心のふるさと「伊勢の神宮」と神道のあれこれ@れーじん

日本人の心のふるさとといわれる伊勢の神宮。
伊勢国のれーじんが伊勢の神宮や神道、それに関連することをお伝えします。

豊受大神宮(外宮)27 ~亀石~

2016-02-21 19:00:00 | 神宮
御池の中ほどに大きな石の橋が架かっています。


石の形が亀に似ていることから、亀石と呼ばれています。
亀石は、高倉山古墳の入口にあった岩だと言い伝えられています。

高倉山古墳は、外宮宮域にある標高116mの高倉山頂上にある円墳です。
昔は自由に高倉山に登ることができ、古墳の石室は鎌倉時代頃から開いていたそうです。
いつのころからか天岩戸の神話と結び付けられ、参拝客がたくさん訪れた形跡が残っているとか。
昭和50年代以降、高倉山への入山は禁止されています。

亀石には、頭上の木々から垂れる雨露で穿たれた穴がたくさんあります。


これほどの穴が開くには、どれだけの年月が流れたのでしょうか。
まさに、「涓滴<けんてき>岩を穿つ<うがつ>」ですね。

亀石の奥に、3社の別宮があります。

豊受大神宮(外宮)26 ~御池<みいけ>~

2016-02-11 22:00:00 | 神宮
御正宮前には細長い池、御池<みいけ>が広がっています。


昔この辺りは、近くを流れる一級河川「宮川」の支流である豊川<とよかわ>が流れていたそうです。
地震などのために埋まって3つの池になってしまったとのこと。
前述した川原祓所<かわらのはらえしょ>の「川原」とは、昔流れていた豊川の川原ということですね。
昔の人たちはここで手水をとって参拝をしたそうです。

御池の水は非常に綺麗、とは言い難いのですが、大きな鯉や水鳥、亀などが見られます。
看板等は立ってはいませんが、神域内の生き物にエサを与えるのはやめましょう。

別宮<べつぐう>、摂社<せっしゃ>、末社<まっしゃ>、所管社<しょかんしゃ>とは

2016-02-01 22:47:00 | 神宮
規模の大きな神社の境内には、メインとなる本社(正宮、正殿、本殿)の他に、小さなお社が複数お祀りされていることがあります。
これを摂社<せっしゃ>、末社<まっしゃ>といいます。
各時代によって制定された神祇制度<じんぎせいど>により神社の格(社格)が定められ、その格に応じて摂社・末社と分類されているようです。
摂社、末社どちらも、本社にゆかりのある神様がお祀りされています。

さて、伊勢の神宮には、皇大神宮(内宮)、豊受大神宮(外宮)の2社の正宮、上記の摂社、末社の他に、別宮<べつぐう>、所管社<しょかんしゃ>と呼ばれるお社があります。
それらを全て合わせると125社あり、その総称が「神宮」なのです。

正宮<しょうぐう> 計2社
神宮には2社あります。
・皇大神宮(内宮)
・豊受大神宮(外宮)

別宮<べつぐう> 計14社
正宮と特に関わりの深い神様をお祀りする格の高い神社で、正宮に準じて祭祀が行われます。
中でも皇大神宮の第一別宮である荒祭宮<あらまつりのみや>と、豊受大神宮の第一別宮である多賀宮<たかのみや>は、大きなお祭りにおいて天皇陛下が幣帛<へいはく>(=絹の反物など)をお供えあそばされます。
皇大神宮に10社、豊受大神宮に4社あります。

摂社<せっしゃ> 計43社
延喜式神名帳<えんぎしきじんみょうちょう>に記載されている神社です。
延喜式神名帳は、西暦927年(延長5年)に成立した国家の官帳です。
皇大神宮に27社、豊受大神宮に16社あります。

末社<まっしゃ> 計24社
延喜式神名帳には載せられていないものの、延暦儀式帳<えんりゃくぎしきちょう>に記載されている神社です。
延暦儀式帳は、西暦807年(延暦23年)に成立した伊勢の神宮の儀式帳です。
皇大神宮に16社、豊受大神宮に8社あります。

所管社<しょかんしゃ> 計42社
御正宮や別宮に直接かかわりがあり、水やお酒、お米、塩、麻、絹などの御料<ごりょう>(=お供え物)、宮域鎮護など、祭祀にあたり深く関係を持つ神々がお祀りされています。
皇大神宮に30社、豊受大神宮に4社、別宮の瀧原宮<たきはらのみや>に3社・伊雑宮<いざわのみや>に5社あります。