恩に着せがましい心を起してはならないのである。
恩はすべて神から来るのであって、すべての人間は受身である。
真の宇宙は 神によって造られたものであるから、
実相に於いては 全体が平等釣合っていて、
恩の貸し借りなどは存在しないのである。
甲が乙に与えても、乙が丙に与えても、
それは釣合の原理に従って、天地の法則に従って
高き所の水が 低き所に流れるが如く行われるのであるから、
自分が恩を与えたのである。
原因結果の法則は 恢々(かいかい)として漏らすことなく
他の処(ところ)で取り過ぎがある時に奪われるようになっており、
他の処で与え過ぎがある時に与え返されるようになっているのである。
『 生長の家 』 昭和二十六年二月号 二十六日の法語 谷口雅春先生