作文小論文講座

苦手な作文を得意に。小学生から受験生まで、文章上達のコツを項目別に解説。作文検定試験にも対応。

感情

2012-07-10 | コラム
 先日読んだ『「読む、書く、話す」脳活用術』(茂木健一郎著)の中に、「人生において正しい判断や決断を下そうと思うのならば、理性で考えることも大事ですが、その前提として感情を豊かに活性化させなければならないのです。」という一文がありました。

 行動の基盤となるのは感情です。熱烈な思いあってこその行動です。行動の部分だけに目を向けても本末転倒です。その行動が、本当にその人の感情に基づいたものなのかが重要だからです。そう考えると、子育てで大切なことは、行動の基盤となる感情を育てる...ことではないかと思います。

 確証はありませんが、私たちは、誰もが魂の目的を持ってこの世に生まれてきたのだと思います。何が目的なのかはその人にしかわかりません。その人自身が感じ取るしかないのです。たぶん、魂の目的にそって生きるときがいちばん充実していて、いちばん輝いているはずです。

 子供たちは純粋なので、潜在的にはそのことを知っています。でも、この世では、純粋に生きることがとてもむずかしいのです。社会の枠組みの中で、いかにうまく生きるかに重点が置かれているために悪意のない干渉が多いからです。

 知らず知らずのうちに自分たちが決めたルールの中で勝負を決めようとしているのが今の社会です。でも、その枠組みをいったんはずしたら、もっと自由で、もっと自然な世界が現れ、自分の心の真実にそって生きる人は、誰もが勝者になり得るのです。誰もが勝者なので、勝者という言葉さえ意味を成しません。

 絵空事のようなことを書いてしまいましたが、今の社会の中でも、大事なことは子供たちの心の声をきちんと聞くように努力することだと思います。自分の心の声を自分で聞き取れるように促す子育てをすることだと思います。そうすることによって、徐々に社会も変わっていくはずです。

 そのためには、親自身が目先のことにとらわれず、子供の持つ潜在的な力を信じることが必要だと思います。

 計算が速くできることも難しい漢字が書けることもテストで100点が取れることもマイナスではないかもしれません。でも、その能力を使うときの基盤となる感情が育っていなかったら、行動だけが空回りして、新しいものを生み出すことはできないでしょう。

 上記の本には、「単に「お金持ちになりたいから」「社長になりたいから」といった動機だけでは、絶対に長持ちはしません。自分が動くことで、世の中の何が変わるのかを意識すること。」とも書かれています。ほんものの心の声は、個人的な欲望を越えたもので、ときには世の中を動かすくらいのパワーを秘めたものなのだと思います。

 もちろん、これは子供たちに対してだけ言えることではありません。大人でも同じことです。何歳になっても、自分の魂の声に気づいて、その声に従って行動している人は幸せです。

 確かに回り道にも意味があります。紆余曲折があるのが人生です。でも、私たち大人が、子供たちの本当の思いを感じ取りながら、その個性を大事に育てていくことができたら、この世界はますます素晴らしいものになるに違いありません。


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