宮本敏雄

1954年

読売巨人軍にハワイからまた新鋭が加わった。エンピー宮本一塁手（21）（日本名敏雄）で二日午後九時五十五分日航機でハワイから羽田空港についた。同選手は昭和八年四月二十六日ハワイマウイ島に生れ、ポールドウィン・ハイスクールを二十六年六月に卒業、マウイメタル会社（工場）などに勤務、この間ハワイのＡ・Ｊ・Ａリーグ（二世協会）で活躍、四割一分五厘を打ったことがある。二十八年五月入隊、同年秋ハワイ米陸軍選抜軍に選ばれた。今年のインター・サーヴィス・リーグ（ハワイ米軍リーグ、昨冬十二月から今春三月まで）三割九分八厘で首位打者となり、守備率（一塁）は九割六分一厘。巨人軍入りのため予定より二カ月早く四月下旬に除隊したばかりである。一塁、捕手、外野をこなす万能選手、バッティングがよく、脚力をきかせた長打が多い。足も早い。実妹はハワイ女子水泳界（背泳）の第一人者だという。六尺、二十一貫、右投右打。同選手は当分千代田区神田日章旅館内の柏枝選手と起居をともにする。

宮本選手談「十日ほど前コースト・リーグのオークランド・オークスのオドゥール氏から来いといわれたが巨人の方が先だったのできたがすぐやれる自信はある」