森井教授のインターネット講座(神戸大学大学院工学研究科教授 森井昌克)

1996年から2009年3月まで朝日新聞に連載してました森井教授のインターネット講座のネット版(もどき)です。

上海ガニと文化の侵食

2005年01月08日 01時10分51秒 | Weblog
お台場で上海ガニが繁殖しているそうです。まだまだ少数のようですが、複数見つかっていますから、繁殖していると考えて良いでしょう。もともと名前の通り、中国の河川敷や沿岸に生息しているカニですから、日本では生息していないはずなのです。恐らく、輸入したものが(生きたまま輸入することを日本は認めていますから... 米国は認めていないそうです)逃げたか、故意に逃がしたか、もしくは貨物船等に紛れ込んでいたものが繁殖したのでしょう。漏れ聞くところでは、国内でも養殖しているところがあうそうで、そこから逃げたのかもしれません。上海ガニは「チュウゴクモクズガニ」と呼ばれますから、国内の在来種である「モクズガニ」と親戚です。しかしながら在来種と比較して繁殖能力は高いそうで、アメリカザリガニのように、在来種を駆逐するかもしれません。

文化もそうゆうところがあるかもしれません。欧米文化が...というような高いところではなくて、もっと軽いカルチャーの部分です。まあ、文化というものは時代が左右させると言ってしまえば、それまでなのですが。

例えば日本語文化に対してです。言葉と言うものは大事にすべき文化なのですが、ネットワークの出現によるコミュニティの多様化によって、言葉も多様化しています。今までは、TVの影響は無視できない...といいつつもさほど大きな影響は与えませんでした。ネットワークの影響は無視できないでしょう。携帯電話で用いられる言葉(話し言葉でなく、メールでの書き言葉)は確実にコミュニケーションの取り方を変えています。対面の文化がインターフェースを介した文化に侵食されようとしているのです。