心のふるさと「伊勢の神宮」と神道のあれこれ@れーじん

日本人の心のふるさとといわれる伊勢の神宮。
伊勢国のれーじんが伊勢の神宮や神道、それに関連することをお伝えします。

豊受大神宮(外宮)23 ~日別朝夕大御饌祭 2~

2015-12-21 21:15:00 | 神宮
豊受大神宮(外宮)ご鎮座以来、一度も欠かすことなく行われている日別朝夕大御饌祭<ひごとあさゆうおおみけさい>。
神様は毎日どのような食事を召し上がっているのでしょうか。

神様の朝夕の献立は次のとおりです。
・御飯3盛
・鰹節
・海魚
・海草
・野菜
・御塩
・御水
・御酒
・果物
上記に御箸を添えて御饌としてたてまつります。

たてまつられる食材は、基本的に伊勢の神宮が管理する特別な場所で清浄に調整されます。
たとえば
 お米=神宮神田
 野菜=神宮御園
 御塩=御塩浜、御塩殿神社
 御水=上御井神社<かみのいのじんじゃ>

御饌は、これまた特別に調整された器に盛られます。
赤土の素焼きの器です。


こちら↑は、神宮(外宮、内宮)で御饌(神宮ではご祈祷のことを「御饌」といいます)や御神楽を奏上した後、御神酒をいただいた時の器です。
(器はおさがりとして頂戴することができます)
御神酒をいただいたので、シミがついていますが・・・。

御酒、御水以外は、器の上にトクラベの葉が敷かれ、その上に御饌が盛られます。
ハイノキ科のミミズバイという常緑樹のことを三重県ではトクラベと呼んでおり、神宮でもトクラベと言われています。
6月に行われる月次祭<つきなめさい>と、10月に行われる神嘗祭<かんなめさい>でたてまつる大御饌では、トクラベではなく柏の葉が用いられます。
神職さんのお話では、トクラベの葉、柏の葉、どちらも抗菌のために用いられているのでは、とのことでした。

豊受大神宮(外宮)22 ~日別朝夕大御饌祭<ひごとあさゆうおおみけさい>~

2015-12-01 23:50:00 | 神宮
豊受大神宮(外宮)の御正宮御垣内にある御饌殿<みけでん>では、毎日朝夕、神様に大御饌<おおみけ>をささげる祭祀が行われます。
日別朝夕大御饌祭<ひごとあさゆうおおみけさい>です。
  ※御饌<みけ>とは、神様にお供えする食事のことです。

日別朝夕大御饌祭は、豊受大神宮ご鎮座以来、約1500年にわたり一日も欠かさずに行われています。
昭和34年(西暦1959年)に東海地方に大きな被害をもたらした伊勢湾台風の暴風雨の中でも、中止することなく行われました。

日別朝夕大御饌祭は、夏期は朝午前8時と夕午後4時、冬期は朝午前9時と夕午後3時に行われます。
祭祀に先立ち、御正宮の西北にある忌火屋殿<いみびやでん>の前で、奉職する神職さんと大御饌が御塩<みしお>にて清められます。
忌火屋殿とは、神様にささげるための清らかな火「忌火<いみび>」をおこすための建物です。
外宮の忌火屋殿は、一般参拝者は立ち入ることのできないところにありますが、北御門口参道からほんの少し覗き見ることができます。


時間になると、衛士<えし>(=神宮の警備を担当する職員)に先導されて、神職さんたちが忌火屋殿に向かって参進します。


一番後ろの神職さんが手にしているものは、御饌殿の御扉の鍵です。
祭祀をとりおこなう神職さんと唐櫃に納められた大御饌が、忌火屋殿前でお清めされた後、御饌殿へ参進します。