多分駄文のおじさん日記

我輩は駄文を書くおじさんである。旅、音楽、MLB、株式投資、etc., 日々想いつくままに思いを巡らすのである。

Ground Zero Part-5

2005-06-05 07:36:58 | New York
アメリカ文化とグローバル経済の象徴であったWorld Trade Center(WTC)のことをもっと良く知りたくて、今回3月のNY訪問→帰国後には何冊かの関連本を求めた。
在りし日の実物や崩壊後の現場にも数知れず訪問しているが、その歴史のことは必ずしも良く知っている訳ではなかった。

何冊かの中では、『世界貿易センタービルー失われた都市の物語』 (アンガス・K・ギレスピー著、KKベストセラーズ)が好著であった。

そもそも何のために誰がこのWTCを建てたのか。
何故あのような大きなビルが建てられたのか。
設計家に日系人のミノル・ヤマサキが選ばれたのは何故か。
彼はどう設計したのか。
建設にあたってのどのような困難があり、NY流にどう克服されてきたのか。
ツインタワーが如何にNY市民から愛される存在になってきたのか。

こうした数ある興味あるテーマについて、克明に事実を描いている。
それは、アメリカ・NYの現代史そのものとして捉えることが出来る。

「小さな計画は立てるな。小さな計画は人々の血を沸かすことはない。」
-WTCは最初から大胆な発想から生まれたが、その後ビル建設までの道は平坦ではなかった。
しかし、当時の新大統領、John F.Kennedyの出現や、我輩が最初に就職した米国銀行のオーナーであったRockfeller等の後押しもあって建設に至った事情などもアメリカの良き時代、右肩上がりの時代を感じさせられ、読んで血が湧き上がるものがあった。

また、80年代以降のビル内部の様子、ツインビルの狭間に建つホテルのバーやレストランのディテールなども個人的には経験があり、すぐに目に浮かぶ様子が描かれており懐かしかったし、ちょっとしたトレヴィァを知る点でも面白かった。
ご興味のある方には、お勧めのWTC入門編の一冊である。

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