QAZのつれづれ日記

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調名の覚え方

2016年08月25日 | 音楽

楽譜を見てその曲が何調か、調名をすぐ言えるでしょうか。
よく出てくるハ長調、♯1つのト長調、♭1つのヘ長調くらいは言えても調号の♯や♭の数が5つも6つもとなるともうわかりません。
嬰へ長調、変ロ短調の如く「嬰」や「変」がついてきたりもします。

私は趣味でマンドリンを弾きます。
楽器を弾く人は「固定ド」で楽譜を読みますから普段調名を意識することはあまりありません。
一方今は亡き母はママさんコーラスをやっていましたので「移動ド」で楽譜を読んでいました。
「移動ド」では調号によってドの位置が変わりますので調名がわからないと楽譜が読めません。
よくもスラスラと何調でも階名で楽譜が読めるものだと不思議に思ったものです。

「移動ド」で読めば調号にいくら♯や♭が多くても邪魔になりませんし、ミとファ、シとドの間隔は常に半音です。
「移動ド」は調性感覚に優れた読み方だと思います。

調名はいくつあるでしょうか。
長調で15、短調で15、全部で30もあります。

まず♯系長調の調名です。
♯のないハ長調から始めて♯が1つ増えるごとに調名はハ→ト→ニ→イ→ホ→ロ→ヘ→ハと最大♯7つまで変化します(嬰がつく、つかないはとりあえず置いておいて)。
8つ目の♯の効果は1つ目と同じですから最大7つで終わりです。
調名は階名(ドレミ・・・)ではなく音名(ハニホ・・・)で呼称されます。

私はこの順序を「ハトニイホロヘハ」と呪文のごとく暗記していますが例え忘れても大丈夫、次の方法ですぐわかります。
(1)ハトニイホロヘハを一つ飛びに唱えるとハニホヘ、トイロハという風にイロハ順になっていますので頭の二つ、ハ長調とト長調だけ知っていればあとは芋ずる式に呼び出せます。
(2)最初のハの5度上がト、次からも5度づつ上がってゆきます。従ってこの方法でもハ長調、ト長調だけ知っていればあとは自動的に出てきます。
5度上ということを暗記していればハ長調だけ知っていればよいのですがハ長調の次が何度上だったか忘れてしまった場合に備えるにはト長調も知っておく必要があります。

♯6つと7つの調号のとき調名に「嬰」が付きますが、これも暗記しておく必要はありません。
調名は主音(ド)の位置を示しますから、その位置に調号の♯がかかっているかどうかを調べてかかっていれば「嬰」をつければよいだけです。
調号の♯の位置についてはト長調の♯の位置だけ覚えておけばあとは♯が一つ増えるごとに5度上(または4度下)に♯を追加してゆけばよいことになります。

次に♭系長調です。
♭系では♭のないハ長調から始めてハ→ヘ→ロ→ホ→イ→ニ→ト→ハと最大♭7つまで変化します。
この順序も暗記しにくいですが上の♯の順とちょうど逆向きになっていますから覚えておく必要はありません。
ハ長調、ヘ長調だけ知っていれば4度づつ上がっていることからでも呼び出せます。
調号の♭の位置についてはヘ長調の♭の位置だけ覚えておけばあとは♭が一つ増えるごとに4度上(または5度下)に♭を追加してゆけばよいことになります。
主音の位置に♭がくる♭2つ以上の調号の場合にすべて「変」がつきます。

次に短調の場合の調名です。
調号に♯も♭もない場合長調はハ長調ですが短調ではハの3度下はイですからイ短調です。
これは主音の位置が長調ではドであるのに対して短調では3度下のラになるからです。
他の短調名もすべて長調の3度下の音名での呼称となります。
♯3つ以上にはすべて「嬰」、♭5つ以上にはすべて「変」がつきます。

以上のような方法で調号から主音ドまたはラの位置を知ることができますが、調名を知るには調号だけでなく長調か短調かの判別もしなければなりません。
これはこれで説明が長くなりますのでまたの機会に譲りたいと思います。

以上をまとめて一覧表にしてみます。
便宜上ハ長調、イ短調を♯系調号、♭系調号両方の先頭に加えました。


この中で長調の場合ロ長調と変ハ長調、嬰ヘ長調と変ト長調、嬰ハ長調と変ニ長調、短調の場合は嬰ト短調と変イ短調、嬰ニ短調と変ホ短調、嬰イ短調と変ロ短調は結局同じ音階を弾く(歌う)ことになりますので異名同音調と呼ばれます。
異名同音調は楽譜を作る場合♯系で作っても♭系で作ってもどちらでも同じことになります。

ところでこれだけたくさんの調名があるのに例えば嬰ホ長調という調名はありません。
これは嬰ホ、すなわちファの位置に主音をもってくるとヘ長調、すなわち♭系の音階となって♯系の調号では音階が作れないからです。
このことは実際にピアノなどで弾いて確かめてみるとよくわかります。
同じ理由で変ヘ長調、嬰ハ短調、変ニ短調、嬰ホ短調、変ヘ短調も存在しません。

調名一つとってもいろんなことが見えてきます。
ネットにはこのほかにも調名に関していろんな覚え方の例が示されています。



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