goo blog サービス終了のお知らせ 

プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

村瀬広基

2016-10-23 18:12:00 | 日記
1962年

村瀬の今シーズン初勝利は伊藤の中堅左ライナーをスライディング・キャッチした国松の美技できまった。背中を痛めてノックもやらず、静養中(? )の別所コーチがマウンドからのんびりした顔でおりてくる村瀬のところにまっしぐらに走っていったのが印象的だった。「そりゃええもんですわ」初勝利の味をきかれて村瀬はあいきょうのある顔をほころばせた。「前半はシュートで、後半はストレートで勝負したんや。しかしきょうはツイとったわ。逆にワシに追い風ではなく打者に追い風やったら四回くらいでKOされとった。三回の式田、五回の財津の当りは完全にホームランになっとった。それにはじめころぎょうさんいい当たりされたやろ。まあファイン・プレーで助けてくれはったし、中日さんはそれだけツイてなかったんや」昨年の九月はじめに巨人入りし、たちまち5連勝してリーグ優勝に大きく貢献。ことしはエースの一人と期待されながら村瀬はさっぱりだった。昨年冬季練習でスライダーを覚えたことが原因だそうだ。スライダーのにぎりのためか球質がすっかり軽くなってしまい、別所コーチから村瀬にスライダー禁止令が出た。「スライダーは三球使ってまっせ。投げられるんやから、スライダーもあるでえ・・・というのをみせとかんと損や。そやけどみな完全なボールばかり投げたんや。打者の目を混乱させたらそれでええのやからな」といいながら、一番ピンチだった七回の無死一塁で江藤を遊ゴロ併殺打させた球は「スライダーですわ」とヌケヌケと答えた。これを聞いた別所コーチ、ギョッとしたような顔をして「あれ、村瀬のやつ、勝手にスライダーを使ってやがるな」とニガ笑い。藤田が村瀬のところへやってきた。「やっと一つ目を出したな」一つ目とはもちろん1勝のこと。村瀬はこの先輩に帽子をとってうやうやしく頭をさげた。「村瀬が出てきたからあとは柴田だ。夏場にはベテランはへばるから、若手のジョー(城之内)村瀬、柴田が出てこないと乗り切れないからね」別所コーチはさっそくつぎの売り出しのことを考えていた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 竹中惇 | トップ | 山崎武昭 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

日記」カテゴリの最新記事