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尖閣問題  棚上げが日本にとって賢明な判断

2012-09-07 | 国際政治

孫崎 享氏の 「日本の国境問題」http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%A2%83%E5%95%8F%E9%A1%8C-%E5%B0%96%E9%96%A3%E3%83%BB%E7%AB%B9%E5%B3%B6%E3%83%BB%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-905-%E5%AD%AB%E5%B4%8E-%E4%BA%AB/dp/4480066098

によると、中国は、中ソ国境紛争 (1969年~)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E3%82%BD%E5%9B%BD%E5%A2%83%E7%B4%9B%E4%BA%89

 で、ソビエト連邦とウスリー河の珍宝島という小さな島を巡って ソビエト連邦と戦闘。 この時の中国の

デモは、最近の反日デモの比ではなく、1億5000万人と発表。 中国政府が主導してデモすれば、数千万人が

集まるというのだから、反日デモなんて、政府主導ではないのが分かる。 その紛争で、中国、ソ連共、数十人の死傷者が出て、

関係悪化が長く続いた。 解決までには、22年かかっている。

周恩来首相は、そこから 学んで、尖閣問題を 「小異を残し大同につく」として、① 現状維持 ② 武力不行使~中国側から

戦いを挑むことはしない と提案。

日中平和友好条約で、小平も、尖閣問題は、双方触れず、一時棚上げして構わないと発言。

棚上げは尖閣の日本の実行支配を認める事。  日本にとって有利な立場なのだ。 それが、2010年の

中国漁船船長逮捕で、日本は、自らの有利な立場を 自らの手で放棄していく。

周恩来、小平主導の下に、

・ 領土の主権をめぐる争いを当面棚上げ (外交関係で領土を主張しあわない)にする。 その事は、

  中国が日本に尖閣諸島に対する領有権を容認し、これに対する武力行使を抑制することを意味する。

・ これを担保するため、最も紛争を起こしやすい漁業においては、日中漁業協定を締結する。

  ここでは自国船を管理し、相手国の船の管理は相手国にゆだねる基本理念を採用している。

菅総理と 前原外相は、これらの合意を次々と破っていく。  そして、棚上げ合意の廃止は、中国軍部も

望んでいる事でもあり、そして、その中国の海軍力は、10数年後には、日本より強い海軍力を持つ事になる

事も考えておかなければならない。  小平が言った、20年、30年 棚上げにしておけ~という話は

日本には、有利な話だったのだ。 中国には、一方で軍事力で尖閣を奪取というグルーブと 尖閣での

紛争を避けたいグループがいる事を認識して 紛争を避けたいグループと理解と協力関係を

強化するのが、重要な事だと。

そして、米国が、日本に中国の脅威を訴えている過程で 尖閣問題が出てきた。

ジャパンハンドラー リチャードアーミテージは、尖閣問題で日本人の感情を煽ろうとしている。

尖閣諸島で日本が対中国で強行な態度をとる事を奨励している。  日米軍事同盟の強化を

狙っている。 ただし、尖閣は 日米安保の範囲といっても、日米安保自体が 米国憲法の下でとなっている。

つまり、米国議会にかけないと、中国と戦争はできない。 経済の結びつきが強くなり、大国化した中国との戦争は

アメリカ議会が認めるとは 思えない。 NATOは、違う。 同盟国への攻撃には 行動する事を条約化している。

つまり、アメリカは尖閣は守らない(自衛隊が守る事になっている) 日本が攻撃されても、アメリカ議会の承認が

必要な軍隊を 日本は、大金を払って 日本に駐留させているという事になる。 でも、それは 日本国民には

知らされていない。 

*****

結局、日米軍事同盟強化の為に、(日本に中国脅威を煽って、9条改正 日本の若者を兵隊と

して、アメリカが自由に使いたい、手先として~集団的自衛権を可決させたい)という、アメリカのネオコンの思惑で、菅総理や

前原氏 石原氏が動いた事が 今回の事につながり、中国での尖閣で紛争を起こしたくないグループの

足をひっぱり、中国の軍事グループの立場を強くする事になりかねない事態に。 それでいて、

アメリカは、尖閣には中立と言っている。  日米安保は、NATOとは違う。 日本を守ってくれるのは 米国議会が認める

時だけという事だ。 中国は、これから軍事大国化していく。 韓国の言動からすると、大国化した中国を恐れ、韓国はアメリカから、

かつての宗主国・中国の方にシフトしたようだし、(アメリカが要望している日韓軍事協定を

韓国は拒否したようだし) 日本は、アメリカとも中国とも冷静で 国益を考えた行動を慎重に取らないといけない時代に

なったという事だね。 軍事力を増す中国とも対峙しなければならなくなってくる。 そんな中国との戦争は避けるべき。

アメリカべったりでも利用されるだけ。 中国弱体化(ついでに日本の弱体化も)の為に、日中を戦わせる事も

やりかねない。 いづれにしても、日本を中国に対する駒として使いたいアメリカ。 難しい時代に入るのに、

こんな賢明なリーダー不在の日本の政治では、暗澹たる気持ちになるけどね。

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