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日本男児もしてみむとてするなり

紳士協定という名の密約

2005-04-29 00:00:00 | 支那、韓国・朝鮮
靖国参拝 「紳士協定」を否定 中国・王大使言及に日本政府 (産経新聞) - goo ニュース

紳士協定と報道されていますが、早い話が密約です。

事実として密約があったのかどうなのか。それは、現在の国際関係の状況に関する利害関係が他の利害関係に移行するまで明らかになるはずはありません。ただ言えることは、この種の紳士協定という名の密約の存在が公式の外交ルートで明らかになることは戦争など特殊な状況を除いてはまずありません。もっともこれまでの国際慣行は欧米諸国の歴史の中で形成されたものであることからすれば、皮肉を込めて言えば、支那が欧米中心の国際秩序にプロテストしたと言えないこともないんでしょう。要するに、相手との信頼関係もクソもないということで、これが支那流ということなんでしょうかね。

密約というと聞こえが悪いですが、これは必要悪です。そして、その内容が自国に不利なものであれば、許されざる政府の背信行為ということになります。外交に民主的統制を及ぼす民主主義国家にあっては特にそうです。しかし、一方で、密約の一切ない外交交渉などあり得ないともおもいます。要は、最終的に国家国民の利益になるか否かが分かれ目になります。

そういう視点で考えると、仮にこの種の密約があったとすれば、中曽根大勲位の罪は万死に値します。なぜなら、靖国参拝は日本民族の美意識に直接つながる問題だからです。民族の存亡がかかるような事態に直面した場合に限り臥薪嘗胆しつつ妥協することはあってもいいですが、それ以外では妥協の余地のないものだからです。そして、当時も今も支那との関係で日本がそのような事態になったことはありません。

中曽根大勲位は前々から靖国神社への公式参拝に一旦は踏み切りながらそれを中止した理由として、当時中曽根氏と個人的に友好関係にあった胡耀邦・中華人民共和国共産党総書記の権力維持に配慮したと自ら語っています。もっとも、当然ですが中曽根氏は自粛したというのみで、密約をしたとは語っていませんし、仮に密約があったとしても語るはずはありません。それが密約というものだからです。

結局、中曽根氏の靖国神社公式参拝中止は、当人の言うように自粛だったのか、それとも密約によるものだったのか。その真偽は不明です。ただ、仮に自粛しただけだとしても、このような自粛は許されざることです。この話を聞いた時中曽根氏に対するわたしの評価は一瞬にして最悪なものとなりはてたことを思い出しました。靖国神社への参拝は政治に左右されてはならないのです。これは日本民族の美意識・倫理観の根本に関わるものだからです。日本国の中枢を担う人々にそのことへの意識が欠如しているのは現在の日本の最大の危機といっていいでしょう。

≪参考資料≫
胡耀邦中国共産党総書記宛て 靖国神社公式参拝の取り止めに関する公式書簡

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