リボンズ・アルマークが「やり直しのできる」体を持っていたこと。
彼に「造られた」リジェネ・レジェッタがそうではなかったこと(おまえ、腹に『ジャンプ』は基本だろ)。
殺傷兵器、オートマトン。
夥しいMSと大量に複製したパイロットを特攻兵器として投入した恐るべき戦術。
人の感情や思考は電気信号にすぎず、人を複製、量産可能な「使い捨て」と見なすリボンズの「対話」は人類のためのものではない、という答えがひとつ出ました。
(リボンズ)「コロニー型外宇宙航行母艦・ソレスタルビーイング。イオリアは2世紀以上も前に予見していた。未知なる種との遭遇を、来たるべき対話を。GNドライヴ、ヴェーダ、イノベイター、そして・・・この船こそ人類の希望。人類を滅亡から救う、まさに方舟だよ」(#23、以下同)
外宇宙へ進出って・・・「上位種」と被支配者だけで地球を見限ることだったんかい。なんという残念な希望、どれほどがんばってもそれ以上は分割できない、限界のある、物質次元でしか扱えないデジタルな存在が、予測を超えた未知との遭遇に対応できるはずがない。矛盾だ。リボンズ、君には失望した。ルイス・ハレヴィを早く返せ。
アナログ(analogue)⇔デジタル(digital)の問題は、脳波を量子というフレーム(frame)で捉える脳量子波の意味と併せて、ずっと考えていました。
- (羅)Analogia(女性名詞):類似、類推、類比。
- (希)ανα(を上って)+λογοs(ロゴス。言葉、理性)。
- (羅)Digitus(男性名詞):指。
- (羅)digero:分ける、分配する。割り当てる。分類する。
アナログが共鳴(同じもの)を見出す上昇・統合(↑)スキルなら、デジタルは差異(違うもの)を見出す下降・分散(↓)スキルと云えるでしょう。正対する方向と量です。どちらが「対話」に必要なのかは自明の理。他者こそ未知なる豊かな存在です。
(ルイス)「おまえ達さえ、いなくなれば!」
(沙 慈)「幸せになれるの?!」
(ルイス)「沙慈!」
(沙 慈)「闘いで勝ちとる未来なんて、本当の未来じゃないよ―――僕達はわかり合うことで未来を築くんだ!」
現実の体験に裏づけられた沙慈・クロスロードの言葉を、00(ダブルオー)という物質(0)⇔意識(0)の重ね合わせの領域で覚醒し、量子=物質の最小フレーム(枠)を越えて意識との直接リンクが可能になった刹那・F・セイエイが支える、という構図がもう熱い熱い。
これはポテンシャルの戦いです。アナログ(可変)⇔デジタル(不変)、「枠」を越える者⇔越えない者の。
(スメラギ)「皆、行きましょう。わたし達が世界を変えたことへの償いを、そのけじめをつけましょう。イノベイターの支配から世界を解放し、再び世界を変えましょう。未来のために」
罪だとは思いません。その行為は、あるべき代謝を停滞させた「歪み」の犠牲者に、
(おまえ達はそこで飢えろ、苦しめ、そして死ね)
と無言で宣告し続けてきた世界の身代わりになり、俺のところで止める!と決意した勇気の表れだからです。カタロン(クラウス・グラード)も連邦のクーデター派(カティ・マネキン大佐)も、そのけじめに共感してトレミーを援護した。
そして、母艦の艦船用ドッグに着艦したトレミーに侵入し、「技術屋」としてではなく、あえて生身でリーサ・クジョウに銃口を向けたビリー・カタギリのけじめにも意味はあると思います。そうか、その線は疑ってしかるべきだったな。イノベイターへの技術提供は。
その他、走り書き。
- ロックオン・ストラトス対アリー・アル・サーシェス、これぞ因縁の対決。
- アレルヤ・ハプティズムとソーマ・ピーリス、お互いに好きになったんだな・・・という先週の小さな幸せが吹っ飛ぶGNアーチャーの大ピンチ。どきどきどき。
- ティエリア・アーデ対リボンズ・アルマーク、まさに宿命の対決。ヴェーダ、奪還なるか。
パトリック・コーラサワーは天才だ、と思うのは彼が、自分を信じて100%疑わない、という類稀な力を持っているからです。意識を現実のものとするために、これほど強い武器はなかった・・・それだけに。
(パトリック)「大好きです、カティ」
I miss you.君がいなくて寂しい。
参考資料:
『ギリシア語入門 改訂版』(田中美知太郎 松平千秋/岩波書店)
『羅和辞典』(研究社)