森井教授のインターネット講座(神戸大学大学院工学研究科教授 森井昌克)

1996年から2009年3月まで朝日新聞に連載してました森井教授のインターネット講座のネット版(もどき)です。

日記にして日記にあらず

2005年01月14日 16時26分35秒 | Weblog
また、個人の日記に書き込んだ内容が問題になっています。かつても、某大学の学生が、性犯罪まがいの「あること、ないこと」を書いて、実名を晒されて、大問題に発展してましたが、インターネットと言う書くほうから見ると、小さな窓ですが、その窓の向こうがどうなっているか、わからないようです。今回の女医さんも、よほど仕事のストレスを抱えているのでしょうが、その不満の「はけ口」として、自分のネットで公開している日記に書き込んだのでしょう(内容的には、その仕事上、許容度を超えて、事実であれば社会的にも許されない範囲ですが...)。

昔からの日記ならば、自分以外の誰にも見せない、見ないことが前提なのですが、インターネット上の日記は、保護手段を設けなければ誰でも見れるのです。女医さんも、その事実は知っていたのでしょうが、理解できなかったのでしょう。つまり、匿名で書いているつもりなのでしょうが、よほどのことがない限り、「引きこもり」ならいざ知らず、第三者との関係による社会的な行動を書く限りは、特定されるものです。この場合、女医であって、かつ爬虫類の飼育が趣味ということでしたら、かなり限定されて、すぐに誰だか特定されてしまうでしょう。つまり、病院の玄関で、大声で「患者のバカ野郎!!二度と来るな」と叫んでいるようなものなのです。

ネット上の日記に、匿名性などありえません、そう考えておいたほうが無難です。もし、本当に日記のようなしたければ、閲覧制限のついた(極端には自分しか見えない)ページに日記を書くべきです。