ORGANIC STONE

私達は地球を構成する生命を持った石に過ぎないのですから。

有音と無音の間に存在する音楽:Jonsi Japan Tour 2010(Nagoya 02/12/2010)

2010-12-02 23:34:57 | 音楽:オルタナティヴ、プリーズ!
シガーロスのヴォーカリスト、ヨンシーの初のソロ・ツアー。今年のサマソニで見た彼のライブはこのフル・ステージのダイジェスト版と呼べる物で、メンバーも構成はほぼ同じ。しかし観客の緊張感はサマソニより数段に高く、皆1音1音を聞き逃すまいと全神経で音を追っているのが分かる。

音が重なり、ゆっくりと降り注ぐのが目に見えるようなサウンド、無音もまた重要な構成要素。そのサウンドにさらに強いエフェクトを与えているのが背後のスクリーンに映し出されるオリジナル・アニメーション。5人のメンバーのファンシーな衣装と演奏するシルエットも含めビジュアル効果を演出している。ライブに行く予定の方は、是非ステージのスクリーンがよく見える位置で見て欲しい。また、一見子供が紙の王冠を被っているようなルックスのThorvaldur Thorvaldsson(←読めない。本人に名を聞いたら"トッティ"と言っていた)の力強いドラムが信じられないほど曲を引き立てているのを是非注目!!!いや注目しなくても、誰でも気づくね。

背を丸め、2足歩行に慣れない獣の様にステージをうろつき、狂った鳥の様に歌うヨンシー。ヴォーカルや雰囲気の優しさとは違い、ライブでの彼には恐ろしいほど生命力を感じる。あの世とこの世を繋ぐ音楽が存在するのならそれはシガーロスだと以前断言したのだが、ヨンシーの音楽はシガーロスのサウンドより子供や動物のような原始的で純粋な感情が存在する。その感情は怒りのエネルギーではなく、純粋な喜びのエネルギーとでも表現するか・・・彼の音楽はすべての境目、境界線、ボーダーライン、ヒンターランド、相反する物の間に位置する音楽。有音と無音、醜悪と美、幸福と苦痛、人間と動物、死と生、人間と人間ではない者の境目。彼の生み出すサウンドには相反する物が同時に存在し、同時にどちらにも属さない。世にも美しいマイノリティ。

Jonsi - Autumn tour trailer
ツアーのプロモーションCM。


Jonsi Live Grow Till Tall
ライブ最後の曲。凄かった。鳥肌たったね。

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