goo blog サービス終了のお知らせ 

鍵穴ラビュリントス

狭く深く(?)オタク
内容は日々の戯言
イギリス、日本、リヒテンシュタイン、大好きです
プラトニックlove好き

古典とウメ 1

2015-03-03 18:30:33 | 万葉集
この前はカルチャースクールに行って、単発で「古典とウメ」という講座があり、受けてきました。
万葉人はウメの香を知らなかった?!――という副題です。
ここで大事なのはウメの「香」です。万葉人の上流階級にいるひとたちはウメの存在にはもちろん、気づいていました。ウメは渡来して間もないのでした。


――というわけは、
『万葉集』にウメの歌は119首ありますが、そのうちの88首つまり75%が詠人判明。
『万葉集』にサクラの歌は50首ありますが、そのうちの26首つまり50%が詠人判明。
『万葉集』にハギの歌は141首ありますが、そのうちの57首つまり40%が詠人判明。

詠人判明とは、どういうことでしょうか?

……詠人判明というのはどのぐらい社会に普及していたかの物差しになり、多いパーセンテイジほど上流階級が歌を詠んでいる、ということになります。つまり、ウメ、サクラ、ハギのうち一番多く詠人判明しているウメはまだまだ庶民には広まっていなかった、ということです。


=(イコール)渡来して間もない。
『万葉集』の中の東歌3348番~3577番にはウメのことについては一切歌われておりません。


119首のうち、ウメの「香」について歌われているものはわずか……1首。

その1首を紹介して、今日は終わりにします。


宇梅能波奈 香乎加具波之美 等保家杼母 己許呂母之努尓 伎美乎之曽於毛布


梅の花 香をかぐはしみ 遠けども 心もしのに 君をしぞ思ふ
[作者]市原王(いちはらのおおきみ)

訳: 梅の花の香りの良さに、遠く離れていますけど、心のままに、あなた(中臣清麿きよまろ)のことを思っています。





『古今和歌集』になるともっといっぱいウメの香を歌ったものがありますけどね。


つづく。

追伸 ちなみにこの先生、湯浅浩史さんは、電車で居眠りして20分遅れてやってきた正直でなかなか良い先生でしたよw


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。