もっともっとNippon

日本がもっと豊かな国にならないか、と思ってい、気がついた事をコメントします。ご意見、異論、反論も募集中です。

福島原発が世界の技術力のショーケースになってきた

2011-03-30 23:23:45 | 日記

収束しない福島原発の放射能漏れを解決する為に、フランス、米国が技術支援を受け入れる環境がが整いつつあるようだ。

◆米国

「原発内で遠隔操作できるロボットを日本に送る」
 米エネルギー省のライヨンズ次官補代行(原子力担当)は29日の上院エネルギー天然資源委員会で、そう証言した。AP通信によると、同省の原子力研究所(アイダホ州)から、原発内を撮影できるカメラ数台とともに日本に向けて発送されたという。

 ロボットは強い放射線の中でも作業が可能だ。ライヨンズ氏は「日本政府関係者が非常に強い関心を示したため、情報を提供した」と説明。ロボット操作の指導役として、同省の専門家を日本に派遣する方針も示した。


フランス政府とアレバは原発事故後、いち早く防護服やホウ酸などを日本に向けて送った。また汚染された場所で作業を代替するロボットの貸し出しも同時に申し出ていたが、当時の状況では効果がないという理由で日本側から拒否されたと21日付の仏フィガロ紙が報じていた。

  今回、改めて日本がフランスに支援を要請したと伝える記事のコメント欄には、「1週間ほど前、今回の支援で送られる予定のロボットの貸し出しを申し出たのに、日本は現場でロボットを試すこともなく、特に有用でないという理由で断った」「東京電力は、ようやくフランスの原子力技術が必要と考えたようだ」など、東電の事故対応の甘さなどへの批判が見られる。


世界の知識を結集して事態を収拾する事は必要だ。 一方でアジアや、アフリカなど世界中の人が注目する中で、日本人が人の力に頼って事態を解決するのに対し、フランスや米国が科学的援助をする、という構図は、今後の日本の評価に大きく影響するだろう。

恐らく、昨日アップしたBlogに書いたロボットを実際に現場に投入するのには、問題もあるのだろう。
(日刊工業の記事に詳しい:http://www.robonable.jp/news/2011/03/29irs.html)

この状況は、第二次世界大戦の時の日本軍のレーダー開発にも似たものがある。

技術者は、軍艦にレーダーをつけたかったが、海軍は卓抜した乗組員の目視による監視で充分で、
それでなくても狭い艦橋に、レーダー機器を置くことを好まなかった、という。(せっかくつけた
レーダーを外させた艦長もいたという)

一方で、米国艦船が、レーダーを活用する事により、日本の航空攻撃が効果をあげなくなる事が
あきらかになった時、初めて艦長は、我も我もとレーダーを希望したが、その時には既に、太平洋戦争の
趨勢は決まっていた、という。

現場が混乱しているのも理解できるが、実はこういう時こそ、技術が大きく進歩するチャンスでもある。
是非、積極的に取り組んでもらいたい。

日本の技術力を結集させれば、短期間に相当レベルのロボット開発ができると思える。
メキシコ湾の石油流出をBP社が解決するのに6か月もかかった。
事態の長期化も視野にいれながら戦略的に取り組んでもらいたい。


なぜ、福島原発の現場技術者だけに負担が押し付けられるのか? 過去の経験から停滞する日本

2011-03-30 00:00:04 | 日記
高い放射線濃度の中で、施設の復旧作業に懸命に作業されている技術者の努力には、本当に敬服せざるを得ない。

なぜ、このような危険な環境下で、ロボット先進国といわれる日本で、復旧作業に貢献するロボットが一台もないのか?

1999年の東海村原子力事故で同じように高放射能の危険な環境下で、人間が作業せざるを得なかった事を契機に、一時期、遠隔で測定、作業ができるロボットの開発が、日本原子力研究所(財)原子力安全技術センターなされてきた。
(詳細は、文部科学省のHP:http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030301.html)

ところが、今回の事故で、ロボットが一向に活用されていない。
フランスや米国の技術に頼っている状況だ。

このことを、日本の技術力の凋落の証左として海外メディアは報道している。

今回の事故で、原子力発電所の運用には、原子力それ自体だけの技術ではなく、事故時の運用も含めた総合的な技術力が問題になる、ということが改めて認識された。

是非、現場で命の危険を晒している技術者の為にも、日本の技術力を総結集して、問題に対処してもらいたい。

写真は、■放射線に強い事故時対応ロボット:Rabot
以下は、2001年8月の日本原子力研究所(現独立行政法人日本原子力研究開発機構)の報道発表


 原研は、非常に高い放射線レベルの環境条件下で、情報の収集を行う事故時対応ロボットの開発を進めてきた。 今年3月には、情報遠隔収集ロボット(愛称:RESQ, Remote Surveillance Squad)を開発し、公開した。 これには役割に応じて、小型軽量で現場の状況を迅速に把握するRESQ-A、事故発生現場での詳細な情報を収集するRESQ-B、汚染情報の収集や試料採取を行うRESQ-C、の3種類がある。

 RESQは、JCO事故程度の放射線環境下での作業を想定していたが、今回原研で開発したものは、より放射線レベルが高い原子力施設の事故現場でも情報収集や試料採取を行うことができる「放射線耐性型ロボット」(愛称:RaBOT, Radiation-proof Robot)。

 RaBOTの特徴は、ロボットアーム、走行機構、バッテリ等の本体機器には放射線に強い部品を使用、放射線に弱いカメラ等の電子部品についてはユニット化し、簡易着脱コネクタを用いて現場で容易に交換できる構造としたこと。
 これにより、放射線に対する寿命が105Gy程度とRESQの1000倍となり、高放射線環境下の事故現場で継続的に情報収集や試料採取を行うことができるようになった。
 ロボットは、操作盤を備えた専用のコンテナ内から、有線または無線により操作され、ロボットが収集した情報はコンテナ内のコンピュータで集中管理される