勤務先の研修で救急救命講習を受講した。3時間で座学と人工呼吸、心臓マッサージなどの実技を消防局の救急救命士について勉強するというもの。各部署ごとに数名単位の割り当てがあるのだが、ほとんどは業務上の指示で出席している。私のように希望して受講する者は少数派である。ゲストの安全を守るのはホテル屋の大切な任務ではないのか。
先日もホテル内で倒れたゲストが病院に搬送されてすぐに亡くなった。救急隊員から迅速な蘇生処置を施していれば助かったかもしれないと言われたようだ。現場に居合わせた管理職は何もできず手をこまねいてひたすら救急車の到着を待っていたという。なんらの知識も持ち合わせていなかったのか、下手に手出しして火傷を負うのが怖かったのか。
救急救命処置もできないホテルに一流を名乗る資格はない。
かくいう私も今まで救命処置の知識は持ち合わせていなかった。自戒の意味もあり今回受講を申し出たのである。
数日後消防局から普通救命講習修了証が届いた。