次の朝、ワタリは起きると1番に「王の執務室」に行った。王は朝早くから1人で仕事をする。それもエリ様との時間を捻り出すためと聞いている。
「出会って、次の瞬間、発作的に片膝ついてプロポーズしてた。。。エリは笑っていた。『大人なのに子供のようなお方』と父親のロウに言いながらね。ご飯を一緒に食べて、お茶をして、お客様として王宮に3年住まわせるとロウには約束した。エリは子供で恋も愛も知らない本当の子供だったからそう決めたんだ。私は我慢ができなくて、最初に日に抱きしめてキスしちゃった。キスなんてしたことないのに本能が知っていた。『赤男の本能だね』。。。そしたら、エリは部屋から出てこなくなっちゃって、三日後に出てきた時に顔を真っ赤にして恥じらっていたから賭けに出た。『なんでお顔が真っ赤っかなのかなぁ』と言ったんだ。エリは『知らないっ!」って言ったよ。これは『イエス』だと感じたんだ。それで、その日から実質夫婦になった。」
「親子揃って手口が同じではないですか!」もう、ワタリは呆れてしまった。「じゃあ、カケルは?」
執務室のドアを開けると、やっぱり居た。
セキは書類から顔をあげると「どうした?ワタリ」と尋ねてきた。ワタリはオズオズと「セキ様は、どうやってエリ様の心を掴んだのですか?私に教えてください。」と言った。
するとセキはニヤケながら「知りたい?」と言って机から立ち上がりワタリに迫ってきた。
「出会って、次の瞬間、発作的に片膝ついてプロポーズしてた。。。エリは笑っていた。『大人なのに子供のようなお方』と父親のロウに言いながらね。ご飯を一緒に食べて、お茶をして、お客様として王宮に3年住まわせるとロウには約束した。エリは子供で恋も愛も知らない本当の子供だったからそう決めたんだ。私は我慢ができなくて、最初に日に抱きしめてキスしちゃった。キスなんてしたことないのに本能が知っていた。『赤男の本能だね』。。。そしたら、エリは部屋から出てこなくなっちゃって、三日後に出てきた時に顔を真っ赤にして恥じらっていたから賭けに出た。『なんでお顔が真っ赤っかなのかなぁ』と言ったんだ。エリは『知らないっ!」って言ったよ。これは『イエス』だと感じたんだ。それで、その日から実質夫婦になった。」
「雑すぎて参考になりません!よくそんなことができましたね!」
セキは笑って「アオイの話も聞きたい?」と言ってきた。
「はい。教えてください。」
「アオイは下界で人間のふりをしていた。本人も人間だと思っていた。下界で人間のふりをしていたアマに出会った。アマは子供だった。15になったばかりで一目惚れをしたアオイは人間なのに「神力」で誘惑した。アマの目を見て目を合わせて『赤色の気』を注いだ。。。」
「親子揃って手口が同じではないですか!」もう、ワタリは呆れてしまった。「じゃあ、カケルは?」
「赤界に来てからの話をする。カケルはリラに一目惚れをして友達になった。そのうちにリラが人間でいた時の妻だと気がついた。でも、自分がリラを傷つけて別れに至ったことを知っていたので『人間だった時の名前』で呼ぶことしかできなかった。でも、リラも同じだったのだ。過ちを許さず離婚したことを悔いていた。1%以下の確率でカケルは赤界に来るはずだと知ったリラは西の神界から此処に国替えをした。ずっとずっとカケルを待っていた。リラはカケルの不完全ささえ愛している。。。だがな、カケルの手癖の悪さは未だ治っていないのだ。高天原で他の女子にキスをしていたとの知らせが来てな。それでリラは高天原に行った。。。ワタリ、どう思う?」
「不完全でも愛してしまうこともある。。。」
「そうだ。完全なんか無い。答えがないことをワタリは私に尋ねているんだ。方法なんてない。自分のやり方で自分の心を捧げてみるしかない。お相手が答えを出してくれる。」
ワタリにはセキ親子のような雑で大胆な方法はできない。
カケルの場合は、カケルの方がより愛されている感じだ。
私は見目がいいわけでもなく、武力もなく、地味で真面目なのが取り柄。でも、亜遊様をずっとお慕いしていたのだ。気づかずに。。。だから赤界に来ても女を好きになることはなかったのだ。
それに気づいてしまったら、答えは出さねばならない。
長い間、会うこともできなかったのに忘れられなかったのだから、振られて忘れられなくても同じことだ。
24に続く。。。