(1/2)からの続きです。
■ スマートメーターの無線部はどうなっているか
スマートメーターから電力会社まで一体どういうルートで情報が流れてゆくのでしょうか。
電力会社はメーターを設置するだけで何も説明してくれません。
東電では無線マルチホップ方式を主体に次の3つの方式を地域特性に合わせて採用しているようです。
・ 一般住宅エリア等では無線マルチホップ方式
・ マンション等集合住宅向けにはPLC(電力線搬送通信)方式
・ 山間部等では通信事業者のサービスを流用
PLCは有線ですがあとの2つは無線です。
無線マルチホップ方式ではスマートメーターは電柱等に設置したコンセントレーター(集線装置)と電波をやり取りをしますが、コンセントレーターと一対一の通信ができないような電波状況の悪い場合は隣近所のスマートメーターを経由して次々バケツリレーのようにコンセントレーターと電波の受け渡しを行う無線メッシュネットワーク方式です。

コンセントレーター
無線方式はRCR STD-T108標準規格に、通信プロトコルはIEEE802.15.4g/4eに準拠し、免許不要の920MHz帯特定小電力無線局として法整備され2012年7月25日に電波が開放されています。
T108の技術基準では電波形式、変調方式は規定せず送信出力は20mW以下とされており、実際にはデータ伝送速度100kbpsのFSK変調が使われているようです。
コンセントレータ1台のスマートメーター処理能力は最大500台くらいと見られています。
平均的にはその半分の250台として東電管内2700万台のスマートメーターに対して約10万台のコンセントレータを設置する必要があることになります。
東電管内のコンセントレーターの整備状況はデータが公開されていませんのでよくわかりません。
コンセントレーターと電力会社の間は、有線の場合と携帯電波を利用する場合があるようですが詳細は明らかにされていません。
■ 電磁波過敏症の人に恐ろしいスマートメーター
電波は電磁波の一種で、体に影響しない電磁波は何一つありません。
電磁波は国際がん研究機関(IARC)によって発がん性の可能性があると認定されています。
スマートメーターは一日中電磁波を出しまくり被ばくを強要する電子検針器と言えます。
スマートメーターで先行するアメリカでは2013年7月時点で4,600万台以上のスマートメーターが設置済みで、これは全米の電力契約数の約32%に当たり2015年までに約6,500万台が設置される計画です。
そのアメリカでスマートメーターから発する電磁波による健康被害や盗聴の可能性、プライバシーの侵害などの訴えが数多く挙げられ、スマートメーターの設置に反対する住民が反対運動をおこし社会問題になっています。
多発する健康被害の症状の主なものは、
・スマートメーターが設置されてから一晩中眠れない
・近所の家に設置されてから頭痛、めまい、動悸、不安感などに悩まされている
・常に耳鳴り、頭痛がする
・外出すると体調は良くなるが家に戻ると再発する、など
電磁波の影響を受けやすい妊婦や子ども、高齢者、心臓ペースメーカー装着者、電磁波過敏症患者にとってスマートメーターの普及は深刻な問題となっています。
カリフォルニア州では2011年利用者がスマートメーター導入を拒否する権利を認めて機械式メーターに戻せるようにしました。
カナダのバーモント州では無線スマートメーター設置を追加料金なしで拒否できる法案を可決しました。
30分ごとの電力使用量のデータを送信するスマートメーターは自分の家のデータだけでなく近隣の家のデータまで取り込んで一緒に送る場合もありますからその場合送信時間は長くなると想像されます。
どれくらいの時間データを出しているのか探してもデータが見つかりません。
詳しいデータはセキュリティを理由に公開されないようです。
また、電力会社はどれくらいの被ばく量なのかデータを公表していません。
スマートメーターの危険性を十分検証せず導入してしまっているのではないでしょうか。
スマートメーターだけでなくコンセントレーターからも電波を出しますし、電気だけでなく水道やガスのメーターも無線化が検討されていますから町中電波だらけになります。
電磁波による人体への影響はすぐには症状が現れにくく個人差もありますから油断して軽く考えがちです。
電波は便利な反面害になる可能性もあることをよく認識しておく必要があります。
■ スマートメーターは誰のもの?
スマートメーターは送配電設備の一部として地域電力会社の持ち物で、消費者のものでも新電力のものでもありません。
スマートメーターは日本全国ですべてを入れ替えると1兆円以上の費用が必要になる巨大投資であり費用対効果を考えれば標準化は実に重要な意味を持ち、スマートメーターの導入は電力改革の1丁目1番地とされます。
しかし全国で8,000万台の設置が見込まれるこのスマートメーターは電力が全面自由化されても従来の電力会社にとって地域独占を守る何としても死守しなくてはならない最後の砦です。
現実は国の監督指導は甘く、隅々にまで利権がいきわたっている原子力村ならぬメーター村という利権構造に阻まれ、このままでは規格が統一できない超ガラパゴス状態になっています。
すでにガス会社、水道局、スマートメーターのメーカーが協力して実証実験が開始されておりメーターの一体化導入の機運も高まりつつあります。
今後電力だけでなくガス、水道を巻き込んで三つどもえの利権争奪戦が繰り広げられるのでしょうか。
消費者にしてみればスマートメーターに交換されても仕様書1枚くれるわけでなく得体の知れない電磁波発生器を家の敷地に取り付けられ、メーター代だけはかかったものすべて電気代に含めるという総括原価方式によりしっかり支払わされることになります。
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ネットに散在するぼう大な資料を検索・収集し読み解き整合を取り、できうる限り真実を求めてここまで調べて2回にわたってまとめてみました。
まだまだ私たちに知らされていない事実も多いのではないかと思っています。
関連ブログ:
・スマートメーターから見えてくるもの (1/2) (2016.05.10)
・電力の自由化とオール電化 (2016.03.26)
・電力の自由化って言うけれど (2016.02.26)
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