疾走しない限り意味がありませなんだ

きょうは天気が良かったので、亀緒君を庭で日向ぼっこさせた。横につきっきりで芝生を歩かせたり、膝に乗せて日光浴させたり。その間もカラスや猫に注意を払う。

甲羅がぽかぽかになってきたので水槽に戻したのだが、そのせいなのかどうなのか、ずいぶん早い時間から「出して出して」が始まってしまった。

もうあれはほとんど脅迫に近いものがある。まず水場の方で、プラスチックの容器の上に乗り、なおかつ水槽の壁面にもたれかかって、立ち上がろうとする。バランスを崩せば水の中に落ちる。危ないなあと思いつつ放っておいたら、行動はさらにエスカレート。

今度は陸場に上がっていって、隅の方に置いてある石の上に立ち上がり、水槽の壁面をガリガリしている。これは危ない。めちゃめちゃ危ない。ひっくり返ったら、甲羅をまともにレンガにぶつけてしまう。仕方がないので、リビングのホットカーペットの上にさらにもう１枚古いカーペットカバーを敷いて、亀緒君を放す。亀緒君はさっそく「遊ぼう遊ぼう」と寄ってくるのだが、私はまだこれからお風呂を汲んで、夕飯のしたくもしなくてはならない。

だが目を離すと、どこにいってしまったかわからなくなる。そこで私は考えた。猫に鈴をつけるように、亀にも鈴をつけてみたらどうだろう。で、やってみた。首につけるのは無理。ひっこめてしまうので。仕方なく、ビニールテープで甲羅にはってみた。ううう、か、カッコ悪い。

しかも、亀緒君はたいへん静かに歩くので、鈴はチリッとも鳴らない。疾走でもしない限りチリチリチリなんて音は聞けないのであった。