ホテル屋日記

誰もが旅を楽しむことができるための情報を発信していきます。

なぜ、電力会社の社長は呑気なのか?

2007-07-22 19:37:23 | ニュース
ああ、早くも夏バテ。おまけに常用していた持病の薬が心臓弁膜症を誘発する怖れありとの事で使用中止。でも、世の中、その位のことではブツブツ言ってられないようだ。台風が過ぎたかと思うと中越沖地震。その直後大阪では記録的な大雨。地球は怒っているぞ!

地震といえば例の柏崎刈羽原発の事故。素人から見れば原発から火が出ているだけでもエライことなのに、東京電力の社長さんは淡々と涼しい顔で記者のインタビューに答えている。しかもぶら下がり取材で。呑気な話だ。記者会見では原子力部門幹部が汗を拭き拭き頭を抱えて回答に窮しているというのに。
どうも呑気なのは東電だけではないようで北陸電力の志賀原発の臨界事故隠蔽事件でも社長さんは「上に知らせるのもなんだし、現場で処理したんでしょう」などとまるで他人事。
電力会社といえば何れも各地の名門企業。そこのトップともなればエリート中のエリート。今回登場いただいた二人の社長さんは何れも事務屋さんで経営企画畑など花形部門を歩んで来られたようで、お坊っちゃんゆえの対応になったようだ。

阪急+阪神=H2O

2007-05-11 10:35:07 | ニュース
阪急百貨店阪神百貨店を統合する持ち株会社の名前が「H2Oリテ-リング(㈱」に決まったそうだ。HANKYU、HANSHINのH。OSAKAのOを取り、水の原子記号を表し水都大阪を表しているとのこと。
将来構想としては現在の阪神百貨店本店と隣接する新阪急ビルを統合し超高層ビルに改築する案が浮上しているようだが、阪急、阪神の棲み分けをどうするのか難しい問題だろうな。

今日から京都でADB

2007-05-04 14:45:57 | ニュース
今日から京都国際会館でアジア開発銀行(ADB)の総会が7日までの予定で開かれる。世界各国から金融関係者ら3000人が出席する大型且つハイグレードな国際会議である。日本では過去、大阪、福岡などで開催されているが、なぜかGWの繁忙期にかかることが多い。特に今回は観光地京都での開催ということで京都のホテルの確保に例年以上に苦労された方も多いのではないだろうか?

ホテル屋にとってもこの時期の国際会議というのはありがた迷惑なのである。黙っていても予約は入って来るのに出席者のために一定数の客室を予めブロックしておかねばならず、価格も幹事となっている旅行代理店の提示する特別レートで提供しなければならない。それでもブロックした客室が完売できれば良いが、ドタキャンが多いのだ。過去サッカーワールドカップなどでも旅行代理店の杜撰な予約管理が原因で直前になって大量のキャンセルが発生し社会問題化した事実がある。

今回の京都は大丈夫だったのだろうか?

黙祷 ホテル屋が見た阪神大震災。

2007-01-17 09:19:38 | ニュース

黙祷。6434柱の御霊の安からんことを。

あの震災から早や12年である。当時私が住んでいた豊中市も激震に見舞われた。まるでマンションをゴジラが揺さぶっているのではないかと本気で思ったものだ。

当時私はホテルの宿泊部門に勤務しており数日後に予約が入っている団体の手配業務を担当していた。この団体は非常に複雑な手配を要するもので何日も前から準備を整え、この日手配内容の最終チェックとデモを行うはずだった。駅に向かうも大阪市内に入るための淀川に架かる橋という橋が通行止めで市内に入れない。とりあえず勤務先に電話をしようとしたが加入電話も公衆電話も通じない。そのうち住んでいたマンション1階のコンビニの公衆電話が通じることがわかった。電話を入れると大阪市内在住のスタッフが出勤しており用件を切り出すまでもなく「あの団体キャンセルになりましたよ」とのこと。ほっと一息。ただ、ホテルもかなりの打撃を受けているらしい。
電車が開通し出勤してみると予約部門は電話が鳴り止まずパニック状態。フロントは地震当日のナイトシフトのメンバーが交代要員が出勤できないため3日3晩ほとんど不眠で勤務を続けており皆目が血走っている。
私も席に着きとにかく狂ったように鳴り続ける電話を取った。「家が全壊して寝る所がないんです。どんな部屋でも結構ですから一部屋使わせて下さい」、「寝る所は階段でもどこでも良いからせめてシャワーだけでも・・・」といった悲痛な内容がほとんどだ。われわれも被害状況が把握できておらず何室が販売可能か分からない最悪の状態だった。その混乱に拍車をかけたのがいわゆる上顧客と呼ばれる連中からのわがままな電話である。「これから家族を連れて行くから部屋用意しとけ!俺が誰か分かってるやろ、こんな時に言うこと聞かんかったら二度と使わんぞ」と一方的に電話を切る。なにが社長だ!なにがLIONSのメンバーだ!次第に予約スタッフも殺気立ってくる。
そのうちフロントから徐々に被災状況が伝えられ部屋タイプごとに正の字で予約状況を管理するという原始的なやり方で対応していった。
この電話の嵐が収まると今度は全国から復旧作業の応援に来阪する電力会社やガス会社のスタッフの宿泊手配である。氏名はともかく人数も到着するまで詳細は掴めない。胃の痛くなるような毎日だった。
そんな中私が一番印象に残った業務は大阪市内に本社を置く某金物専門商社の団体手配だった。直接の担当者は震災で姉上を亡くされ本来彼がまとめるべき宿泊者の部屋割りなどの作業が全くできていないと言う。彼は担当役員と共に来館し部屋割りはホテルに任せるのでこの参加者リストから適当に部屋割りを組んでほしいと言い役員と深深と頭を下げる。「お任せいただけるのなら当方で引き受けますが、そりの合わない人と同室になったりすると部屋割の変更を求められることもありますよね。当日は全館満室ですからご要望に沿えないことが多々発生すると思いますが」、「結構です。宿泊者には勝手な要望をしないよう釘を刺しておきます。ホテルには迷惑をかけないよう重々注意しておきます」ということで私は2冊の部厚い バインダーを受け取った。デスクに戻りリストを見て私は頭の中が真っ白になった。宿泊しない人もリストに含まれている。まずは宿泊者のピックアップ。さらに到着日、宿泊日数等の条件別に分類し部屋をアサインしていく。この膨大な作業は徹夜で2日間を要した。当日を迎えさてチェックイン。結果は惨憺たるものだった。「俺に商売敵と同じ部屋で寝ろと言うのか!別の部屋を用意しろ!」という要求が次々に発生。フロントクラーク、客室スタッフの協力で何とか乗り切ったが、1週間ほどは胃を掴み出されるような毎日だった。

あれだけの激震の中身内に犠牲者が無かったことを幸いとしなければなるまい。