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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

久保田治

2016-11-15 20:00:09 | 日記
1962年

アンダーシャツを三枚とりかえた。どれもいま水からあげたばかりのようにぐっしょりだ。久保田はチームでも一、二を争う汗っかきである。「オールスター戦中練習らしい練習はしなかったので、いつもの倍は汗をかきました」プロ入り八年生なのに言葉づかいはすごくていねい。試合前のことだが大毎の若生、上条らが「こんちわ」と久保田にあいさつすると「アッ、これは、こんにちわ。暑いですね」と腰を低くかがめた。久保田の方が先輩である。話し合いはこんなふうにバカていねいなだけでなく、話すスジもちゃんと通っている。「外野を走っているときはこの暑さでしょう。どうなることかと思いましたが、マウンドで投げたらこれはいけると思いました。球威がありました」-完投できると最初から自信があった?「二回投げて自信がわきました。おそらく投球数は八十前後だと思います。ぼくの場合、一イニング十球のペースでは完投できません。外角へはずし内角シュートで勝負したのですが球威があったのでねばられずにすみました。一回八球、二回は九球でした。いままでも完投したときは必ず八十前後のはずです」言葉どおり投球数は七十八。ある記者が聞いた。「今夜は安打二本打たれたが・・・」みなまでいわせず「いいえ三本です」と訂正した。すべてこの調子である。オールスターに選ばれながら久保田は平和台でも広島でも投げなかった。博多に着いたとき水原監督に「おまえは投げさせんぞ」と引導をわたされたそうだ。「広島にはおやじもきていたので投げたかったですね。ペナント・レースの方がそりゃ大切なんでしょうけど・・」その広島で土橋が打たれ、この夜第二試合もみじめだった。「これからがぼくのシーズンです」という久保田をオールスターであえて使わなかったのは水原監督の深い読みがあったとみていていいようだ。久保田は冷蔵庫で冷やしたコンブのエキスを毎日欠かさず飲んでいる。「コンブの小切りを水につけるだけですが、塩が適当にとけておいしいです」これが夏の活躍を維持する秘けつだそうだ。

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