによると、佐喜真氏は19年7月15日、沖縄県内で開かれた2000人規模のイベント「平和と家庭の祭典」であいさつしました。会場のステージ横には、統一協会のダミー団体「真の家庭運動推進協議会」の旗が立てられていました。

 同年には、協会系の団体でセミナー活動を行う人物が、同性婚を「伝統的結婚制度形骸化の危機」と批判する講演会(沖縄市)に出席。統一協会が推進する日韓トンネル構想の講演会(福岡県)に佐喜真氏が参加したという投稿もありました。

 統一協会の沖縄代表が講師を務めた「家庭講演会」(20年1月5日)にも、佐喜真氏は複数の自民党議員と参加。A氏は「世界平和を目指している世界統一協会を認識しました。議員も、その意義に賛同し参加しています」と書き込み、佐喜真氏の横に座った写真を投稿しています。

 A氏は、統一協会の徳野英治会長(当時)を迎えた講演会(同年1月11日)でも、スタンドマイクの前に立つ佐喜真氏の写真を投稿していました。

 佐喜真氏は21年4月11日、県内で統一協会のダミー団体「世界平和連合」が「中国の脅威と共産主義による家庭破壊」と題して開いた講演会でも発言。インターネット上には、同じくダミー団体の沖縄県平和大使協議会の青年集会(同年1月8日)に佐喜真氏が講師として参加した記録もありました。

“お墨付き”

 沖縄県内で霊感商法の被害相談に取り組んできた三宅俊司弁護士は「統一協会が複数のダミー団体を作っていることは一般的に知られている。行事に何度も参加して『統一協会だという認識はなかった』との主張はありえない」と指摘。「政治家が協力することで信者は社会的評価を得たと感じ、問題のない団体だと思わせることに利用する」と問題点を強調します。

 本紙の取材にA氏は「統一協会の信者ではない」と否定し、その上で「市長時代から親しい佐喜真氏の選挙活動を手伝い、家庭講演会など協会系の行事でも何度か居合わせた。そうした行事に佐喜真氏を誘ったことはない」としています。

■統一協会やダミー団体と佐喜真淳氏の関わり

2019年7月  「平和と家庭の祭典」で来賓あいさつ(豊見城市)

   9月  統一協会の「祝福式」で来賓あいさつ(台湾)

   11月※ 同性婚に反対する講演会に参加(沖縄市)

   12月※ 日韓トンネル推進の講演会に参加(福岡県)

2020年1月  統一協会・沖縄代表の講演会で来賓あいさつ(那覇市)

       統一協会の会長を迎えた講演会であいさつ(豊見城市)

2021年1月  沖縄県平和大使協議会の青年集会に参加(沖縄県内)

   4月  世界平和連合の講演会で発言(うるま市)

(※)A氏がフェイスブックに投稿した時期

 

 

2022年8月4日(木) しんぶん赤旗

徹底追及 統一協会

沖縄県知事選 自民など擁立の佐喜真候補「知らなかった」と釈明も…

参加の式典会場に「家庭連合」の旗 本紙が動画で確認

 沖縄県知事選(25日告示、9月11日投票)に自民党県連などが擁立を決めた佐喜真淳前宜野湾市長(57)が旧統一協会(世界平和統一家庭連合)の式典に参加していた問題で、本紙は式典のプログラムと動画を確認しました。佐喜真氏は「旧統一協会の宗教行事との認識はなかった」と釈明していますが…。実態は「旧統一協会の宗教行事」そのものでした。(統一協会取材班)


写真

(写真)旧統一協会の式典で佐喜真淳氏が発言する様子を収録したユーチューブの動画(一部加工)

19年に台湾で

 佐喜真氏は2019年9月29日、台湾北西部の桃園市で開かれた旧統一協会の「祝福式」に参加しました。その事実を本紙(7月26日付)や沖縄の地元紙・琉球新報が報じたことを受け、佐喜真氏は報道各社にコメントを発表。台湾で「天宙平和連合」(UPF)の平和大使協議会の視察に参加し「その日程の中で、報道された式典があった」と認めました。

 佐喜真氏は両団体について「旧統一協会だという認識はなかった」としていますが、UPF総裁は同協会の開祖・文鮮明の妻で現在のトップである韓鶴子。平和大使協議会のホームページによると、UPFは平和大使の任命機関です。

「非常に感動」

 式典の内容について、佐喜真氏は「いわゆる『合同結婚式』とは違い、なんらかの事情で結婚式が挙げられなかった夫婦のための式典との説明だった」としています。

 旧統一協会の台湾総会が公式フェイスブックに投稿した同式典のプログラムを見ると、参加対象を「已婚夫婦」(既婚カップル)としていました。

 旧統一協会は、既婚の信者カップルを集めた「既成祝福式」を行います。同協会の公式動画によると、合同結婚式(集団結婚)と同様の形態で「人は死後も“霊界”で永遠に生き続けるという、家庭連合の死生観に基づいて行われ、死後の世界での夫婦関係を約束する神聖な式典」とされています。

 佐喜真氏が参加した式典はどうだったのか―。ユーチューブに投稿された動画を確認すると、佐喜真氏は同式典に来賓として参加し、ステージ上で「素晴らしいです。私も非常に感動しております」と発言していました。

 会場内や出入り口には「統一家庭連合」と大きく書かれた「のぼり旗」が林立し、そのロゴマーク入りの白い布を首にかけた100組を超えるカップルが集まっていました。旧統一協会の式典だと一目で分かります。

 動画には結婚指輪の交換のほか、男女の体に「浄水」を振りかける様子も収録されていました。プラスチック製の棒で男女が互いの尻をたたく光景も。旧統一協会の「祝福」を受けたカップルが行う儀式の一つで、夫婦が棒で3回ずつ尻をたたけば原罪を祓(はら)うことができるとされています。

最大限に協力

 旧統一協会・台湾総会のフェイスブックには、佐喜真氏が率いる沖縄県平和大使議員団が「われわれの祝福式を見学し、全過程に参加する」と記されていました。式典の流れを見た限り、佐喜真氏が来賓として参加したのは、旧統一協会が「既成祝福式」と称する「宗教行事」です。

 霊感商法や高額献金で大きな被害をもたらしている旧統一協会の式典に招かれ、ステージ上で祝辞を述べるなど最大限に協力した佐喜真氏の道義的責任が問われます。

 

 

 
佐喜真市長(左)と園児たちの様子(ユーチューブから)
 

 今月24日に投開票される沖縄県宜野湾市長選。現職で与党推薦の佐喜真淳氏(51)の再選を阻めば辺野古移設の歯止めになることから、全国的な注目度も高い。

 もっとも、それ以前にこんな人物を再選したら、宜野湾市民は常識を疑われることになりそうだ。

 2年前に宜野湾市民会館で開催された「沖縄県祖国復帰42周年記念大会」の動画がネット上で流れており、これに佐喜真市長も出席しているのだが、「まるで北朝鮮みたい」と突っ込まれるほどヒドイ内容なのだ。

 オープニングでは地元保育園の園児が日の丸のワッペンをつけた体操着姿で登場。猿回しの猿というか、北のマスゲームように「逆立ち歩き」「跳び箱」をさせられ、それが終わると、全員で〈立派な日本人となるように、心から念願するものであります!〉と「教育勅語」を一斉唱和させられるのだ。

 それが終わると日本最大の右翼組織「日本会議」の中地昌平・沖縄県本部会長が開会宣言し、宮崎政久衆院議員といった面々が「日本人の誇り」について熱弁を奮う。この異様な大会の“トリ”を務めたのが佐喜真市長であり、やはり「日本人としての誇りを多くの人に伝えていきたい」と締めくくった。

 佐喜真市長が日本会議のメンバーかどうかは知らないが、善悪の判断がつかない園児に教育勅語を暗唱させ、一斉唱和させるなんて戦前そのものではないか。

 

 

澤藤統一郎の憲法日記さんから

宜野湾市・現職市長と保育園児の教育勅語ー「こんな人物を再選したら、宜野湾市民は常識を疑われる」

宜野湾市長選が昨日(1月17日)告示。2016年の政治の帰趨を占う政治戦が始まった。選挙期間は僅かに一週間の短期決戦。「官邸勢力」と「オール沖縄」との対決。オール沖縄側に勢いがあるものの、決して楽な闘いではない。

いうまでもなく、争点は「普天間・辺野古」問題である。「官邸」を背景とする現職は「普天間返還の早期実現」というシンプルな訴え。これに対する「翁長県政」側の「市政奪還」を目指す側は、「新基地建設なき返還」「基地のたらい回しは許さない」というもの。はるかに次元の高い政治性と倫理性を訴えているのだ。

普天間基地の早期撤去は、宜野湾市民の共通の願いである。この「世界一危険な米軍基地」は、市民に騒音被害と治安の悪化と経済発展の阻害をもたらしている。しかも、最近持ち込まれた「ウィドウメーカー」の異名を持つオスプレイ群の一刻も早い撤退は誰もが望むところ。

しかし、「この危険と騒音と治安の悪化と、さらには自然破壊とを名護市に押しつけてよいのか」「さらに沖縄の危険を増すことになる辺野古新基地建設を許してよいのか」という問題に直面せざるを得ない。また、「政府に協力することで、本当に普天間の早期実現が可能となるのか」「オール沖縄の分断策に政府や米軍から付け込まれることになりはしないか」という問題もある。

昨日の志村恵一郎陣営の出陣式には、翁長知事を先頭に、城間幹子那覇市長や西原、北谷、読谷、中城、北中城の近隣5町村の首長らも勢ぞろいしたという。文字どおり、「オール沖縄・翁長県政」対「政府・与党代理勢力」の対決構図。それ故の全国的な注目政治戦となっている。

ところで、現職市長の佐喜真淳なる人物については、よく知らない。
この人の人物像については、1月14日付「日刊ゲンダイ」が、「園児が教育勅語を唱和…宜野湾市長が出席した大会の異様」という記事を書いて話題となっている。短い記事なので、全文を引用する。

「今月24日に投開票される沖縄県宜野湾市長選。現職で与党推薦の佐喜真淳氏(51)の再選を阻めば辺野古移設の歯止めになることから、全国的な注目度も高い。もっとも、それ以前にこんな人物を再選したら、宜野湾市民は常識を疑われることになりそうだ。

2年前に宜野湾市民会館で開催された『沖縄県祖国復帰42周年記念大会』の動画がネット上で流れており、これに佐喜真市長も出席しているのだが、『まるで北朝鮮みたい』と突っ込まれるほどヒドイ内容なのだ。

オープニングでは地元保育園の園児が日の丸のワッペンをつけた体操着姿で登場。猿回しの猿というか、北のマスゲームように『逆立ち歩き』『跳び箱』をさせられ、それが終わると、全員で〈立派な日本人となるように、心から念願するものであります!〉と『教育勅語』を一斉唱和させられるのだ。

それが終わると日本最大の右翼組織「日本会議」の中地昌平・沖縄県本部会長が開会宣言し、宮崎政久衆院議員といった面々が『日本人の誇り』について熱弁を奮う。この異様な大会の“トリ”を務めたのが佐喜真市長であり、やはり『日本人としての誇りを多くの人に伝えていきたい』と締めくくった。

佐喜真市長が日本会議のメンバーかどうかは知らないが、善悪の判断がつかない園児に教育勅語を暗唱させ、一斉唱和させるなんて戦前そのものではないか。」

「日本会議」のホームページで、「体操演技と教育勅語奉唱(わかめ保育園の園児26名)」と紹介された子どもたちの、「口語版・教育勅語」奉読の場面を見ることができる。この動画を見て戦慄せざるを得ない。「わかめ保育園の園児」たちが、回らぬ舌で、「朕」を「ワタシ」と読み替え、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ天壌無窮の皇運を扶翼すべし」を、「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません」と、口を揃えて言わされている様子が傷ましい。これは、「戦時や緊急事態における国民の心得」ではないか。こんなことを、沖縄戦の悲惨な記憶生々しい沖縄でまわりの大人たちがやらせている。その大人の中に、現地の現職市長が参加しているのだ。確かに、戦前の日本や北朝鮮の教育を思い起こさせる、恐るべき図である。
  https://www.nipponkaigi.org/activity/archives/6683

日刊ゲンダイが、「ヒドイ内容」で、「こんな人物を再選したら、宜野湾市民は常識を疑われることになりそうだ」というとおり。いやはや、こんな人物を市長にしてはならない。宜野湾市であろうとなかろうと、である。

口語版・教育勅語はいくつかある。わかめ保育園の元ネタは「国民道徳協会訳」のバージョン。明治神宮のホームページなどで読むことができる。意訳に過ぎ、天皇への忠誠心強調が薄れているようにも思われる。しかし、口語訳になると、教育勅語は俄然生々しい。とりわけ、幼児の口から発せられると、背筋が寒くなる。これが、かつて一億総洗脳教育の教材とされたものだ。参考のために、26人の園児が暗記した全文を掲載しておきたい。

 私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。そして、国民は忠孝両全の道を全うして、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、見事な成果をあげて参りましたことは、もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。 
 国民の皆さんは、子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じ合い、そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格を磨き、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また、法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。そして、これらのことは、善良な国民としての当然の努めであるばかりでなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、さらにいっそう明らかにすることでもあります。
 このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、この教えは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、外国で行っても、間違いのない道でありますから、私もまた国民の皆さんと共に、祖父の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。
(2016年1月18日)

 

 

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口先政治 (ゴメンテイター)
2022-08-27 07:35:00
「(犯罪組織である)旧統一教会との関係を見直す」
と言いながら、これですか。推薦してますよね。

もっとも「関係を見直す」ですから、「国民やマスコミにわからないように、これまで以上に関係を深める」かも知れません。

ところで、故 安倍晋三氏の国葬強行に伴う国の支出額が公表されました。約2億5千万円。でもこれはごく一部だとか。膨大な警備費がついてくるそうです。
なるほど。警察庁長官、奈良県警本部長の辞職がこの時期になったのは天下り先の警備関連への手土産額を示せるようになったから?

五輪の不正に関わっていた(家宅捜索を受けています)可能性が高い電通、天下り先への配分、そして来春までの各種選挙用の費用のための還流等々、資金作りに国葬はうってつけなんでしょうか。
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