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鍵穴ラビュリントス

狭く深く(?)オタク
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七重八重花は咲けども山吹の

2013-06-05 13:13:13 | 和歌
七重八重花は咲けども山吹の
  実の(蓑)一つだに無きぞかなしき



検索してみてね(  ..)φメモメモ

太田道灌に関連するお話です。


さて……山吹っていったら、清少納言の枕草子が思い出されます。

山吹は、春の花。
初秋の山吹といえば、返り花。


137段【殿などのおはしまさで後(のち)】

定子がたの権力に影がさし始めたころ、清少納言は道長がたとも親しく接しているので、定子側のほかの女房たちに、清少納言は内通者ではないかと疑われてしまっていました。清少納言のさばさばとした性格がそういう風になっちゃっているだけなのにね。
もう、やになったわ。
清少納言はその視線に耐え切れず、実家にひきこもってしまいました。
ひきこもってもう秋です。
と、こっそり使いの者がやってきました。

「御前より宰相の君して、忍びて賜(たま)はせたりつる」
訳:「定子様が宰相の君を通して賜(たまわ)った秘密のお手紙です」

と届けられた手紙には、紙には字が書いてありませんでした。
そのかわり、ひらり舞い落ちたひとひらの山吹の花。
それに、細い字で「いはで思ふぞ」と書いてありました。

山吹の返り花。「帰っておいで…」とでも聞こえてきそう。
『古今集』の素性法師の歌:
   山吹の花色衣ぬしたれや問へど答えず口なしにして
「私が贈り主ということは秘密よ……」
そんなあたたかい、定子様の優しさが凝縮された贈り物でした。

「いはで思ふぞ」は『古今六帖』の「いはで思ふぞいふにまされる」なんだわ。あれ?上の句なんだったかしら?ド忘れした。と、そばに座っていた女の子が
「『下ゆく水』とこそ申せ」
訳:「『下ゆく水』ですわ」
と教えてくれた。
ああ、そうだった。
『古今六帖』の短歌:
   心には下ゆく水のわきかへりいはで思うぞいふにまされる
だったわ。

そののち、清少納言はお返事を出して、出仕しました。めでたいな。


 
定子と清少納言の心温まる主従関係のお話でした。










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