ホテル屋日記

誰もが旅を楽しむことができるための情報を発信していきます。

ホテルマン、バリアフリーを考える。

2004-11-28 19:27:01 | バリアフリー
RMCという組織があります。Restaurant Managers Conferenceの略で関西のホテルのレストラン部門に従事するホテルマンの情報交換の場であるとともに勉強会を兼ねた例会を月に一度実施しています。管理部門に勤務する私には日頃縁の無い場ですが、今回は勉強会のテーマが「障害者の方のアテンド」ということでお誘いいただいたというわけです。
会場は加盟ホテルの持ち回りで今回は琵琶湖ホテルが当番で改装間もない3階の小宴会場を提供いただいた。深い紫色でまとめられたスタイリッシュな会場で窓の向こうには琵琶湖がひろがりバルコニーもあるという立地を最大限生かした造りになっています。
さて、本題ですが講師は大手旅行代理店で聴力障害者を中心にバリアフリーツアーを企画されているN氏であります。バリアフリーという言葉も認知されていなかった20余年も前から取り組んでこられただけに我々には想像もつかない経験を基に語られる氏の話は実に興味深いものでした。しかも終始手話を併用されての2時間にわたる講演はあっという間に終わったのでした。
その後の懇親会でもいろいろ経験談を伺うことができました。いくつかをご紹介すると・・・・
ハワイツアーの最終日、チェックアウトしようとロビーで点呼を行ったら1カップル足りない。部屋に行ってもチェーンがかかっていて入れない。出発時間が迫っており同じ階の空いている部屋からベランダ伝いに問題の部屋までたどり着きやっとの思いでコンタクトできた。ちなみにその部屋は20階だったそうです。
これに懲りたN氏は、次の添乗で就寝時には足に紐をくくり付けてもらい一方の端をドアの下から廊下に出し非常時にはその紐を引っ張るという方法を試したそうです。(この方法も夜中に酔っ払いが面白がって紐を引っ張り参加者の不評をかってしまったそうです。)
「同じ旅行代金をいただいている以上、障害の有無に関係なくツアーメンバー全員に楽しい旅を提供する。それが我々プロの使命ですよ」。おっしゃるとおりです。
良い勉強会でした。