心のふるさと「伊勢の神宮」と神道のあれこれ@れーじん

日本人の心のふるさとといわれる伊勢の神宮。
伊勢国のれーじんが伊勢の神宮や神道、それに関連することをお伝えします。

神社参拝時の作法① ~鳥居(神社入り口)をくぐる~

2015-01-11 22:00:00 | 神道の作法
世の中には、様々なルール・作法がありますね。
それらは、周囲の方々に敬意をはらったり、お互いに気持ちよく過ごすためのものだと思います。
もちろん、神道にも様々な作法があります。
これから数回にわたり、神社参拝において最低限知っておきたい作法を記事にします。
今回は、神社の入口にある鳥居をくぐり、神聖な敷地である境内<けいだい>に入るところを記します。

1 参拝前にお手洗いをすませる
小学1年生のようで申し訳ないのですが、これって結構大切なことだと思っています。
なぜなら、たいていの神社は、お手洗いが境内の外、もしくは手水舎<てみずしゃ>(手と口を清めるところ)の手前にしかないのです。
参道の途中でもよおしてしまったら、我慢して参拝を続けるか、一旦境内の外に出てお手洗いを済ませるかどちらかです。
もちろん我慢していたら、しっかりお詣りなんてできません。
お手洗いに行くとなれば、歩いてきた参道を戻り、お詣りを仕切りなおすことになります。
寒い日に大きな神社の参道を延々と歩いている最中、そんな事態におちいってしまったら、先にも行けず後にも引けずで最悪です。
折角のお参りが残念なことにならないよう、お手洗いに行っておきましょう。

2 ペットは外でお留守番
ペットは神社に入れません。
(特別にペットのご祈祷が可能な神社があるようです。その場合は神職さんの指示に従ってください。)
キャリーに入れてワンちゃんやネコちゃんの顔が見えなくても、もちろん神様はお見通しです。
どうしてもペットを同伴しなければならない場合は、境内の外で預かっていただける場所を確保する必要があります。
ちなみに、神社によっては境内に馬や鹿、鶏がいる場合があります。
これらの動物は神様のお使い(=神使<しんし>であり、私たち人間よりも神様のおそばにいる存在です。
そういうわけで、普通の動物とは異なるのです。

3 携帯電話は電源を切る、またはマナーモードにする
自分が神前で手をあわせている時に、派手で耳障りな電話の着信音が聞こえてきたら、げんなりしませんか?
神聖な境内で大きな声や大きな音を出すのはやめましょう。

4 鳥居の手前で衣服を整える
神社の境内入り口に鳥居があります。
鳥居の手前で、衣服を整えます。
ジャケットなどの上着のボタンをとめ、帽子や手袋を脱いでください。
日傘もここでたたんだ方がいいでしょう。

5 境内に入る前にごあいさつ
衣服を整えたら、上半身を15度ほど前にたおすお辞儀(会釈)を1回して(一揖<いちゆう>)、境内に入ります。
よそ様のお家へ入るときに、「ごめんください」「お邪魔します」と挨拶するのと同じ要領ですね。
お辞儀は、かいつまんで説明すると、次のように行います。
 ①鳥居の手前で、足をそろえて肩をおとし、腕・手は力を抜いて自然におろして身体の横に付け、姿勢を正して立ちます。
 ②その状態で、背を丸めずに上半身を前に倒すと、腕は自然と前に出てきます。
 ③そのまま腕をブラブラさせるわけにはいかないので、手のひらを太ももに沿わせます。
  立っている時に身体の横にあった手は、お辞儀が深くなるにつれて、太ももの外側から膝に向かってななめにスライドさせていきます。
 (もっとも深い90度のお辞儀(拝<はい>)の際には、手が膝のお皿の骨を覆うようになります。)
昨今、女性が立っている時やお辞儀をする際、手を身体の前(お腹や股のあたり)で重ねていますが、これは神道の作法および日本古来の礼儀作法ではありません。
お辞儀については、後日くわしく記事にする予定です。

6 参道は真ん中を歩かない
参道を歩く際、よほど混雑していない限り、真ん中を通るのは避けましょう。
参道や拝殿・本殿の中央は「正中<せいちゅう>」とよばれる、神様の通り道だからです。
神社の参道のほとんどは、中央が少し高く、端は少し低くなっています。

こちらは皇大神宮(内宮)の参道です。
このように参道がゆるやかなかまぼこ状になっていると、雨が降っても水が脇にはけていきますから、合理的でもあります。

参道を少し進むと、参道脇に手水舎が見えてきます。
次は、参拝前のお清めです。

※作法については、神社本庁が発行・監修を行っている書籍等に基づいています。


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