1951年05月31日(最終改正:2005年10月21日)
2004年12月01日
- 口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針(農林水産大臣公表)@農林水産省
本病の病原体が国内へ侵入する要因としては、感染動物、汚染畜産物、船舶又は航空機の汚染厨芥、わら、乾草等の飼料又は敷料に加え、風による飛散などが想定されるほか、鳥、人などを媒介とした侵入も考えられる。
第1 基本方針
本病の防疫対策は、第一に本病の発生国からの病原体の侵入を防止すること、第二に本病が発生した場合にはその被害を最小限にくい止めることが基本となる。このため、国内で発生した際には、国際的な本病清浄国の防疫原則に則り、殺処分により本病の撲滅を図り、常在化を防止する対策を実施することが重要である。3 ワクチン
本病の現行のワクチンは、発症の抑制に効果があるものの、感染を完全に防御することはできないため、無計画・無秩序なワクチンの使用は、本病の発生又は流行を見逃すおそれを生ずることに加え、清浄性確認のための抗体検査の際に支障を来し、清浄化を達成するまでに長期間かつ多大な経済的負担や混乱を招くおそれがある。このため、我が国における本病の防疫措置としては、早期の発見と患畜等の迅速な殺処分により、短時間のうちにまん延を防止することが最も効果的な方法である。第2 防疫措置
1 異常家畜の発見の通報から病性決定までの措置
(1)異常家畜の通報
本病は、空気伝播などにより急速に拡大する急性伝染病であり、本病の症状を呈する異常家畜(以下「異常畜」という。)の発見から防疫対応に至るまでの初動防疫を迅速に実施することが、本病の病原体のまん延を防止する観点から極めて重要である。3 発生地における防疫措置
(1)一般緊急措置
ウ 殺処分、死体処理、消毒、汚染物品の処理等に必要な人員、資材、薬品等の準備並びに関係機関及び関係団体への連絡は、現地対策本部で実施する。(7)人員の確保
ウ 想定を超える大規模な発生があり、ア(※現地対策本部が確保)及びイ(※他都道府県の家畜防疫員等の派遣要請)による対応では十分な防疫措置が講じられず、まん延の拡大による当該地域の社会的・経済的混乱が見込まれる場合は、事前に自衛隊災害担当窓口に対し、発生状況、派遣を希望する期間、区域、活動内容等について連絡する等の手続を行い、動物衛生課と協議の上、都道府県知事より自衛隊への派遣要請を行う。8 感染源及び感染経路の究明
農林水産省は、これら(※家畜、人及び車両の移動、飼料の利用、物品の移動、渡り鳥等の野生動物との接触の可能性、気象条件等)の調査の結果に基づく専門家からの助言を踏まえ、感染源及び感染経路の究明に努める。
感染経路が「なんでもあり」。なぜ殺処分なのか。なぜリングワクチネーション(疑似患畜の発生地点を中心とした同心円内を対象にワクチンを接種)がリスキーなのか。時間との戦いだということがわかりました。ワクチンを打っても殺さなければならない。ちゃっちゃとやるには埋却地の面積(というか容積)も含めた物理資源の確保が前提となりますが、現地対策本部がそれらを調達できるうちに片をつけないと大惨事になることも。
2010年03月26日
OIE-World organisation for animal health-(国際獣疫事務局)が公開する「Event summary: Foot and mouth disease, Japan」によると、
Full report(20/04/2010)
Outbreak 1 Tsuno-cho Koyu-gun 2, MIYAZAKI
Date of start of the outbreak 07/04/2010
Outbreak status Resolved (20/04/2010)
Epidemiological unit FarmFull report(05/05/2010)
Start date 26/03/2010
口蹄疫の1例目は「宮崎県児湯郡都農町2」の農場。しかし、最初に口蹄疫の発生を確認したのは「3月26日」に訂正されています。1例目はあくまでも最初に疑似患畜として認められた順番であって、最初の発生とはかぎらない。?と思ったら、
Full report(23/04/2010)
Outbreak 5 Tsuno-cho Koyu-gun 1, MIYAZAKI
Date of start of the outbreak 26/03/2010
Outbreak status Resolved (25/04/2010)
Epidemiological unit Farm
Affected animals
Species Susceptible Cases Deaths Destroyed Slaughtered
Buffaloes 42 1 0 42 0
Swine 2 0 0 2 0
- 宮崎県における口蹄疫の疑い事例の5例目、6例目について@農水省
- 口蹄疫疫学調査チーム第4回検討会の概要(PDF:85KB)@農水省
6例目のことだったんですね。今わかっている「最初の発生」は。ウィルスの侵入時期は「3月中旬頃」。
2010年04月18日
- 感染4月上旬?症状見誤りか 川南の大規模農場@宮崎日日新聞
川南町の大規模農場で「牛数頭によだれの症状」を確認。ここは(レポート上の)7例目で、えびの市に「飛び火」した9例目の関連農場です。その後(6月7日)、農水省の疫学調査チームによって家畜運搬車両などによる「飛び火」の可能性が指摘されています。
- 宮崎県における口蹄疫の疑い事例の7例目について@農水省
- 宮崎県における口蹄疫の疑い事例の8例目、9例目及び10例目の確認並びに第2回口蹄疫防疫対策本部の開催について@農水省
- 口蹄疫疫学調査チーム第3回検討会の概要(PDF:68KB)@農水省
2010年04年20日
- 口蹄疫の疑似患畜の確認及び口蹄疫防疫対策本部の設置について@農水省
- 都農で口蹄疫疑い 繁殖牛3頭陽性反応@宮崎日日新聞
口蹄疫中央防疫対策本部、県口蹄疫防疫対策本部が設置されました。指針のとおりです。ところが3ヶ月後、農水省の疫学調査チームによって↓が明らかに。
要点は2つ、①6例目が最初の感染地、②4月20日には少なくとも県畜産試験場川南支場(10例目)を含む10農場でウイルスが広がっていた。「なんてこった」です。
2010年04月22日
- 「怒り」@江藤拓 日常活動報告
- 4月22日申し入れ(PDFファイル)@衆議院議員江藤 拓ホームページ
江藤拓(宮崎2区)衆議院議員が政府に対して33項目からなる申し入れを行いました。ものすごく怒っていますが、それは「わが国畜産の崩壊につながりかねない非常事態」という危機感から生まれたものであり、これを読むと、なにをするべきなのか、裏を返せば、なにができずに困っているのか、わかります。
2010年04月27日
- 豚にも感染か 県畜試川南支場で5頭に症状@宮崎日日新聞
県畜産試験場川南支場で飼育している豚に来た。「豚同士では感染力が強まる」とは知りませんでした。豚に来たらヤバい。憶えておきます。
2010年04月28日
- FAO warns of increased foot-and-mouth threats@国際連合食糧農業機関(Food and Agriculture Organization)
- FAOが口蹄疫の脅威増加を警告する(PDF:147KB)@国際連合食糧農業機関(FAO)日本事務所
FAO主席獣医官が「すべての国が危険にさらされている」、口蹄疫は国際問題であることをアピール。宮崎1県の話ではすみません。今後、日本のバイオセキュリティのせいでわが国の畜産業は壊滅だ!なんてことになったら・・・で、そのセキュリティに立ちはだかる問題が浮上しつつありました。
宮崎の状況。知事を始め、皆さん仰るのは、とにかく蔓延防止と早期の終息。陽性確認が続くうちは経営対策など、次の段階に移れない。埋却場所の確保や獣医師不足などが喫緊の課題。確認から10日。1週間ほど続発が無ければ、ウイルスの動きも落ち着いたと言えるのかも知れないが…。
11:00 PM Apr 28th
とにかく早く、ウィルスを排出する生体、死体を(殺して)埋める、という旨はわかったんですけど、殺す人がいない、埋める場所がない、という。農水省の中の人の認識です。
2010年04月30日
- 官邸へ口蹄疫対策要望@江藤拓 日常活動報告
- 4月30日申し入れ(PDFファイル)@衆議院議員江藤 拓ホームページ
- 宮崎県における口蹄疫の疑い事例の12例目について@農水省
- 国の全額補助を要望 県郡畜連合会議@宮崎日日新聞
自民党の口蹄疫対策本部(本部長:谷垣禎一総裁、代行:宮腰光寛(富山2区)、江藤拓衆議院議員)から首相官邸に対して申し入れ(42項目)が行われました。これを受けることになっていた鳩山由紀夫内閣総理大臣および赤松広隆農林水産大臣がこれを当日にキャンセルしたため、松井官房副長官、舟山農水大臣政務官が対応。「災害救助法に基く自衛隊派遣」要請に対して、「検討する」とのこと。
さて、中央対策本部長にとって口蹄疫よりも優先度の高い案件は「メキシコ、キューバ、コロンビアの関係閣僚と経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)などにかかる会談をする」というものでした。外務省>外交政策>経済の分野です。この海外出張は口蹄疫で“被災”した畜産農家に対して有益な成果を約束するものでなければなりません。これは農水省の義務です。それが筋です。この日までに殺処分対象となった家畜は牛豚を合わせて4,369頭。知事が「甚大な被害」とつぶやいています。